表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/21

雨:*:・'゜


いつだって貴方に会いたいよ


いつだって貴方を感じていたいよ


そんなこと解りきっているはずなのに

つい強がりを言ってしまったの



あの日 雨が降り出した時

傘の花が咲いたね


歩道橋から見下ろしていた

街の風景が色彩々に変わって……煙ってた



涙顔 見られないように

そっと傘で隠した あの日の午後



さっき「さよなら」と告げたばかりの

愛しき人が


今はもう隣にはいない実感が

突き刺さる



こんな雨の日は

相合い傘で歩いていたから



隣に空いた空間が

一人歩きしていた私を責めている



「どうしてその手を離してしまったの?」




雨の日って やっぱり苦手 思い出すから


でも本当は雨の日って 好きだった


傘の中で貴方と寄り添えるから



あれから傘をささなくなった

ずぶ濡れになっても 雨の中を歩いている


だって雨の雫が涙を隠してくれるから


あの日を思い出して ひとり泣いていても


雨の雫が隠してくれるから




あれから


傘も嫌い


雨も嫌い



こんな雨の日が嫌い



でも……



雨の雫だけは好き


貴方を思い出す涙は隠してくれるから




「さよなら」と言っても

いつものように追いかけてくれると思ってた


「いつものワガママ」だって

思って欲しかった



出逢った頃のように

どうして笑っていられなかったの?

どうしてフザケ合えなかったの?



いつから?



こんなに苦しいのなら出逢わなければよかった


こんなに愛しいのなら微笑んでいればよかった



最後に見た貴方の瞳には

私は映っていなかったね



涙で見えなかっただけ?


せめて そう思いたい



その瞳に恋をしたのに

その瞳を曇らせてしまった



それは私のせい

困らせてばかりいた私のせい




最後に言わせて 最後のワガママ



「大好きです」





別れの予感は雨の予報


雨の予報は……やっぱり雨




fin.



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