アイドルランド
大和国に帰国した僕は仲間たちとバンド活動をしながらも、もう一つの大きな仕事であるアイドルランドの建設進捗状況の確認に忙しかった。
アイドルランドとは、アイドルビジネスを中心に据えたカタチでの一大行楽地のことだ。
横川市(皆さんの世界では横浜市と川崎市を合わせたくらいの大きさのビッグシティで首都に次ぐ経済・文化の中心都市として発展している)の北東部に建設中である。
アイドルランド全体としては、南北にやや長い楕円形をしている。
東部にはアイドル達のための屋内型ライブステージが8棟ほど棟続きで並んでおり、そのチケット売り場とアイドルグッズの販売所及び映画館・カラオケハウス・ゲームセンター&ボウリング場・が道路を挟んだ対面に附帯設備として並んでいる。
またその右側には天蓋付きの屋外ステージが、左側には3,000名規模のコンサート会場が設置される。
屋内型ライブステージは収容人数200名用・300名用・400名用・500名用・600名用・800名用が各1つ、1000名用が2つという構成である。
南部には観覧車・屋内プール・スケートリンク・ジェットコースター・お化け屋敷・キャラクターグッズの販売所・プラネタリウム・ロープウェイ・アイドルランド城と西洋風庭園が設置されている。
中央部には、欧州屋デパート・レストラン・ファミレス・洋菓子店・甘味処・ハンバーガーショップ・アイスクリームショップ・和風定食屋・ラーメン屋・カレー屋・ピザ屋・タコ焼き屋・お好み焼き屋・そば屋・うどん屋・焼肉屋・回転寿司屋・美容店・花屋といった店舗が立ち並ぶ。
そして北部には横川神社があり、他には診療所・発電所・貯水タンクと、屯所と呼ばれる警備員詰所がある。
屯所ではアイドルランド全域の警備・保安システムの集中管理が行われていて常時15名ほどが任務にあたる。
因みに番所と呼ばれる警備員の派出所もあり、中央部・東部・西部・南部に配置されている。
各番所には常時5名ほどがおり、担当地域の巡回警備も行なう。
残る西部にはアイドル学園と呼ばれる高校部と中等部からなる私立学校の校舎及び体育館・寄宿舎・グラウンドと、アイドルアカデミーと呼ばれるアイドルの養成所が置かれる。
アイドルアカデミーには、レッスン場・講義室・談話室・職員室・保健室の他に、一流ホテルの客室並みの個室が50室とカラオケ用の個室が5部屋、さらに食堂とコインランドリー・図書室が設置される。アカデミーの訓練生と指導員及び保健医・警備員(女性限定)には居住空間としての個室があてがわれる。
莫大な費用をかけて建設される広大な施設群の保守・運営にも相応の予算が必要となるため、税制上の配慮として横川神社の敷地内で行なわれる宗教法人の事業という形態をとっている。