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三枚のおふだから貴公子が現れた!!

作者: 小笠原ゆか



ローラは三枚の御札を手に入れた。

恨みや嫉みによって心が醜く歪むような境遇にありながら、清く正しい心根のローラの為に神は慈悲を与えたのだった。


ローラは伯爵家の庶子である。平民であった母親が病死し、父親に引き取られたのだ。しかし、愛人の娘だからと下働き同然の扱いを受けていた。引き取られたのも、美しいローラを好色な成金老人に売り飛ばそうという不埒な理由からである。


『この札はそなたの危機に必ずや役に立つだろう』


啓示に驚いたものの、ローラは御札を肌身離さず持ち歩くようになった。



一枚目は、義姉の婚約者に迫られた時に発動した。

街への使いの途中で路地に引きずり込まれたところに騎士が現れたのだ。騎士に腕を捻り上げられた義姉の婚約者は、負け犬のように逃げて行った。


二枚目が発動したのは夜会の席でのことだった。

義姉にワインを浴びせられたローラは逃げるように会場を飛び出した。通路で出会った魔術師が洗浄魔法を施してくれた。


三枚目の御札は、王家主催の舞踏会で発動することとなった。

社交シーズン最初の舞踏会で、義姉から『私の婚約者に色目を使った』と詰られたのだ。婚約者も返り討ちにあったことを恨んでいるのか、義姉の嘘に加担する始末。


「わ、私はそのような卑しいことは致しておりません」

「どうだか。所詮は愛人の子供の言うことですもの。ねぇ、皆さん」


周囲からは賛同するように忍び笑いが聞こえてくる。赤くなって俯くローラの肩に手を置く者がいた。



「それでは側妃の息子である私の言もまた、信じるに値しないと君達は思うのかな?」



ローラの傍らには、第二王子がいた。優秀と名高く人気が高い王子である。突然の大物の登場に、しどろもどろに言い訳をする義姉。


「私の部下から、貴女やその男がローラ嬢に危害を加えようとしたことの報告を受けているよ」


王子の後ろには騎士と魔術師が控えている。御札の幻だと思っていたローラはとても驚いた。そして冷ややかな視線に気づいた義姉達は形勢不利を悟り、尻尾を巻いて会場から逃げていったのだった。


珍事があったとはいえ舞踏会は続き、ローラは三人にダンスに誘われ、それぞれの貴公子から求愛された。心映えが美しく凛と咲く白百合のような彼女に貴公子達は恋に落ちたのだ。


それから様々な恋の駆け引きを経て、その内の一人とローラは結婚し、生涯幸せに暮らしたのだった。


ローラの生家は神罰でも下ったのか、彼女が去った後に没落した。




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― 新着の感想 ―
[良い点] 簡単な結末ではなぐ、本物だったかと、楽しく読めました… [気になる点] 誰にしたんだろう? 幸せなら問題なし。
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