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不正アクセスによりわたしの作品を妨害する方々へ

作者: ダストブランチ


本作品は私体験に基づいて

旧約聖書エレミア書の9-10章および36章を抜粋して構成しています。


“From the least to the greatest,

all are greedy for gain;

prophets and priests alike,

all practice deceit.

They dress the wound of my people

as though it were not serious.

"Peace, peace," they say,

when there is no peace.

Are they ashamed of their loathsome conduct?

No, they have no shame at all;

they do not even know how to blush.”

says the Lord.


一番、下にいる者から

上でふんぞりかえっている者まで

誰もが皆、欲どおしい。

予言者も、僧侶も皆、似たようなものだ。

誰もが皆、嘘をつく。

彼らはさほど深刻でもないのに

悩む振りをして

わたしの創った人間達の心の痛みを

まとおうとする。

『平和、平和』と彼らは言う、

どこにも平和がない時に。

一体、彼らは自分たちがやってきた

忌まわしい行いを

恥じる気持ちはないのか?

いいや、彼らに恥などありはしない。

彼らはそれを

どうやって拭うのかさえ知らないのだから。

と主はおっしゃっている。

        (エレミア6章13−15節)



BC604年、ユダの王子エリアキム(ヘブライ語で「エル(‘神’)が据える者」の意)が、

エジプトの支援を受けて父王を裏切り、弟も流刑にして王座を奪い、

エジプトの宗教であるエホバ神(またはヤーウェ神)に改宗して

ジェホイアキム(「エホバもしくはヤーウェが据える者」の意)王と名を改め、

エジプトのご機嫌を伺って貢ぎ物を贈り、その財源の為に

地価税を始めとしてあらゆる重税を国民に課すなどの悪政の限りを尽くしながら

ユダに君臨し始めてから4年目のある日、

預言者エレミアの心に“神”の御言葉が与えられた。


「さぁ、エレミア、その巻物を取って、

 わたしがこれまでお前に教えてきた“言葉”でもって

 お前が住むイスラエルやユダ、

 そしてその他のすべての国々について書き留めよ。

 ジェホイアキム王の父ヨシアの頃から

 今日に至るまで

 お前にずっと話して聞かせてやった

 すべての“言葉”をそこに書き記せ。

 恐らく、ユダに住む人々の中には

 わたしがこれから人間達にもたらすつもりでいる

 すべての災難を知り、

 それぞれが行ってきた過ちや不義、意地悪い行いを

 反省して心を入れ替え、

 立ち直ろうとするかもしれない。

 もし彼らがそうやって

 心から立ち直っていってくれるなら、

 わたしはこれまで彼らのやってきた不義や

 意地悪い行い、犯した罪などを

 少しは大目に見てやろう」


その御言葉を与えられたエレミアは、早速、書写係りのバルークを呼び寄せ、

自分が教えられてきた御言葉のすべてをその巻物に書いてくれるよう彼に頼んだ。

そして、エレミアはバルークにこうも言った。


「お前も知っての通り、

 わたしは今、人々の弾圧を受け、

 そうそう表を出歩くわけにはいかない。

 だから、わたし自身が断食の祭日に

 主の神殿へ行ってお前に今、書かせた

 “神”の御言葉を皆に読んできかせることは

 できないだろうから、

 悪いが、わたしの代わりに

 お前が皆の前でそれを読んで来てくれ。

 お前の話に耳を傾けてくれる人なら

 どんな人でもいい。

 とにかく、ユダにあるあらゆる町から

 やって来た人たち、

 

 一人一人にこれを“正直に”教えてあげるんだ。

 

