それは本当に真の絶望なのか?
それは、絶望だった。
目の前には、絶望があった。
だけど、待てよ。
その絶望は本当に真の絶望なのか?
真の絶望でないなら打開策があるかもしれない。
絶望を叩いてみる。
壊れない。
絶望を思い切り蹴ってみる。
壊れない。
押してダメなら引いてみな!
絶望を引っぱってみる。
壊れないが、ちょっと動いた。
そうだ。俺には特別な能力があって、
直死の魔眼のように秘孔をつけば
絶望を壊せる能力があるかもしれない。
ものは試しだ、死の点など見えないが
適当に突いてみる。俺が突いた所が点になるはずだ!
絶望には、何もおこらない……。
もっと絶望がどうなっているのかを確かめる。
裏から表からよく確かめる。
すると、今まで絶望に見えていたものが、
ただの大きな岩だった事に気付いた。
絶望だと思っていたものは、その辺の石ころが
大きくなっただけの大きな岩だった。
絶望にはまだ早かった。
真の絶望なんて、滅多におめにかかれるものじゃないよな。