半年に一度の会議
405x年5月
「おい、沙智」
ーーガンッ
イスを蹴られ、目を開けた。
資料を片手に喋る年配の男の人の声
キーボードをカタカタと打つ音が聞こえる。
「もうすぐ会議終わるぞ。 そろそろ起きろ」
(あ…もうそんな時間なんだ…)
私は、体を起こし、軽く背伸びした。
肩ひじをつき、左隣にいる黒髪の短髪男に話しかけた。
「今日の会議は、どう?」
視線をパソコンに向けたまま、彼は口を開いた。
「前回の会議とほとんど、変わらないな。
箱の事も、化け物の出現場所の特定も進んでないらしい」
私は、はぁっと溜め息をつき、正面を向いた。
「研究部は、何やってんだか」
パタンっ…とパソコンを閉じ、こちらを見る左隣の彼。
「だったら、お前が意見すればいいじゃねーか。沙智」
「嫌よ、めんどくさい。私が言ったとこでなんも変わりゃしないわよ」
鼻で笑い、私はそう言った。
横でくすくすと笑う彼。
「よし、解散!!」
その声と同時に、ガタガタと立ち上がる人達。
「私達も行きましょ」
部屋の入り口へと、歩いてるとき
「あ、そうだ。沙智」
私は、歩みをとめ、彼を見た。
すると彼は、自分の口元を指し
「よだれの跡。ふいとけよ。恥ずかしいから」
「なっ!!…もっと早くいいなさいよ!」
「あっはははは、」
彼は、笑いながら会議質を出て行った。