 恐らく、お前の話を聞いた人の中には

 “神”の御言葉を理解して

 自分自身を振り返り、

 今まで行ったきた過ちや間違いに気づいて、

 心から主の御前で許しを請おうとする人たちが

 出てくるかもしれない。

 そうしないと、主を侮り、

 勝手気ままに振舞う人々への主のお怒りは

 どんどん大きくなってきている。

 早く皆に知らせて目を覚ませてやらないと、

 彼らは自分達が犯している間違いや罪に

 気づくことなく

 もっと大変な状況を作っていってしまうだろう。

 だから、バルーク、辛いだろうが

 お前が行ってこの御言葉をできうる限り、

 たくさんの人々に

 伝えてきてくれないだろうか?」


そうエレミアに頼まれたバルークは、快く承知してすぐさま彼に言われた通り、

主の神殿に行き、巻物に書き留めた主の御言葉を皆に読んできかせた。


「我らの主はこうおっしゃっている。

 The days are coming.

(その日々はもうすぐやって来る)

 

 『彼らはまるで矢のごとく

  自分達の舌をとがらせて

  嘘をうち放つ。

  彼らは真心で勝利を祝うのではなく、

  ひとつの罪から別の罪に移っていくだけで、

  主である“神”の存在に気づきもしない。

  だから、真実の目と耳を持つ者たちに

  これを警告してやろう。


  自分達の友人に気をつけるがいい。

  兄弟、姉妹でさえも信用するな。


  あらゆる兄弟、姉妹が嘘つきであり、

  あらゆる友人達が悪口を言い合う。

  友人が友人をだまし、

  誰も真実を語る者はいない。


  彼らは嘘を言うためにその舌を調教し、

  自分自身をもその罪で

  弱らせていっている。


  そうだ。お前達、人間は

  誰もが皆、偽りの中で生きている。



  彼らは何よりその偽りの為に、

  “自分達の嘘を守る為に”

  天の主であるこのわたしの存在に

  気づくことを拒んだ』

 

 だから、全知全能の主は、

 この天上におわす我らの“神”はこうおっしゃった。

 『さぁ、見るがいい。

  このわたしがもう一度、

  彼らの心に“試練”を与え、

  その心を磨いてやろう。


  これ以外でわたしの創った人間達の過ちを

  どうにかしてやることができるだろうか?


  何せ彼らの舌はまさに死の矢であり、

  それで持って嘘をつく。


  その口で持っていかにも優しく、親切そうに

  隣人に話し掛けては

  心ではその隣人を陥れようと

  密かに罠をしかける。


  では、こういった事をこのわたしが一切、

  罰しないとでも彼らは思っているのか?


  こんな非道ばかりを繰り返す国を

  天の主であるこのわたしが

  黙って見落としたまま

  何もしないとでも本気で人間達は

  思っているのだろうか?』

 

 The days are coming.

(その日々はもうすぐやって来る)


 『そうやってせっせと顔や身体は磨いても

  その心はちっとも磨こうとしない人々を

  わたしが裁く日は近い。

  今ではもう、あらゆる国々の

  あらゆる人々が

  自分の心を磨こうとしなくなった。

  かつては“神”という

  このわたしの存在を知っていた

  イスラエルの民達でさえも

  その心はまさに愚鈍である』

 

 さらに、主はこうもおっしゃった。

 『国々のしきたりや習慣など

  (なら)うこともなければ、

  空の変化を見て怖がる必要もない。

  国々において受け継がれてきた伝統や習慣、

  そして強くて傲慢な者にへつらおうとする者ほど

  災害を見て勝手に自分達の未来を想像し、

  これまた自分達で考え出した

  妙ちくりんな宗教儀式に(いそ)しむことで

  “神”であるわたしの怒りを鎮めようとするが

  お前達、人間がやっている儀式や習慣など

  全くもって無価値である。


  よく振り返って見るがいい。

  お前達がこれまで森の木を切り、

  人間の姿をした神やら仏やらの木像を作っても、

  その地中から掘り起こした金や銀、石などで

  自分達の頭で描いた天使やら

  女神やらの偶像を作ったとしても、

  一体、それらがどうやってお前達を助ける?


