こんな物騒なのが第2次試験?
そして第2次試験の日の朝になった。
案の定、第2次試験も何時集合か伝えられていなかったので今回も朝早くに出発した。
カーナには1週間も、世話になってしまったので、お礼をしたかったが流石に時間が早すぎたので、ありがとうと紙に書き置きしてカーナ家を出た。
「それにしてもカーナって本当にいい奴だったな、いくら普通自分の左腕をグニャグニャにした奴にこんなに優しくしてくれるなんて」
カーナの左腕は、カーナの家に泊めてもらえることになってからすぐに治したが、流石に申し訳なかった。
「いつか俺に余裕ができたら恩返ししないとな」
「そんなものいらない、所詮お前ができる恩返しなんてたかが知れている」
「ファッ?!」
俺がカーナに申し訳なさを覚えながら学園に向けて歩いていると何故か横にカーナがいた。
「なんでカーナがここに?!」
「朝からそんなに大きい声を出すな」
「いや、そんな音もなくお前が現れるとか幽霊より怖いわ」
「心外だな」
実際、全く音を出さずに近づいて来たので超怖かった。
「それにしても、なんでカーナは俺に着いて来たんだよ」
「別にお前についていっている訳じゃない、学園に用があるだけだ」
「どんな用なんだ?」
「それは僕にも分からない...起きたら急に頭の中にテレパシーが飛んできて、学園に来るように言われただけだからな」
「なるほど?」
まぁそれならカーナが俺と一緒に学園に来るのも分からんでもない
でもなんで第1次試験を通過することができなかったカーナが呼ばれたのかは、分からないが
そのあと俺はカーナと軽い雑談をしながら学園に向かって歩いていった。
学園に着くと校庭に案内された
校庭にはすでに受験者のほとんどがいるようだ。
なんなら明らかに第1次試験を突破した2000人よりもだいぶ多いようだ。
『ようこそ10万人の皆様』
ん?...ここにカーナも呼ばれているって事は第1次試験に落ちた人々も来ているという事だよな
でも最初は100万人と言っていたはずだが
『今ここに第1次試験の死亡者と負傷者を除いた全員が来ましたので第2次試験の説明を始めます』
という事は第1次試験で90万人が戦闘不能になったという事か
じゃあ第1次試験のモンスターで強かったのか?
正直モンスターは俺も、俺から獲物を横取りした黒髪ポニーテールの女の人も、モンスターをほぼワンパンで倒してしまったから強さがよく分からなかったが90万人も戦闘不能にしたから恐らく強かったのだろう
でもそれをワンパンで倒した黒髪ポニーテールの女の人も俺も相当強いのかもしれないな!
『第2次試験では毎年トーナメント形式の対人戦で行われておりましたが、今年は少し内容を変えて皆様には犯罪者殺し
をやってもらおうと思います』
犯罪者殺し?...随分と物騒そうだな
『先日、終止符が脱走致しました。』
終止符?って誰だ?
俺はこれっぽっちも聞いた事ないが、周りの人達はざわついているので有名な人なのだろう
多分知らなきゃまずい事だろうから俺はカーナにそれとなく聞いてみた。
「なぁカーナ、終止符ってなんだ?」
「お前、終止符も知らないのか...」
どうやらカーナに俺は呆れられてしまったようだ
「終止符は元々、人間国宝になるであろうと言われていたが結局、人間国宝には認められずその報復として民間人を大量に殺した人間のことだ」
「なるほど、でもそいつは終止符って名前なのか?」
「世界に異能の力に認められて人間国宝になるなんて噂されるレベルの人間は、名前を捨て神通の名前で呼ばれるようになるんだ」
「へぇ〜つまり、もしカーナが強さを世界をから認められ始めるとカーナから風全操作って呼ばれるようになるって事か」
「まぁそんな感じだ。終止符は、その強さと犯した罪の大きさで歴史に名を残すような人間だ。そんな人間が脱走したとなると、それは放置できない大問題な訳だ」
『皆様には終止符を5人組を作って殺してもらいます。終止符を殺すことができた5人が第2次試験合格で入学の権利を得ます。また、今回は特別に第1次試験に合格できなかった方々も参加することができます。』
テレパシーの人がそういうと校庭にいた受験者が一気に文句を言い始めた
「ふざけんなー」
「そんなことできる訳ねぇだろー」
10万人の殆どが文句を言い始めた。
まぁ文句を言う気持ちも分からんでもない
歴史に名を残すレベルの人を殺さなきゃいけない訳だし
でも本当にその終止符って奴は、そんなに強いのだろうか?
