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狂人観察

前に書いた古い作品が出てきたので、投稿してみました!

この他にも書いているので、そちらもよかったら読んでみてください

ナンバーツー  アルバート・クレイトン


朝九時に起床。持っていたペンで地面に起床時間を書き込む。几帳面であるため字は綺麗である。

昼食時まで本を読んでいるが、昼食を告げるベルがやかましく鳴るとうるさそうに食堂へと移動。残されていた本は奇妙な装丁をしていて、使われている文字は現在確認されているどの文字とも類似性は見られず、本の内容も不明。

一時から三時まで外でバスケットボールをして適度に身体を動かす。意外にも運動神経は高い。

運動後、夜七時の夕食まで自室に戻り床にペンで自らの行動を書き込むと読書の再開。読んでいる本は先ほどと代わっているが、やはり本の内容は不明。一定の感覚で本から顔を上げると床に内容を書き始める。重要なことらしい。

夕食を済ませると就寝時間まで読書。

夜九時、就寝。いびき一つかかず部屋は静寂に包まれている。

深夜三時、突然目を見開き発狂。朝七時まで続く。



ナンバーファイブ ジャン・ヘクソン


昼三時に起床。ジャン自身が作った簡易的祭壇に向かってブツブツと何かを呟やき祈りを捧げている。小声なので微かにしか聞き取れないが、その呟きは人間の言語ではないような気がする。

祈りは夜八時まで続き、その間は食事時のベルがなっても部屋から出てくることはない。



ナンバーシックス ウィリー・サース


監視カメラに向かって満面の笑みを浮かべている。時折、カメラに向かって手を振る。これはカメラの向こうの私に手を振っているのか、それとも……



ナンバーナイン ジョー・カットン


ひたすら部屋の壁に奇妙な絵を書き続けている。ジョーの話ではその絵は大いなるクトゥルーとのこと。


 「 」

私自身の名前はとうに忘れた。使命にも似た感情で私はカメラ越しに写る狂人たちの行動をひたすらに観察している。思うことがある。はたして狂人は彼らなのか、それとも私なのか……


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