  お前達の作った神やら仏やらの偶像は

  歩きもしなければ、見えもしない。

  

  まして、お前達、人間に

  どうして“心という目に見えないもの”が

  理解できようか。


  自分自身の心でさえまともに分からず、

  いつだって悩み、苦しむお前達、人間が

  どうしてあらゆる人々の心を理解し、

  救うことなどできるだろう。


  お前達はそうやってひたすら

  金や銀を崇め奉るが、

  一体、それ自体が一度でも

  お前達の悩みや苦しみを

  救ってくれたことはあったか?』

  

 物は物に過ぎない。

 お前達が必死に崇め奉っている

 人間の姿や人間の浅はかな考えに似た神や仏、

 死霊とやらは神でも何でもない。


 だが、主は本当の‘神’である。


 主は生きている‘神’であり、

 未来永劫、“天上における王”である。


 だから、主がお怒りになる時、地球は震える。


 地上にある国々など

 主の怒りに一瞬たりとも耐えられるわけはない。


 なのに、たかがアダム

(ヘブライ語で「人間」の意)という名の

 “神”に創られただけの動物でしかないくせに

 その“神”になり代わろうなどと

 思い上がった考えを持つ者達よ、

 自分の手で地球やその他の星、

 宇宙そのものを創ったわけでもないくせに

 いかにも何でも知っていると豪語する

 自惚(うぬぼ)れ切った者達よ、

 本当は星も地球も、動物や昆虫、微生物、

 自分達自身の命でさえも

 どこからどうやって生まれてきて、

 いつ去っていくかも知らないくせに

 風や空気、雨や雪、雲や太陽、

 地球そのものも何一つ、

 自分達、人間の力で

 動かしているわけでもないくせに、

 何でも支配できるものと勘違いし、

 好き勝手にもてあそんで傲慢に振舞う者達よ、

 お前達がそうやって散々、“神”を侮り、

 嘘偽りでこの世の人々を(あざむ)こうとも、

 どうせいつの日かお前達は“神”から“死”を与えられ、

 この地球から、この天の下から、

 あっという間に跡形もなく消えていく運命なのだ。

 



 この真実を知るがいい。



 “神”はその大いなる力で地球を創ってくださった。



 “神”は人の想像を遥かに超えた完璧な智恵でもって

 この世界を築いてくださったのだ。



 そして、“神”はその計り知れない理解でもって

 この天上に腕を伸ばし、

 天にあるあらゆる星々を整えてくださったのだ。

 それゆえ、この“天と地は完璧なる調和でもって

 常に滞りなく動いてくれている”。


 太陽なくして光はなく、

 月なくして海の潮は動かず、

 星々なくしては時間(とき)も読めない。

 風なくしては雲は動かず、

 雨なくしては作物が育つこともない。

 これらの天の恵みなくして

 どうやって人や動物に生きる術があろうか?


 それでもこの世に住む人間達の中で

 この“真実”を信じられない、

 神などいない、自分の方が正しいと

 と何の根拠もなく言い切れる者がいるのなら、

 その者達こそまさしく無知であり、

 しかも愚鈍である。

 

 “神”こそすべての創り主であり、

 “全知全能の主”

(ヘブライ語では‘エル・シャダイ’)こそ

 “神”の御名である。


 主こそ、その心を探り、その頭脳を試す。

 そして“神”は、一人一人、“公平に”

 それぞれの人生における行いと心の動きを見て、

 その人格にふさわしい“報い”というものを授ける。

 

 だから、正しくまっすぐに生きよ。


 人を抑圧したり、いじめたり、

 (ねた)んで陥れようとするな。

 人が大事にしている物や何かを壊して

 心傷つけ、自分を強く見せようなどと

 卑劣な真似をするな。

 苦しみ嘆く人達から何かを奪い取ろうなどとは

 決して思わないことだ。


 暴力はもちろん、

 人として許されない行いはどんな人にでも、

 まして社会的立場の弱い人々や

 病気や障害を持つ人々、

 後ろ盾のない移民や親のない子、

 夫を失い、懸命に働いて子供を育てたり、

 一人で生きていこうとする女達に

 向かって非道な真似をするものではない。


 もし、この中で人として

 そのような卑劣極まりない行いを

 行っている者がいたら、

 ここではっきりと警告しておこう。

 

