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帰国


「ど、どどどどうしましょう!魔法侯爵さま!」

「かくなる上は・・・アンシュさまああぁぁぁっっ!!」


「まずは落ち着け、じぃども。また体に響くぞ」


「うぐ・・・っ!そう言えば・・・腰がっ」

すかさずヒーリング魔法を掛け、椅子に座らせる。


「いいじゃないか、親子3人水入らず」

俺とアンシュは背後を見やる。


「父上!ずるいです!今朝からずっとミンミンを抱っこしています!」

「・・・午後からは視察だ。それまでミンミンを・・・」

「私もその視察に同行するんですが!?」


『ふたりとも・・・けんか、めっ』


「・・・うむ」

「す、すまない」

何故かユエに抱っこされるミンミンを王太子が抱っこしたいと取り合いになり、ミンミンにかわいく「めっ」を言いつけられるふたり。王太子が抱っこしている時はユエが抱っこしたいと言い出す。


「うん、なかなかいい親子仲じゃないかー」


「取り合いになっておりますぞぃ」

じぃたちはそれが気が気ではないらしい。


「あら、仲良しならそれでいいじゃない?お兄ちゃんたちみたいよ」

と、そこで12歳ながらとっても大人な意見を言うジュリア。でも・・・お兄ちゃんってのは俺か・・・?それは俺と・・・誰と誰のことを例えているんだろうか。


「とりまミンミンが無事に念話魔法を覚えたからな。俺たちは使節団と一緒に帰るわ」


「いや、そんな簡単に・・・っ!」


「宮廷料理長にもお土産の中華まんをたくさんもらってマジックボックスに収納したからな。帰る準備は万端だ」


「ミンミンちゃんとのお別れ・・・ちょっと寂しくなります」

と、ニシャ。


「お兄ちゃん、また連れてきてくれるんでしょ?」

と、ジュリア。


「あぁ、もちろん。遊びに行きたい時は相談しろ」


「わぁい!」

ジュリアは本当にミンミンと仲良しになったようで。父親のクロス魔法伯も喜んでいる。


さて、転移する前にまだやってるユエたちに挨拶をしなくちゃな・・・


「・・・ルドラ、此度の件、ありがとう。ミンミンの声を聞けただけでも、嬉しい」


「そうか」

そしてそんなユエの言葉に・・・


(陛下が・・・陛下がぁ―――・・・っっ!!)

(デレを・・・デレをお言葉になされた―――っ!!)

(奇跡じゃぁ―――っっ!!!)

じぃたちがバックヤードで大盛り上がりだった。はしゃぎすぎてまた腰、やるなよ。


「・・・その、私からも、礼を言う」


(王太子殿下のツンデレが剥がれたわい―――っ!)

(やっぱりミンミンさまは天使じゃぁ―――っ!!)

(いや、女神じゃろうてっ!!)

じぃたち更に大盛り上がり。だから腰気を付けろって。


『おにぃちゃん、おねえちゃん、おねえちゃんのおにいちゃん、じゅりあちゃん、また、遊びに来てくれる?』


そのミンミンの言葉に、俺たちはそろって頷いたのは言うまでもない。そして・・・


「がぅ」


「何だ、たまも見送りか?」

普段はミンミンのお部屋にいるが、先日の王太子改心事件の時に一緒にいられなかったのが悔しかったらしく最近は堂々と王宮内でミンミンの側に寄り添っているのだ。


「がぅ、がぅがぅ」


「ジュリア、わかるか?」

俺がジュリアを振り返れば、ジュリアがそっとたまの白い毛並みに触れる。因みにジュリアはミンミンと一緒に寝たりしていたのでたまとも仲良し。一緒にお布団でぬくぬくしていたらしい。それを聞いた俺は急激にわふたん切れを起こし、マジックボックスからわふたん抱き枕を3匹取り出して眠ったのは言うまでもない。


「えっとね・・・あぁ・・・お兄ちゃん家のいぬによろしくって」


「いぬじゃねぇ、わふたんだ」

“ねこ”と呼ばれているコイツもユキヒョウっぽい神獣なんだがな。


まぁ、そう言うわけで俺たちはミンミンたちに別れを言って帰国したのだった。帰国後はすぐにわふたんチャージをするため双子のわふたんであるシエルとソラに飛びついて何故だかシロナにひどく呆れられていた。だって俺だってわふたんとねんねしたかったんだからしょうがないじゃんっ!!


あぁ、その日の晩餐はもちろん、土産の中華まんである。

うむ・・・宮廷料理長からの中華まんもうまい。ちびたちやアールシュも満足してくれたらしい。





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