提案
※少し短めなので、あともう1話同時UPしてます(/・ω・)/※
さて、王都で一仕事終えてきた俺は、ラーヒズヤ・ハリカ夫妻と共に、再びシュヴァルツ魔法侯爵領領主邸へと戻ってきた。
「お帰りなさいませ、ルドラさま、ラーヒズヤさま、ハリカさま」
「あぁ、今帰った。ニシャは?」
「ただいま、アンシュとともにルードハーネ公爵邸に遊びに行かれています」
「・・・そうか」
まぁ、俺が一時的に王都に行っている間、ニシャのことはディクーシャに任せていたのだが・・・
「本日はディクーシャさま方と街にも出ると仰っていたので、今から押しかけるのはどうかと思います」
「お前はどうしてそうも俺の考えていることがわかる」
「いや、お前わかりやすすぎるから」
「だよね~」
うぅ・・・ラーヒズヤ夫妻めっ!
「まぁ、いいじゃないか。せっかくなんだし、今夜の晩飯でもご馳走してやったらどうだ?」
「まぁ・・・そうだな」
ラーヒズヤの言うこともわからんでもない。
早速俺は厨房に入った。
―――
「今日はどこへいってきたんだ?」
帰邸して食卓についたニシャとアンシュ。今日の晩飯・・・地元の海鮮をふんだんに使った海鮮お好み焼きを囲んで、早速ニシャに問えば・・・
「い・・・市場に、連れて行ってもらいました!」
「あぁ・・・ルードハーネ公爵領の市場は国内有数の賑わいだからな」
「はい!そこで・・・ディクーシャちゃんとお揃いの髪飾りを買ってもらって・・・」
一応、アンシュに自由にしていい金は渡しているので、それで購入したのだろう。そしてその髪飾りに、ニシャは大事そうに触れる。貝殻をモチーフにしたものだな・・・。それにしても、ディクーシャとお揃いか・・・。
「似合っている」
そう、答えればニシャがぱあぁぁっと顔を輝かせる。
「明日は俺と街を回ろうか」
「はい・・・っ!」
「二人っきりでな」
「ふ・・・ふたり・・・」
「デートだ。デート」
「デート!!」
ニシャが頬を紅潮させている。そこまで喜んでもらえると、明日が楽しみだな。
「でも、ルドラさま。俺とアンシュも同行しますよ。まぁ、少し離れたところから・・・ですが。大魔王を放っておいたら何をするかわかりませんからね」
と、アールシュ。
いや、どう言う意味だっ!!
「だ・・・だいまおう?ルドラさまのことですか?」
「あぁ。俺の二つ名だ」
「ルドラくんって二つ名、いっぱいあるよね。わふたんとか隻狼とか」
と、そこでハリカ。
「わふたん・・・?」
「あぁ・・・」
そこは二つ名として譲れない。大魔王の部分にもしっかりと付けてもらわねば。
「わふたん、かわいいから好きです!」
あぁ、今日もニシャが尊い。
「明日が・・・楽しみです!」
「あぁ、俺もだよ」
「若いわね。私たちもどう?」
「まぁ・・・休暇だしな・・・」
ハリカとラーヒズヤ夫婦も出かけるらしい。
俺はニシャとデート・・・!ふふふ、楽しみだな。
「初デートだからって、調子に乗っちゃだめよ?」
ぐさっ
しかしながら、相変わらずシロナの忠告が突き刺さる。
「う・・・わかってる」
「き、気を付けます!」
と、ニシャ。
「あら、ニシャちゃんはいいの。思いっきり楽しんでらっしゃい」
「・・・っ?」
ニシャはきょとんとしながら首を傾げる。何だか無性にかわいかったのでなでなでしておいた。