 あなた方を創った“神”は

 決してそのままにはしない。

 

 たとえ、この世の人々が

 その者達の姿や形に惑わされ、

 その口の上手さに踊らされて

 罪なき命をもてあそぶ者達をもてはやそうとも、

 あるいは、「“神”は何もできないさ」と

 嘘ぶきながら

 天に向かって唾を吐く者達を

 世間が許したとしても、

 天におわす善なる“神”は

 そのような不正や嘘、不公平を

 見逃しはしないし、

 そういった天への反逆者達を

 “決して(ゆる)すことはない”。

 

 さぁ、だから、この御言葉を

 その耳で、その心でよく噛み締めるがいい。


 誰の為でもない、

 全てはお前達自身の為、

 神はお前達、人間が

 好きに生きれるようその人生の選択の責任を

 全てお前達一人一人に委ねた。


 だから、お前達、一人一人の命が、その人生が

 すべてお前達自身の“心”にかかっているのだ。


 

 それぞれがこの御言葉によって

 “神”(善)に立ち返るなら、

 “神”はお前達のこれまでの過ちや罪を

 少しは許して下さるかもしれない。

 だが、その心で舌を出し、

 この御言葉を(あざけ)る者よ、

 呪われてあれ。


 “神”はお前たちの姿・形を見ておられるのでなく、

 常に“その心”を試し、

 “その心”をじっと見つめておられるのだ。


 そして、自分の隣人を陥れ、

 天に唾を吐いた者の罪は

 この地上において未来永劫、

 赦されることもなければ消えることもない」


そう言って、バルークが人々に向かってエレミアの書を読んで聞かせていた時、

たまたま通りがかったミカイアという男はその御言葉に驚いて

役人達の集まっている王宮の秘書室へと急いだ。

部屋にはちょうど秘書官であるエリシャマやデライア、エルナサン、ゲマリア、ゼデキアなどの

名の知れた役人だけでなく、国に仕えるお役人のほとんどが集まっていたところだった。

そこへミカイアが慌てて部屋に入ってきてバルークの話を彼らに告げると、

彼らもそれを聞いてびっくりして、すぐにバルークを部屋に連れてくるようミカイアに指示した。


そうして、バルークは役人達の前に引き出され、彼らの一人から

「お前がさっき皆に読んで聞かせていた巻物をここにいる私達にも読んでみよ」と命じられたので、

バルークは言われた通り、巻物に書かれた“神”の御言葉を再び読んでみせた。


すると、目の前でそれを聞かされた彼らはますます驚いてお互い顔を見合わせ、

それからバルークにこう言った。

「おっ、お前が今、私達に読んで聞かせてくれた

 その御言葉が真実(まこと)なら、

 ぜひともその事をすぐに王に

 ご報告しなければならない。

 だが、一体、どうやってお前に

 そんな話が書けたのだ?

 そう言えば、それとよく似た話を街角で

 触れ回っていたエレミアという預言者がいたが、

 もしかしてそのエレミアがお前にそう言えと

 教えたのか?」

「はい。彼がこれらの御言葉を巻物に

 書いてくれとわたしに依頼しました。

 それで、わたしはただ彼に言われた通り

 そのままをこの巻物に書き取っただけです」

バルークは恐れもなく政府の高官達の前でそう言ってのけたが、

御言葉を聞いた役人達は話の内容が内容だけに全員、絶句した。

「おっ、お前、

 自分が一体、どういう話をしているのか

 分かっているのか?

