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どうも、遅いですが明けましておめでとうございます。
「俺は幸運で伝説を始める」の総合評価が100ptを超えました。
読んでいただきありがとうございます。
まあだからと言って、何かする訳では無いですが。
これからも、がんばって書いていきますのでよろしく。
あと、次回は諸事情によりしばらく先になります。
そう言うとリナリアとリミアは座り直し、空気も少し張り詰めた。
「悪いが先に俺が質問させてもらう、多分だが俺の方が多い」
「我はよいぞ」
「私も問題ありませんが「Q&A」で調べれば良いのでは?」
「そうなんだろうが、まあ、二人とコミュニケーションを取ると言うのが目的だ」
「それは、我としては嬉しいぞ」
「私も嬉しいです」
二人は少し顔を少し赤らめて照れて、ピンっと張った空気も少し和らいだ気がした。
まあ兎に角、さっきよりは少し肩に力が抜けたのなら幸いだ。
「では早速だがリミア」
「ん? 今の時代以外なら何でも聞くが良い」
「転生者を知っているか?」
「テンセイシャ? とは何じゃ」
「死んだ生前の記憶を持ち別世界または、元の世界に生まれ変わって蘇る者達の事です、今はその人達を転生者と呼びますリミアさん」
「それなら知っておるぞ、異生者と呼ばれておった者達の事だね」
「なら薄々気が付いているだろうが、俺はリミアの言う異生者に当たる」
「なるほど道理で、リナリアが家名で呼んでおるのか分からなかったが、家名ではなく名前だったのか」
「ああ、俺の居た国では家名の後に名前が主流でな、他の国なら名前の後に家名もあるが」
「我は裕次は名前で呼ばせてるのは、嫌いだと思っていたぞ」
「それはすまない、で、本題だが、この世界で転生者は嫌われ者のか?」
転生や転移者が居るのはリナリアとの世間話しした時に知ってはいる、だが重要なのはどう認知されているかだ。
俺よりも早く転生や転移した人達が何かしでかした事で、悪い印象が付いてるかで今後の動きを変えなくてはならない。
リミアに聞いても今の事は分からないが、少なくとも昔から嫌われていたか確認が取れる。
もし嫌われていたら早く元居候達と再会し誰か一人でも協力を求め、諸悪の根源を叩き潰せば大抵の事は解決するだろう。
「いやそんな事は無いよ、ただ奇人変人が多いと認識されいるね」
「そうか、それは何より・・・・でもないな」
「裕次さん、ファイトです」
思わず頭を抱えてしまった。
まあ最悪の予測はハズレて良かったが、別の意味で問題だな。
「では転移者も同じなのか?」
「テンイシャとは何? 転生者と同じ様な言い方から察するに、似たものと我は認識したが違うか?」
「その通りだ、違うのは生きた状態で異世界から来た、または来てしまった人達の事だ」
「なるほど、異人者と呼ばれた者達ね、それなら転生者と同じ認識よ」
「そうか、次にリナリア」
「リロードの事でしょうか」
「その通りだ、説明を頼む」
「ではその前に裕次さん、自分のステータスを見てください」
「分かった」
名前:久遠 裕次
種族:天神
能力:「真偽の眼・真」「気配察知・完全」「瞬間完全記憶」「Q&A」
特技:「セイレーン帝国式・剣術」(特)「久遠式・刀術」(極)「クレイヤラ帝国式・武術」(特)「料理」(特)「掃除」(中)
概能:「気まぐれな神」1/8000不可説不可説転「魔天の理」1/7000不可説不可説転
状態:憑依(重症)【憑依体:■■■■■■■・■■■■】
「どうですか、変化がありますか」
「確かに、「真偽の眼」が「真偽の眼・真」へ変わっている、それと特技の枠と内容が追加されている」
「特技の枠が追加されたのは「真偽の眼・真」になったからですが、特技の追加や「真偽の眼」が「真偽の眼・真」に変わっていたりするのは、リロードによるものです」
「なるほど、つまりパソコン風に言うところのアップデートみたいなものか」
「いえ、その考え方なら、古いパソコンから新しいパソコンにデータを追加した、と言えば正しいです」
「そうなのか、俺としてはアップデートの様な事だらけに感じるが」
「下位の能力と「瞬間完全記憶」や「Q&A」以外であれば、この世界では基本的誰でも持っております」
「そうか、ところで、この特技にある「○○式」と言うのは何だ」
「それは流派の名前の様なもので、何を習ったか詳しく分かるものです」
なるほど確かに「セイレーン帝国式・剣術」はレェーネ、「クレイヤラ帝国式・武術」はフィリに習ったものだ。
それに「久遠式・刀術」は俺がレェーネと模擬戦して、独学で習得をしたものだからだろう。
「つまり「真偽の眼・真」で特技を見るとこうなるだけで、別に何かがあるわけではないのだな」
「はい、その通りです」
「説明ありがとう。それとリミアが気絶していた時の事だが」
「分かっております、あれは私が裕次さんをからかっただけです」
「そうかなら良いが、だがあまりその手の冗談はやめてくれ」
「・・・・分かりました」
