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しかも途中で倒れるとかサイアク!
引かれたよな~、絶対!
もうね、恥ずかしくて、じっとしていられない。
「終わってんな~!!
俺」
大声で独り言を叫びつつ、ガバッと上半身を起こした。
身体はダルいし頭も痛いけど、これが熱中症っつーヤツか。
ドザッザッザザザザザッ
んん?
ボーとしてて気がつかなかったけど、近くに人がいるっぽい。
つか、目が合っちった。
いい年こいたオッサン二人、腰を抜かしたように座り込んでいるのが、笹だかの葉っぱ越しにチラチラ見える。
二人とも、チワワみたいに顔から目ん玉を飛び出させて、口をパクパクさせていた。
魚かよ!!ってツッコミたいけど、それどころじゃなさそうなくらい吃驚してる。
まあ、俺もビックリなんですけども
しかしなんつーか、このオッサンたち。一人は、禿げ頭に被った変な笠をずり落ちさせて、手首に数珠を掛けて黒い着物を着てる。
なんか坊さんっぽい、つか坊さんだろう。
もう一人は、日に焼けたしわくちゃの顔をして、雑巾を醤油で煮しめたような薄汚い袖無しの着物を着てる。
着物の裾はたくし上げて帯に絡め、下はふんどし一丁、しかも何故か裸足。
油っけの無いボサボサした頭には、ちょんまげ。
ん?ちょんまげ?
映画の撮影とかか?
だったらヤバイな、スタッフさんとかに怒られるのかな?