 もし、正気でこんな話をしているとすれば、

 お前はこのまま無事では済まないだろう。

 悪いことは言わないから

 お前とエレミアはどこかに隠れた方がいい。

 そしてお前達のいる場所を

 誰にも教えないことだ。いいな?」

役人達はそう言ってバルークに世間から身を隠すよう忠告した。

そして、バルークの持っていた巻物をとりあえず秘書官であるエリシャマの部屋に隠して

早速、王のところに報告しに行った。



だが、バルークの話に仰天した役人達とは違って

御言葉を聞いたジェホイアキム王はほんの少し眉を吊り上げただけでさほど驚いた様子でもなく、

とにかくその巻物をここに持って来るようすぐに命じた。

そのため、役人の一人でジェフディと言う男が

エリシャマの部屋に隠しておいたあの巻物を取って戻ってくると、

ジェホイアキム王と彼の側近達は大きな暖炉を背にして椅子にどっかりと腰を下ろし、

いかめしい様子でジェフディを待ち構えていた。

「では、さきほど秘書官達が耳にしたと言う

 あのキチガイ預言者の説教を

 わたしの前で今、一度、披露してみよ」

ジェホイアキム王は手を振って横柄にそう言うと、退屈そうにあくびをしてから

椅子の上で頬杖をついて見せた。

その様子を見てジェフディは、ジェホイアキム王の癇癪(かんしゃく)に触れるのを恐れて

思わず緊張し、少し下唇を噛んでから巻物を解いてゆっくりとそれを読み始めた。

「・・・お前達、人間は皆、

 偽りの中で生きている。

 お前達は何よりその偽りの為に、

 “自分達の嘘を守る為に”

 天の主であるこのわたしの存在に

 気づくことを拒んだ。

 

 だから、全知全能の主は、

 この天上におわす我らの“神”はこうおっしゃった。

 『さぁ、見るがいい。

  このわたしがもう一度、

  彼らの心に“試練”を与え、

  その心を磨いてやろう。

  これ以外でわたしの創った

  人間達の過ちをどうにかしてやることが

  できるだろうか?

  何せ彼らの舌はまさに死の矢であり、

  それで持って嘘をつく。

 

  その口で持っていかにも優しく、親切そうに

  隣人に話し掛けては

  心ではその隣人を陥れようと

  密かに罠をしかける。

  では、こういった事を

  このわたしが一切、罰しないとでも

  彼らは思っているのか?

  こんな非道ばかりを繰り返す国を

  天の主であるこのわたしが

  黙って見落としたまま

  何もしないとでも

  本気で人間達は思っているのだろうか?』

 

 The days are coming.

(その日々はもうすぐやって来る)


 『顔や身体はせっせと磨いても

  その心はちっとも磨こうとしない人々を

  わたしが裁く日は近い。

  すべての国々に住むあらゆる人々が

  自分の心を磨こうとしない。

  かつてはわたしという存在を知っていた

  イスラエルの民達でさえ

  その心はまさに愚鈍である』

 

 主はこうもおっしゃった。

 『国々のしきたりや習慣など

  (なら)うこともなければ、

  空の変化を見て怖がる必要もない。

  国々において受け継がれてきた伝統や習慣、

  そして強くて傲慢な者に

  へつらおうとする者ほど

  災害を見て勝手に自分達の未来を想像し、

  これまた自分達で考え出した

  妙ちくりんな宗教儀式に(いそ)しむことで

  魔法だの、霊だの、最新式の軍備だのと

  金や物、軍隊まで注ぎ込んで

  “神”であるわたしの怒りを鎮めようとするが

  お前達、人間がやっている儀式や習慣、

  ありとあらゆる思想や政策、科学知識など

  全くもって無価値である・・・」

「もう、いいっ!あの嘘つき預言者めっ!

 黙って聞いておれば勝手なことを!