特に元居候達の前では、やめてもらいたい。
でなければ、暴れるのを止める度に生死の境を彷徨う事になる。
真剣な顔でリナリアに言うと、その意味を理解してくれた様で助かった。
だが何故、元居候達は俺に女が絡んだ話になると暴れていたのだろうか。
「ねえ二人共、我も質問があるのじゃが、良いか」
「構わない、俺ばかり質問するのは訳にはいかないからな」
「はい、私は後で構いませんが、何を?」
「我が聞きたいのは、今は何年の何月なのか分からない?」
「今の西暦ですか、それなら裕次さんの「Q&A」を使ってもらえば分かります」
「そうか分かった、調べよう」
俺は「Q&A」でこの世界が今の年と月なのかを調べる。
A:二○一七年七月十日
俺の生前は二○一二年七月十日だった。
確かカノンは「五年後の彼女達がね」と言っていたな。
なるほど、どうやらこの世界は生前居た世界と時間の流れは変わらない様だ。
「分かったぞリミア、二○一七年七月十日だそうだ」
「つまり我は丁度八○○年になるだね、まさか封印された日と解けた日が同じなんて、何の因果だろうかな」
「気のせいですよ、では私の質問なのですが、その前に裕次さん」
「なんだ」
「申し訳ありませんが、裕次さんは席を外してもらいのです」
「何故だい」
「これはリミアさんと、いえ、乙女同士の秘密のお話がしたいのです、なので」
「気にするな、なら俺は一足先にテントで寝かせてもらう」
「ありがとうございます」
そう言い俺は席を立ち、テントある洞窟に向かう。
テントの所に着き中に入ると、予めに用意していた敷き布団が三つありその内真ん中に入る。
「それにしても乙女同士の秘密の話か、気にはなるが寝てしまおう」
そして眼を瞑り、寝息を立てた。
――Sitenリナリア
裕次さんが席を立ち、洞窟に入って行くのを確認してリミアに質問をした。
「リミアさん、貴方は裕次さんの何処に惚れたんですか?」
「やっぱりその質問でしたか、まあ裕次を外した事から察したけど、今のでバレていない」
「大丈夫です、裕次さんは微妙に鈍感ですから」
「どう言う事?」
「例えば好意は気づくけど、それが愛情か友情なのかが分からない、みたいです」
「つまり裕次は、人の感情を大雑把にしか気づかない、と」
「そうです」
多分ですが裕次さんは「乙女同士の秘密の話」と言っても。
何の話だだろうか気になる、程度にしか考えていないでしょう。
・・・・リミアも惚れている事に気づかないあたり、やっぱり裕次さんは鈍感です。
「話がそれましたね、改めて、何故惚れたのですか」
「んー実話まだ、友達以上恋人未満くらいにしか惚れていないのよ」
「そうなんですか、でも何で」
「裕次と昔の親友だった人と雰囲気が似ているの」
「だった?」
「我を裏切って封印した張本人」
どうやら藪蛇を突いてしまった様です。
「なるほど・・・・今も許せませんか?」
「ええ、許せません」
リミアさんの声で一瞬だけ、静寂になり周りの温度が少し下がった気がした。
「何故我を封印した! 何故裏切った! 何か悪い事をしたのか! ねえ何で! ねえ!」
そして少しの静寂から突然、リミアさんが堰を切った様に叫びながらを言った。
それは恨み言を言っていますが、でもどこか嘆きの様にも聞こえる。
「落ち着いてくださいリミアさん、これ以上声を上げると、裕次さんが此方に来てしまいます」
「ハァハァ、・・・・ごめんなさい、取り乱してしまいました」
「いえ、こちらこそすみません、嫌な思い出を掘り起こしていまい」
「それよりリナリア、何で裕次の事が好きになったのか教えてよ」
「私は殆ど一目惚れもあるけど、あとは人となりです」
「そうなの・・・・リナリアそろそろ寝たら、眠そうにしているわよ」
「そうします」
確かにもそろそろ限界に近い、これ以上は明日に差し支えますし。
そう思い洞窟の方に行こうと席を立ちましたが、リミアさんか席を立たずにいました。
「あ、我は少し頭を冷やしてから寝る」
「そうですか・・・・リミアさん」
「何?」
「気休めかも知れませんが、その親友だった人は何か理由があり、リミアさんを封印したのだと思います、だからその」
「わかっている、裕次の事を別にどうこうしないから、でなかったら一緒に旅をしないから、安心して寝なよ」
「あと寝る前に、テントの近くにテーブルとイスを置いてください、朝起きた時に私が片付けます」
「分かった」
「では、おやすみなさいリミアさん」
「おやすみね、リナリア」
そして再び、私は洞窟の方に向かった。
テントに着き中に入ると、横になって寝ている裕次さん。
「・・・・やはり寝ていましたか」
がっかりしたところで仕方ありません、それに先に寝てもらったのですから。
私は裕次さんの寝顔が見える、右側の敷き布団に入りそこでさっきのリミアの話た事を思いだす。
「もし裕次さんが私を裏切ったら、私はどうなるのでしょうか」
悲しみに暮れるのでしょうか?
または憎しみ?
それとも――
「・・・・考えても私にはわかりませね。そろそろ寝ましょう」
おやすみ、裕次さん。
――Rosutoリナリア