やらかしました〜湾岸を走るタチアナ〜
——六回目となりました。こんなにもお付き合い頂き有り難い限りではありますが、大丈夫ですか?
タ「大丈夫ですよ? 今の処第二部のお話は未だ聞こえてきませんし」
——それなら良かったです。さて、コロニーを出るところからナリタまで色々ありましたが……
タ「はい。ありました。先ず前回お伝えしても良かったのですが、何故わたしがコロニー内を走らなければいけなかったのでしょう」
——えっ。それは基本的すぎて、答えに困りますが。
タ「こう考えてみましょう。何故、スターサイドから出発しなかったのでしょう」
——(??)ああ! 成程。何故スターサイド、サニーサイド両方に発着施設がないのか、という事ですね
タ「そうです。あの時、スターサイドから出発できていれば、コロニー衝突の恐怖を味わう事が無かった筈です」
─そう言えばそうですね。発射方向が異常でしたね。
タ「公式の理由としては、打ち上げ施設と着陸施設を分けたため、と言う事になるのでしょう。確かに発着の管制を分けた方が、管制官の負担が減るのだとは思います」
——まあ、そうでしょうか
タ「ただその為、コロニーのサニーサイドからの打ち上げはコロニー衝突というリスクを常に負う事になりました。というのもコロニーは太陽光をその内部に導くため、サニーサイドが常に太陽を向くように姿勢制御されているからです。そのためウィンドウが非常に狭いんです」
——(????)もっと詳しく説明していただいても?
タ「そうですね……中心が同じ半径の違う二つの円を想像してみて下さい。そして中心を通るように真横に一本の直線を引きます。この直線から上全体がコロニーになります」
——はあ、何とか想像できました。
タ「半径の大きな円の一点に中心から矢印を引きます。そして、その円の一点から内側の小さな円の各点に矢印を引きます。そして、その新しく引いた矢印を円の中心に持ってきましょう。さて、大きな円の一点を色々と変えた場合、コロニー内、つまり上向きにならないものは、どのくらいあるでしょう?」
——大きな円の上半分からは、かなり大くの矢印が下向きになりますが、大きな円の下半分からは殆ど下向きになりません
タ「そうなんです。大きな円は、コロニーが地球を一周するときの軌道速度の方向を表わしています。例えば真下に向う矢印は、コロニーが地球の丁度左90°の位置にある時の速度を表わします」
——右90°の時は地球の真下、真上の時は地球の右90°の位置にあるという事ですね
タ「そして、内側の小さな円は、地球上の各地の速度を纏めて表わしたものになります。
——……ああ。小さな円の真上に向う矢印を考えると、それは地表で夕方18時を迎えた場所の速度という訳ですね
タ「はい。なので、コロニーから安全に地球へ降りるためのウィンドウというのは狭いんです。作中の設定ですと、L4の速度は大きな円の下半分にありますし、タネガシマの速度も小さな円の下半分にあります」
——ええ(汗がたらり)。殆どコロニー衝突コースですね……
タ「はい。ほぼ全滅です(苦笑)」
——何故このような展開になったのでしょうか
タ「作者の真意はわかりませんので想像になってしまいますが。
隠密裏にコロニーへ潜入するためには、常に日陰になるスターサイドが最適です。でも、わたしにコロニー内を走らせたい。という事で、先程の公式見解を捻り出したのではないかと推測しました」
——タチアナさんだけじゃなく、コロニーに住む人びとの生命を何だと思ってるのでしょうね、作者は!
(意図的に)やらかしました。ごめんなさい……orz
タチアナさんが御情けで触れませんでしたが、もう一つ重大なやらかしがあります。
作者はケープ・カナベラルの打ち上げまで気付きませんでした。
ただ、このやらかしについては既に触れています。
さて、何でしょう?
ヒントは距離です。




