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終わった文化祭、体育祭
この学校の文化祭と体育祭は五月の終わりと六月の初めにある。その時はまだ、話しかける勇気もなくて、同じクラスの友人である紺野大希達と笑っていた。
彼女が文化祭と体育祭にいなかったことに気付いたのは終わってからで、皆がその話をしていたからだ。
彼女にとっての六月初めは、俺達の六月初めと違っている。
その事について話したくて、彼女を見るようになった。
もし、そんな事を彼女に言ったら、気付かなかったのか? と言われそうで、それぐらいでしかない存在なのに見てるとか変じゃない? と言われたら、どうしようと思ったが、話しかけた。もう六月も四日が過ぎていた頃だった。