4/21
夢追い人.:*・゜
:*・゜.:*・゜.:*・゜.:*・゜
あの日 キミは言ったね
「子供の頃からの夢だったんだ」って
止めることなんて出来なかった
それでも着いて行ける自分がいたなら
たとえ嫌われたって後悔なんてしなかった
何も言えないままで良い彼女を演じて
笑っていた滑稽な自分がいたことが
今も胸を締め付ける 苦しいくらいに
粉雪が待っていたね 音もない空間に
最後に見せたとびきりの笑顔は
偽りの笑顔
粉雪が手のひらに舞い降りて消えて行く姿が
「それじゃ」と言って背を向けたキミと
シンクロした
冷たくなった手を頬に当てて
まだ笑いながら涙を拭った
笑っていても仕方ないのに
笑顔が好きだと言ってくれたキミだったから
粉雪の中に溶けて行くように
だんだん影が薄くなるキミの背中に
笑いかけていた
キミを“夢追い人”と呼ぶならば
夢の先には私がいたかった
追いかける勇気があったなら……
fin.