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オウカ国での騒動

※“」”抜けとりました。修正済みです<(_ _)>※


―――さて、アンシュと一緒にじぃたちの元を後にすれば・・・何故かミンミンたちがいる私室の前から言い争うような声が響いてくる。


「ですから!そのような話は聞いておりません!」


「いや、父上から通してもらっているはずだ!いいから王女さまとやらに会わせろよ!」

「そうだそうだ!国際問題になるぞ!」

「たかだか侍女風情が!」


「きゃあぁっ!」


そして侍女の悲鳴が響く・・・っ!まずい、部屋に押し入られたのか!?慌ててアンシュの手を取り、先ほどのミンミンの私室の中へ転移すれば、まさに侍女を押しのけ3人の男どもが強引に部屋に入り込んだところだった・・・


何だか見覚えのある顔もあるが・・・


曲者くせものがっ!!」


『ぎゃああぁぁぁぁぁっっ!!!』

俺が瞬時に落とした雷により、3人は見事にしびれて床に倒れ込んだ。


3人の服装的に、ひとりが外国人、ふたりはこの国の伝統衣装を着ていた。その騒ぎにすぐさま王宮の近衛たちが部屋に踏み込んでくる。

しかしながら往生際の悪い外国人が叫ぶ。


「ち・・・違う!俺たちはその怪しい仮面男から、お姫さまを助けようとしただけなんだ!」

おい、コラ。その怪しい仮面男とは俺のことか?


彼らの言うお姫さまは・・・ミンミンはニシャがしっかりと抱きしめて守ってくれたみたいだ。アンシュの時もそうだが・・・ニシャは守りたいもののためなら強くあろうとする子なのだと思う。そうやって10何年も耐えてきたニシャの表情は、脅えることなく静かに彼らを見据えている。そしてねこもまた、ミンミンを守ろうと低い声でうなりながら威嚇している。小さいとはいえ神獣は神獣なのだな・・・。


しかしながら、こんな状況で俺を悪者に仕立て上げたところで結果は見えている。


「はぁっ!?魔法侯爵さまに何と言うことを!」

「この方は我が国の英雄であるぞ!」

いや・・・英雄と言うか、神獣を手懐けて山賊どもを蹴散らしただけだし・・・。まぁ、ユエのクーデレのデレを加速させた功績も相成ってそう呼ぶものも確かに多いな。


そしてその言葉に、外国人の青年がハッと目を見開く。


「魔法侯爵・・・!?まさか・・・その仮面・・・魔法侯爵のルドラ・シュヴァルツ!?何でお前がこの国にいるんだ!」


「はぁ・・・?呼び捨てとはまた随分な・・・」


「う・・・五月蠅い!ぼくは侯爵令息だぞ!?家格は同じじゃないか!」


「は・・・?」

コイツバカなの?そしてこのバカはどうやらウチの国のバカらしい。そう言えば・・・焼け焦げているがこの眼鏡とインテリアホ感は見覚えがある。確か前世のゲームに出てきた・・・


「あぁ・・・お前・・・外務大臣の・・・」


「そうだ!ぼくは外務大臣の息子で、パトリック・ケイオス侯爵令息だ!」

そう、そいつはゲームに出てきたモブ。確かバカ王子の友人だったとかで。

モブだったから思い出すのに時間がかかったな・・・しかし・・・


「貴様はバカか?」


「バ・・・ッ!?このぼくに向かって!?」


「そうだ。たかだか侯爵令息でしかない貴様が、現役魔法侯爵の俺に向かってたいした口の利きようだな?」


「う・・・っ!き、貴様は・・・汚い手を使ってダーシャを・・・!」


「俺の前でその名を出すな」

鋭い怒気を向ければ、今度こそバカ息子は口を閉ざす。

ニシャがその名を聞いて嫌な気分になったらどうしてくれる!


そしてその時だった・・・


「何事だ」

そこに入ってきた人物の顔に、近衛たちの表情が引き締まる。


『陛下!』


そして、部屋の中で焼け焦げている3人を見て眉をひそめる。


「こやつらは」


「ミンミンの部屋に侍女を押しのけ不当に押し入ろうとしたものたちだ」


「なに・・・?」

陛下・・・ユエは近衛たちに手を貸してもらい立ち上がった侍女を見やる。


「そうです!父親に姫さまに会う許可をもらっているとかなんとか、妙なことを言って強引に・・・!魔法侯爵さまがいらっしゃらなければ大変なことに・・・!」


「なんだと・・・?私は聞いていないぞ」


「しかも、残念ながら眼鏡の奴は俺の国のバカらしい」


「・・・ふん・・・では後のふたりはウチの国のバカどもか」

ユエはオウカ国の伝統衣装を着ている二人組を冷たく見やる。

そしてとっとと連れて行けと近衛に指示し、バカ3人は近衛によって部屋の外へと引きずりだされて行った。


「そのようだ。因みに、外務大臣の息子らしい。使節団に紛れ込んでいたか?」


「そのことだが・・・聞いていた話と違う」


「ほぅ・・・?どう言うことかはこれから確認するとして・・・」


「何だ、他にあるのか」

ユエはいらだっていた。そりゃぁそうだ。クーデレ氷王ながら実はミンミンが大好きなこの男は、ミンミンが襲われたことに酷くいらだっているのだから。


「ミンミン・・・おいで」

俺がミンミンを呼べば侍女も付き添いながら、ニシャと手をつなぎながらこちらへ来てくれる。


「ユエが来てくれた」

そう言うと、ミンミンは嬉しそうな顔をしてユエを見上げる。


「ほら、ミンミンちゃん」

ニシャも俺の言わんとしたことがわかったのか、そっとミンミンの背を押してユエに近寄らせる。ミンミンは無意識にユエの着物を掴んだ。驚きつつもユエは跪きそっとミンミンの頬に掌を添えた。ミンミンは恐いのをずっと我慢していたのか、ぎゅむっとユエに抱き着く。

まぁ、鈍すぎ注意なユエだが、さすがに今回ばかりはそっとミンミンを抱き寄せて優しく髪を撫でていた・・・。












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