 そんな戯言(ざれごと)を並べ立てて

 国中を愚弄(ぐろう)しようとはけしからんっ!」

ジェホイアキム王は突然、椅子を蹴るようにして立ち上がり、

ジェフディの前までつかつかと行って彼の持っていた巻物をひったくると、

今度はペーパーナイフでその巻物をズタズタに切り裂いて、

バラバラになった書を赤々と燃えている暖炉の中へとほうり込んだ。

その一部始終を見ていた側近達は以前よりエレミアの事を快く思っていなかったので

彼の作った書がどんどん燃えて灰になり、散り散りになっていく様子を

うれしそうに眺めながらほくそえんでいた。


“そもそも人の心が何であるかを理解できない”彼らに

エレミアの伝える“神”の御言葉は

畏怖するものどころか単なる冗談でしかなく、

まして自分達がこれまで犯してきた嘘や不正、過ちミスを悔やみもしなければ

自分で自分のこれまでやってきた事を

真剣に振り返って

「悪かった。」、

「間違っていた。」、

「自分の責任せいだ。」と

認めることがどうしてもできなかった。


だから、秘書官のエルナサンやデライア、ゲマリアといった“心ある人達”が

「エレミアの書を焚書(ふんしょ)にするのは

 不当な言論統制であり、

 道理として許されるものではない」として

何とかジェホイアキム王の浅慮(せんりょ)で感情的な振る舞いを(いさ)め、

これ以上、彼が国の王として間違いを犯さないよう

厳しく忠告しても、

それでもジェホイアキム王は

そんな彼らの心からの忠告を無視してあざ笑い、

“神”の御言葉が書かれたエレミアの書を

さっさと火にくべてしまった。


そして、王はさらに別の役人に預言者エレミアとその書写係りバルークをすぐに逮捕するよう命じて、

自分は何事もなかったかのように

再び公務に戻って行った。



その後、さらに人々の弾圧にさらされたエレミアは

“奇跡的に”何とか難を逃れはしたものの、

やはりこれまでずっと書き溜めていた書物をジェホイアキム王に焼かれて意気消沈してしまった。


すると、そこへ再び“神”の御言葉がエレミアの心に与えられた。


「さぁ、エレミア。

 別の巻物を取ってお前が書いてきた言葉を

 もう一度、そこに書くといい。

 そして、あの異教徒と化したジェホイアキムに

 こう言ってやれ。


 あの男はお前に向かって、

 『どうしてお前みたいな何の力も富もない、

  貧しく小さい石ころに

  バビロンの王がもうすぐユダにやって来て

  民も動物も滅ぼすだろうなどと

  予期できるのだ?』と言ってあざ笑い、

 その上、お前が心を込めて書いてきたあの書を

 自分達の嘘や

 高ぶった自尊心(プライド)

