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リメイク 11 怪物の生まれた日

試合を終えた八代がシャワーを浴びロビーに行くとテレビで縦浜鱈のことをとりあげていた。どうやら負けたらしい。解説のコメントを見るにエースの神原は終盤疲労で制球がきかなかったらしい。

まあ、真夏の甲子園で一回戦から丸々4試合。たった一人で投げ抜いたら疲労も溜まる。いっちゃあなんだがワンマンチームにありがちな最後である。

監督の試合後のインタビューや縦浜鱈サイドの観客のコメントに「頑張った」とか「よく投げ抜いた。感動した」という意見が多かったが八代はそうは思わなかった。

むしろ・・・、


「馬鹿な学校だよな。同じ野球部、同じ学年にあんなピッチャーがいたのにさ」


いつの間かいたコーチが辛辣な事を言った。でも正直八代も同意見だ。あいつなら、藤大吾なら十分、いや十二分に戦力になっただろう。神原の負担は減ったはずだ。今日の結果も逆転していたかもしれない。


「コーチ、あいつはどうしました」

「とりあえず合格とだけは伝えたよ。監督も乗り気だ。後日、スカウトを送って話を詰める予定だ」

「そうですか、まあそうなるとは思ってましたが実績がない奴をよく取る気になりましたね」

「はっ、ボール受けてたお前が一番分かっているだろう。特にあのカーブ。あれはやばすぎる。それこそ、来年の開幕から先発ローテに入ってもおかしくねーよ」

「ルーキーが先発ローテっすか・・・」


(いや、おかしくはないな。来年、きっとあいつは埼玉マウスの一軍で投げている)

(だったら俺は正捕手としてあいつの球を受けてやる)

(先輩として抜かれてたまるか)


八代はそう誓った。

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