「なぁカーナ、終止符ってそんなに強いのか?」
「当たり前だ、この世界に終止符殺せる奴なんてそれこそ人間国宝ぐらいなはずだ。毎年、超常学園の試験は厳しいことで有名だが今回は、度が過ぎている」
『また、今回の第2次試験を合格できなかった人々も第3次試験を受けることができます。ただし第3次試験を受けることができるのは第1次試験に合格した人のみになります。殺す期限は1ヶ月になります。それでは第2次試験をただいまよりスタートいたします。』
説明が終わると皆んな一気また文句を言い始めた。
「こりゃダメだな多分第1次試験を合格した奴らはどうせこの試験を何もせずに過ごして第3次試験に挑むだろう。第1次試験を合格していないものでも終止符を倒すことを完全に諦めてしまっている。」
「じゃあカーナはどうすんだよ。俺は第1次試験を受かってるからここで無理する必要はないけどお前は違うだろう。」
「もちろん僕は1人だろうと倒しに行く」
「だよな、じゃあ頑張れよ!」
「待て、お前も僕と一緒に来い」
「ヤダ!頑張ってね!」
「おい待て、僕は行き場のないお前を1週間も世話してやっただろう?その恩返しに一緒に行こうとは思わんのか?」
俺が逃げようとするとカーナは即座に俺の首「掴んで威圧してきた
「いや、そりゃ感謝はしてるけど、そんな怖そうな相手に喧嘩売るぐらいなら俺は第1次試験も突破してるし静観したいのですが」
「僕は第1次試験を突破していないんだぞ」
「それはドンマイってことで」
「待てと言っているだろう、僕が他人に何かを頼む事はそうそうないのにお前に真剣に頼んでいるんだぞ」
「いや知らねえし、それにお前には手下とかがいるんだからそいつらと5人組になればいいじゃん」
「手下どもでは実力不足だ、それに手下の中でも1番の強者もお前が戦闘不能にしたんだろうが」
確かにそうだったな、恐らく手下の中で1番強かったのが俺が手足をグニャグニャにしてしまったバリアの神通力の使い手のことなのだろう。
となると俺にも多少の責任がありそうだな
でもやっぱりそんな怖い奴に喧嘩なんか売りたくないし
「でもさ俺なんかより良い人と組めばいいじゃん」
「お前の神通力は自由度が高く、何かと便利な神通力だ、強い弱いは置いといてもお前とは組みたい。」
どうやらカーナは俺の形質変化を神通力と勘違いしているようだ。
まさか自分が魔法に手こずっていたとは少し思っていないのだろう
「それにお前は僕に勝ったのだから受験者の中ではかなりの強者のはずだ。」
「いや〜、どうしたもんかね〜」
「なら、僕と来てくれるのなら金欠なお前に小遣いをやろう」
「行きます!!」
今の所持金0円の俺からしたら金は命より重いしな!これは行くしかないだろ。
「ちなみにカーナさん、どのくらいぐださるのでしょうか」
「それはお前がどれくらい活躍したかによるな」
「ラジャーであります!」
カーナの清き提案によって俺とカーナがチームを組むのを決めた時後ろから1人の美女が忍び寄って来て俺の肩をトンと叩いた。
「久しぶりだね〜少年くん〜」
そう声をかけて来たのは超常学園の受験のことについて教えてくださった金髪ロングの美女だった。
「あ...の...その...お久し...ぶりです」
カーナとは普通に話せるようになった俺だが、やはり女性だとまだまだコミュ症全開だった
「いや〜この後のチームなんだけどさ〜」
金髪ロングの人と俺が久しぶりに会話と呼んでいいのか分からないやり取りをしていると、横からカーナがすごい速度で金髪ロングの人に近づき金髪ロングの人を吹き飛ばした。
「ちょっ?!カーナ?!」
「このクソアマは第1次試験の時に僕のことを妨害して来た奴だ。」
そういうとカーナは、ポケットからナイフを手に持ってすごい速度でカーナ自身が数十メートル吹き飛ばした金髪ロングの人の元へむかっていった。