タイトル未定2025/03/26 23:36
大量にあった料理が目の前から消え去ってしまった
戦争を生き抜いてきた彼らにとって沢山の食べ物は魅力的であっただろう
あれだけあった料理が全て消えていた。戦場を生き抜いてきた彼らにとって、沢山の料理はとても魅力的であっただろう
桜夜『片付けてきますね』
全ての食器を下げる。彼らにゆっくりしてもいいと伝えたあと、食器を洗っていく
戒斗「月城様。私もお手伝いいたします」
桜夜『え?や、休んでていいですよ?』
戒斗「私がやりたいのです。駄目…でしょうか?」
桜夜『星野さんって…なんというか…わかっててやってますよね?』
戒斗「気のせいです」
桜夜『気のせいじゃ…』
戒斗「気のせいです」
桜夜『あ、はい』
彼の笑顔にとても圧を感じる。これは確信犯だ。顔が良いことをわかっててやっている
桜夜『では、私が洗っていくので拭いていって貰ってもいいですか?』
戒斗「わかりました。あと、星野ではなく戒斗で良いのですよ?」
桜夜『え!そ、それは…遠慮、します』
戒斗「どうしてですか?名前で呼んでくださらないのですか?」
桜夜『ち、近いです…』
ぐいぐいっと距離を縮めてくる戒斗。彼は控えめで大人しい感じかと思ったが、そうではなかったようだ
戒斗「私も桜夜とお呼びいたしますので」
桜夜『え、えっと…戒斗…さん』
戒斗「まぁ、及第点でしょう」
桜夜『えっ』
戒斗「次からは呼び捨てでお願いしますね?」
桜夜「あ、はい」
有無を言わせぬ彼の圧に頷いてしまう。そっと彼の顔を見てみると目の下に隈があった。睡眠時間も取れぬほど忙しかったのだろう
桜夜『戒斗さん』
戒斗「はい。なんでしょう?」
桜夜『今すぐ寝てください』
戒斗「え?」
桜夜『目の下に隈があります。寝れてないんじゃないですか?』
戒斗「常に警戒をしていなければ死んでしまいますから…警戒していても死んでしまいましたが…」
彼に休んで欲しくて言ったのだが、重い空気になってしまった。どうしようという言葉が頭を駆け巡る
桜夜『あ、あの』
戒斗「そのせいか眠れなくなってしまいました」
桜夜『え?』
戒斗「ですからお気になさらず」
桜夜「ぁ…」
これ以上聞いてはいけない気がした。彼の目はとても悲しそうで…苦しそうな目をしていたから