 傷つけられるのは許せないという理由で

 勝手に粉々にして焼き払った。


 だから、全知全能の主が

 ジェホイアキム王についてこう言ったと、

 あの男にはっきりと告げてやれ。


 お前にはダビデの王座につく資格など

 まるでない。


 お前は焼けた太陽の下に投げ込まれ、

 霜の降りた寒い夜にその身をさらすことになる。

 わたしはそうしてお前を罰することだろう。


 わたしはお前はもとより、

 お前の子孫達も、

 お前をちやほやする取り巻き達も皆、

 それぞれが行ってきた

 その意地悪い行いや考えに対して

 ちゃんと報いを授ける。


 このエルサレムに住む人々であろうと、

 ユダの町々に住む人々であろうとも

 わたしは“神”であるこのわたしを

 (おそ)れもせず

 意地悪く不正な事ばかり考えたり、

 行う者であれば

 誰であろうと

 わたしが前もって警告しておいた

 あらゆる災難という災難を

 彼ら自身の上にもたらしてやるだろう。



 なぜなら、お前達は誰一人として

 主であるこのわたしの言葉を聞こうとしなかった。


 お前達の為に

 『良かれ、幸あれ(=It is good)』と思い、

 せっかく前もって教えてやっても

 そのわたしの警告をあざ笑い、

 悪意(人間)を好んで

 自ら神(善/幸福)に逆らい、

 わたし(神)の言葉(教え)を信じるより

 自分達(悪/不幸)の考えだけで

 生きられると勝手な道を

 “自ら選び取った”のだ。



 だったら、もうその心で

 “神”に願うこともなければ

 救いも求めるな。



 お前達は自分達自身の心で

 “神”(善/幸福)を見捨てたのだから


 わたし(善/幸福)もまた、

 お前達を見捨てるだろう。」


その御言葉がエレミアの心にやって来ると、

彼は再び別の巻物を手に取って書写係りのバルークに手渡し、

それまで書き綴ってきた他の御言葉と共に

ジェホイアキム王が行った焚書(ふんしょ)についてもバルークに書き取らせていった。



その後、エレミアは無実にもかかわらず

スパイ容疑で投獄されてしまったが、

なぜかエルサレムを陥落させたバビロニア軍によって解放され、

“無事に生き残ることとなった”。


一方、エレミアが預言した通り、

バビロニア軍に脅かされたジェホイアキム王は

バビロニアの人質になってもなお、ユダヤの独立をあきらめきれず再び反撃したが、

結局、余計に深手を負って

国もろとも滅ぼされることとなった。


また、エレミアの書を書き記していた書写係りのバルークは、

その書を主の御言葉に従って粘土壷(ねんどつぼ)に隠しておいたおかげで

ほぼ3000年の時を経た1946年にクムラン洞窟にてそれが発見され、「死海文書」と呼ばれて

ジェホイアキム王の行った焚書(注釈1)の罪を

現代にまで伝えている・・・。



Ah, Sovereign Lord,

you have made the heavens and the earth

by your great power and outstretched arm.

Nothing is too hard for you.

You show love to thousands

but bring the punishment for the fathers' sins

into the laps of their children after them.

O great and powerful God,

whose name is the Lord Almighty,

great are your purposes

and mighty are your deeds.

Your eyes are open to all the ways of men;

you reward everyone

according to his conduct

and as his deeds deserve.

You performed miraculous signs and wonders

in Egypt and have continued them to this day,

both in Israel and among all mankind,

and have gained the renown that is still yours.


Then the word of the Lord came to Jeremiah:

" I am the Lord,

the God of all mankind.

Is anything too hard for me?"


ああ、天上を()べる主よ、

あなたこそ、この宇宙と地球を

その大いなる力と広大に拡げられた

その腕でもって創りあげられたお方です。


何事もあなたに

難し過ぎるということはありません。

あなたこそ、何千もの人々に愛を示しもするが、

祖先達の罪を

その子孫達の膝元(ひざもと)に至るまで

罰することのできるお方です。


おお、大いなる力強き“神”よ、


その御名は“全知全能の主”である。


大いなることこそあなたの目的、

そして全知全能なることがあなたそのもの。


あなたの御目(おんめ)

あらゆる人間達の人生の歩みに開かれている。


あなたはすべての人々に

その行いに沿ったものを与え、

その人格にふさわしいように報いを授ける。


あなたこそ、

エジプトにおいてイスラエルの人々のために

驚くべき印と数々の奇跡を行って見せ、

今日(こんにち)に至るまで

あらゆる人類に対しても

それらを続けてくれている。

そして、それによって称えられるべき栄光は

今なお、あなたのものである。


その時、主の御言葉がエレミアの心に宿った。





「わたしが主であり、“全ての人類の神”である。


 このわたしに不可能なことなどあるだろうか?」


    (エレミア32章17−20節および26-27節)




注釈1 

焚書ふんしょ(=Book Burning)とは、主に政治家や権力者、何らかの特権や裏工作術を持っている人達が自分達にとって都合の悪い事や気に食わない文言が記載された書物を一方的に燃やしたり、削除または改変したりして真実を伝える“正当な言論”を封じ込めることで、自己正当化したり、証拠隠滅を図ったり、あるいは自分達の気に入らない人間を社会的に抹殺して陥れようとすることである。


