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友達以上恋人未満ではないけれど  作者: 雲花エマ
高二の六月
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見て見ぬふり

 道路の道端でいじめは良くないと思う。

 それも二、三人の男女混合に対して、されるのは一人の少女。

 中学生だった俺は見て見ぬふりをした。

 だって、違う学校だったし、隣にはやっと付き合えるようになったね……というカノジョが居たからだ。

 もし、あの時、そんなカノジョを後回しにして、嫌な言葉を聞かされ続ける彼女を助けていたら、今のようにはなっていなかっただろうか。


 今日も教室の窓から青い空をぼーっと見て、授業をやり過ごす。

 彼女はこの後すぐに教室から出て行くだろう。

 いつも昼休みになると必ずどこかに行っているからだ。

 高校二年生で初めて一緒のクラスになって分かった。

 彼女はいつも一人で居る。

 高校デビューが上手く行かなかったのだろうか、それとも一人が好きなのか。

 疑問ばかりで話す時にはもう彼女は居ない。

 だけど、彼女はいつも学校にやって来る。

 授業だけはきちんとやる。

 だから、俺も彼女と同じようにする。

 それだけしか彼女に近付けないからだ。

 これは俺の自分勝手な後悔から生まれた正義だ。白見瑞穂しろみみずほは変な奴ではない。普通の女子高生だ。


 *


 紫桃凌功しとうりく、彼は同じ高校の同級生で同じクラスの男子だ。まあまあモテるようで、カノジョの噂はちょいちょい耳にする。でも、三日もあれば別れてしまうらしい。中学の時にもカノジョがいたらしいが、すぐに別れたらしく、そんなに恋愛というものに興味がないようだ。

 そんな彼に会ったのは中学の時。彼が言っていた、私がいじめられていた所を道端で偶然見かけたと。でも、それだけで、どうして私の顔を覚えていたのか疑問が残る。それとも最近噂となった『ミミズ』や『白い目で見る』というのが彼の耳にも届いて、それで分かったのだろうか。だとしたら、そうなのだろう。私はいつも一人で居る。それはいじめられない為であり、早くこの場所から消える為だ。

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