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第5話☆「生徒会VS声劇同好会」

はあぁんッ!♡あ、綾辻先輩………ッ!

「報告を頼む─────」

「はい」

青いショートへアをした女子生徒が、レモン色のロングヘアの女子生徒に言った。声をかけられた女子生徒はひと呼吸おくと、頭の中でまとめていたセリフを口にした。


「昨日の放課後、三階空き教室Cにて、声劇同好会の活動を確認しました。声劇同好会による教室の無断使用報告は今月で5件。未確認も含めればそれ以上になるかと考えられます」


女子生徒は報告を終えると、そっと目を左側に向けた。


「声劇同好会──────。前回も許可のない教室の使用は校則に触れると注意したというのに、()りないやつらだな─────」


---天乃川高校2年生徒会幹部・綾辻忍(あやつじしのぶ)

深い青色の瞳とショートヘアに黄色のカチューシャを付けており、常に鋭い眼光を周囲に向けている。曲がったことが大嫌いな正義感の強い人物であり、この天乃川高校では警察と同じレベルで恐れられている人物でもある。


---その隣に座っているのは、同じく2年幹部・長谷川(はせがわ)うたの。

黄色い瞳に二の腕まで伸びたレモン色のロングヘアをした女子生徒で、生徒会では幹部の他、資料を整頓したり添削(てんさく)を行う仕事も持っている。ビジュアルがとてもよく、それは非公式で存在する「天乃川高校三大美女」の一人に数えられているほど。


「風紀を乱す不届き者はどんな人間でも許さない。一つを見逃すと、そこを皮切りに全ての風紀が乱れていく。今度という今度こそ、解体してやる!」

「そうですね。さすがにもう、看過できません」

「ダンス部の二の舞など絶対に御免だからな─────」


忍は目をカッと見開き、鋭い目つきになった。うたのはそんな忍を見ている。彼女は忍の同級生であるため、彼女の一番近くでサポートしなければならない。その気持ちを持って、忍の仕事を支えていた。


「それと、御多花(みたか)は何をしているんだ──────?」

「今日も「欠席」とだけグループLINEにありますね……」

「アイツは会長である身でありながら自覚がなさすぎる。幹部会だというのにどこに行っているんだ──────」


忍は不在の生徒会長・緑川(みどりかわ)御多花(みたか)に怒りを露わにしていた。彼女は一年生で在りながら生徒会長に就任した異例の人物である。また、声劇同好会・未完声(みかんせい)にも所属しているが、この時はまだ忍たちは知らなかった。


「しかし……。緑川さんは本当にどこに行っているのでしょう」

「知らん。だが、どうせ生徒会の業務から逃れるためにバックレたんだろう。全く。家柄だけで権限のある奴は腰抜けだから困る─────」


忍は御多花がいないこともあり、いつにも増して苛苛と文句を言っていた。その様子をうたのは、ただ黙って聞いているだけだった。


「あ…………あの、ぉ……」

「ん?どうしましたか?安芸(あき)先輩」

「え…………えっとです、ね……」


ピリピリとした空気が漂っている中、ホワイトボードの近くにあるパイプ椅子に座っていた赤髪の女子生徒が口を開いた。


---名前は、安芸(あき)(かえで)。生徒会3年幹部であり、生徒会でのポジションは書記や資料制作。時々図書委員会の手伝いにも顔を出している。赤い髪を三つ編みおさげにまとめており、大きな赤淵眼鏡をかけている。基本的に自分から言葉を発することはなく、瞳の奥にも光はない。本人曰く「この学校1の陰キャ」とのこと。


「さ、さっき向かっていた時ですね…………廊下で声劇同好会の人と一緒に、み………御多花会長が歩いているのを見つけ……ま、ました……」

「何ですって?」

「それは有益な情報です。詳しくは分かりますか?」


耳よりの情報を聞きつけた忍とうたのは、楓に食い入るように情報を求めた。

楓はわたわたしながらも、落ち着いてひとつずつ情報を共有した。


「きょ、今日の活動場所は…………さ、三階空き教室のBだって、き、聞きました………」

「三階空き教室Bですか」

「やはり定期的に変えていたのか……。小賢しいことをする。ありがとうございます安芸先輩。恩に着ます」

「となると、これからどうするんです?忍」


うたのが忍に訊ねた。忍はさらに鋭い眼光を光らせて言った。

「決まっているだろう。そこに御多花もいるんだ。ちょうどいい機会じゃないか。今日で声劇同好会を完全に叩く。そこで反抗的な態度でくるようものなら、この天乃川高校生徒会の手で、完全に解体する──────!!!」


忍の瞳には、確かな決意が、轟々と青く宿り燃えていた。

第6話へ続く。

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