これまでの歴史上、何度となく行われてきており、最古と言われているのが、本作品に描かれているBC7世紀~BC6世紀頃のユダ王国(ソロモン王の死後、分裂したイスラエル王国の南部にあった王国)のジェホイアキム王が行った焚書である。

しかし、イスラエルに限らず、世界中で焚書は度々、行われてきたが、結局、真実は消せず、いずれも後世において彼らのやった行為が明るみに出て非難されるだけで終わる。

これまで一度たりとも成功した試しはないのだが、それが未だ理解できずしつこく裏工作を続けようとする人達がいるようで、そろそろ無意味な行為だと気づいて欲しいものである。


ちなみに個人的にも同じような被害に遭ったことはあるが、おかげさまでトラブルを解決していただいたので今もこうやって作品を書かせていただいている。

なので、ネットや出版物、メディアにおける不正な侵害や言論弾圧が無くなることを心から祈るばかりである。


************************************************************

(追伸)

現在、朝に夕にわたしのパソコンに張り付いて

言論弾圧や作業妨害に頑張っている皆さんへ


************************************************************


そもそも、わたしの言ってる事が間違っているのなら

こんな出版不況はもとより


“世の中、皆んな景気良く豊かに幸せに暮らして”


異常気象も水不足も砂漠化も、食料危機だってもちろんなくて

コロナウィルスなんてインチキ臭いバーチャル兵器も

おたくらがプロパガンダ(大衆洗脳宣教)して

財政破綻をごまかす必要も、人口削減する事態にもなってなかったさ。


どこかのキチ○い、ろくでなしの貧乏人とでも蔑んで馬鹿にしてる

一介の庶民でしかないわたしのパソコンに

一日中張り付いて監視する必要もなければ

パソコンを壊してまで言論活動を妨害する必要もなかっただろうに。


コロナウィルスが大嘘だって事は↓でもずーーーーっと延々、説明してきたが、

https://ncode.syosetu.com/n1181a/124/

https://ncode.syosetu.com/n1181a/125/

https://ncode.syosetu.com/n1181a/126/

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https://ncode.syosetu.com/n1181a/132/


あんたら、日本政府(皇室&自民党政権)の関係者や支持者達が

こんな茶番劇を続ける理由はただ一つ、


あんたらの政治や経済政策、教育、その根本思想が全部、

“間違ってるから失敗するんだよ”


全く正しくなくて、

天におわす神様の御心=自然、現実、真実、正義に背いて従わないから

失敗ばっかりするんだよ。


失敗した結果、どうなるか?

分かるよね、滅亡だ

国家は滅亡する、しないはずはないんだ。

会社だって失敗したら倒産するのと同じ。

国家だって組織でしかないんだから

失策だらけで財政破綻して食料危機や水不足にでもなれば

当然、滅亡する。

誰も生き残れなくなる。


そんなはずはないと思ってるなら

それこそあんたらの脳みそはお花畑か、

幼児が何ら実績もないのに大人ぶって「わたしは何だってできるはずよ」と

粋がって周りを滅茶苦茶に壊して回るだけの万能感が抜け切れていないんだろう。


はた迷惑でしかない。

金や国家権力、武力(暴力)を使ったら

何でも正義になる、真実になるとでも思ってるんなら

大間違いだ

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― 新着の感想 ―
[一言] 昔といまをからめると面白いかな、と思いました。 聖書の口調で現代を描くとか、 現代的なキャラを登場させ聖書時代を描くとか 例えば、いま、ちらと思いついたのは、 「安音(あんね)のブログ」…
2007/07/15 00:03 ごはんライス
[一言]  聖書を扱った作品なので読みにくくなるのは致し方ないと言えますがそれでも読みにくさが目立ちました。  タイトルとストーリーがいいだけにそれが残念でした。題材は秀逸だったと思います。より読みや…
[一言] まずタイトルにひかれました。 読んでみて、ただ単に旧約聖書の話を書いただけでそれ以上でも以下でもないと思いました。 タイトルのようなセンスで、もう少し読み手を楽しませる工夫があればと思います…
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