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次に目覚めたのは、薄暗い小屋の中だった。
この暗さなら、時間的には夜明けごろなんだろうか。
小屋といっても、俺が考える小屋よりも少し広いようで、暗すぎて奥の方まで見えないけど、それなりに奥行きがあるようだ。
ムカつくのは、フローリングみたいな木の床に藁で編んだような御座を敷いて、そこに転がされていたことだ。
なんか時代劇の死体みたいじゃん。
もっとムカつくのは、服を勝手に取り替えられていたってこと。
俺が着てたのは、学校指定の半袖Tシャツ、白色で首と袖まわりに紺色の縁取りしてあって、左の胸にはウチの学校の校章がプリントしてあったヤツ。
下は紺色っぽいクォーターパンツだったけど、それも無い。
もちろん靴も無くなっている。
代わりに着せられていたのが、昨日会ったちょんまげオヤジが着てたような袖無しの着物。
一応、洗濯はしてあるみたいだけど、ボロいことにはかわりない。
恥ずかしいのは、トランクスまでふんどしに代えられていたことだ。
くっそ~意識が無いと思って無茶苦茶しやがって、アッタマくるわ。
ダイジョブか?俺のDT・・・
まあ、ふんどしは新品らしいから、そこだけは評価する。
気分わるいのは変わらないけど。
まだ正直少し頭は重いけど、俺は頑張って身体をおこし、小屋の中に所々突き出て、天井の梁を支えている柱の一本に背中をもたれかけさせた。
俺が転がされていたのは、この小屋の隅の方で目の前は、ちょっと大きめの衝立で仕切られている。
よっこらしょっとあぐらをかいて、俺は頭の中を整理してみることにした。
だいたい昨日から起こってる事には、分からない部分が多すぎるんだ。