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開いた口がふさがらない訳では無い
赤色の塊が人々に襲い掛かる。
逃げ惑う者は何を思って生きようと思うのか。
世界はトマトに支配された。
何を言っているのかわからない。
ニュースを見ていた。水道の蛇口から水が落ち続ける。開いた口がふさがらないという言葉があるが、口は開けることすら忘れていた。
世界の首脳たちが一斉にトマトにへりくだっている動画。いわゆるAI画像のニュースだと思っていた。
その時突然
ニュースのキャスターたちが、乱入してきたトマトの仮面をつけた連中に捕らえられていて、より一層状況が分からなくなってしまった。
ふと冷蔵庫のトマトを調べてみた、
冷たい冷気に触れ、激痛が走った。冷蔵庫に赤い液体がひたたっていた。そこにはトマトがいた。
潰れていない。
赤い液体はトマトではなかった。
じゃんけんが右手ではできなくなった。
すでに赤色の液体の正体に気がついていた。
赤い玉の黄色い歯がこちらに向いて噛みつこうとしてくる。
トマトが顔に飛んできた、いや飛びついてきたのほうが正しい。
視界が紅に染まる。
死ぬのは大したことではない。
形あるものはいつか消えるのだから。
強いて言うならある海賊漫画の宝の正体だけ知りたかった。
世界はトマトに支配された。




