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【完結】隻狼の魔法侯爵の俺と悪役令嬢なはずの彼女  作者: 夕凪 瓊紗.com
第1章 隻狼の魔法侯爵と悪役令嬢
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実は本当のオチは次話


・・・味噌・・・それは、ジャポネーゼのソウルフード・・・。

味噌がないだけで、味噌禁断症状を引き起こすとまで言われる(※あくまでもルドラの前世の友人論)ソウルフード・・・。それが味噌であり。前世の俺はあくまでも前世の俺。今の俺は今の俺。前世の記憶があっても別人ではあるものの、前世で知ってしまった味噌の味はこの世界で生きゆく俺にとって禁断症状を引き起こした・・・。


だからこそ俺はかつて、その禁断症状を抑えることができなかった。故に暫く屋敷をわふたんずやアールシュに任せ、俺は味噌を探しに出た。この国の主食はパンである。街にひとたび出れば多種多様な菓子パンや食パンに出会える。それに俺の要塞屋敷は前世の日本文化風に改造してある。ひとえに炬燵に入って寝っ転がりたい・・・そんな妄想から始めた日本文化風の屋敷の玄関には靴を脱ぐスペースが備え付けられている。靴のまま入ろうとすると自然に靴が脱げるようになっているので玄関中央に備え付けられた“靴を脱げ”の看板に従わねば玄関口で盛大にずっこけることになろう。


まぁ、それはさておき・・・俺の要塞屋敷と領地の実家以外はほぼ靴を履くスタイル。何となくヨーロッパ風なのかなぁと思う。服もドレスや・・・俺ならワイシャツ、ズボン、コートを適当に羽織るスタイルだし。つまり和食風のものを探すには、和食風のもののある国を探すしかない!大丈夫だ・・・異世界ファンタジーには大体日本風の国があったりするのだ!


そして大体が・・・東に行けばある!東の島国!俺は早速東に向かって空を駆けた。

国境を越えシェンビャオと言うふわもふユキヒョウ風神獣を手名付けて騎乗し、その群れを率いて山賊を蹴散らした。その功績を感謝されて、シェンビャオを崇め祀るオウカ国でユエと言う友人ができた。それに何だか“オウカ”と言う響きに桜を想像した俺は、もしかしたらこの国なのか・・・と期待した。だが・・・“ユエ”?これって確か・・・と思っていたら案の定、だされた料理は水餃子、肉シュウマイ、エビシュウマイ、エビチリ、青椒肉絲チンジャオロースー、麻婆豆腐、胡麻団子、杏仁豆腐。完っ全に中華じゃん!ここ中華風な国じゃん!しかも・・・ユエの服も何となく中華ファンタジーじゃんっ!!食後のお茶もプーアル茶!!


ユエってやっぱりユエじゃんっ!日本語読みとちゃうやんっっ!じゃぁ何でオウカ国やねんっ!


しかしながら、中華がある・・・と言うことは、和食も近いのではないだろうか?実際に前世ではお隣のお国だったし、中華街に行けば本格中華が食べられるし、デパ地下でも中華街の有名店の月餅や桃まんを購入できるのだ・・・!そう・・・きっと和食は・・・近いはず!!


まぁ、でもせっかくなので1週間ほど滞在し、その間に今回の礼として宮廷の厨房にお邪魔して餃子、シュウマイ、麻婆豆腐などの作り方を学ばせてもらった。そして判明したことだが・・・やはり・・・天津飯はなかった・・・!!つまりここは、中華街風ではなく本場の中華風な国なのだ。だから中華風街を抱える和風な国も探せばあるかもしれない。俺は迷うことなく東に飛んだ。途中山岳地帯で現地のひとびとを悩ませていた巨岩魔物を鎮め、今後は手を取り合って生きていくようにさとし交友関係を結ばせた。その礼にとエマ・ダツィ風な唐辛子のチーズ煮込みをご馳走になりまた調理方法を習得。

乾燥唐辛子を大量にお土産にもらって異世界ファンタジーの定番便利アイテム・マジックボックスに収納。


そして俺は更に東に飛んだ。その途中、青龍っぽい中華風なドラゴンに会ったので友だちになって背中に乗せてもらってさらに別の国へと一気にぶっ飛ばしてもらった。

そこでは大規模な暗雲が王都を覆っており、ひとびとがとても困っていた。なんでも隣国の魔法使いがこの国の農業に打撃を加えるために大規模な魔法を使ったらしいのだ。仕方ない。旅は道連れ世は情け。俺はその暗雲を一気に片付け、更に魔力の糸を辿ってその魔法を掛けた魔法使いに魔法をそのまま返してやった。多分今頃、晴れるはずのない暗雲にその魔法使いだけが永遠に覆われると言う苦痛くつう・・・いや、違うな。を苦鬱くうつを味わっていることだろう。


そしてその礼にとまたまたご馳走をいただいた。ここでは俺が祖国で食べているパンとはちょっと違うものの、主食だと言うエキメッキと一緒に色々な料理をご馳走になった。日によってはピラフをごちそうしてもらった 。米が・・・ある!いや、オウカ国にもあったが・・・しかしながらこちらにも米があるのだ・・・!と言うことは確実に東の島国に近づいているのではないか・・・!俺はちょっとだけ嬉しくなった。あぁ、もちろん料理はマスター済み。エキメッキはレシピを聞いて馴染みのパン屋に作ってもらうことにした。


そして俺は現地のひとびとの情報を元に、更に東にあると言う島国に向かったのだ。


さて・・・ここに、和食は・・・味噌はあるのか・・・っ!?

しかしその国の周りの海はあらぶっていた。どうやら海の魔物が荒れ狂っているらしい。何やら首に何かがかかっている・・・。あれは魔道具だな・・・。ちょちょいっと破壊してやれば魔物は大人しくなり、海に潜ってどこかへ去って行ってしまった。その後海はぎ、俺が島に降り立てば島民たちからめちゃくちゃ感謝されてしまった。なんでもあれは彼らが大切に崇めている海の女神さまらしい。俺が見たのは魚のような姿だったが、おかに現われる際は美しい女性の姿をとるそうだ。うむ。よくあるチート主人公みたいに瞬殺しなくてよかった。


さて・・・お礼とばかりに宴会の席へと招待された俺は・・・遂に・・・遂に味噌にありつけるのかと思って歓喜した。


出てきた料理はと言うと・・・あれ・・・これ・・・パンじゃね?どちらかと言うと・・・円形の乾パンに近い。更にチーズやタマネギとトマトのソースをかけてふやかせば・・・いただきまぁす!あぁ・・・結構おいしいかも・・・!パンはいつも通りレシピを聞いて、焼くのは馴染みのパン屋に頼もう。ソースもおいしいから作り方をメモメモ。更にはチーズとほうれん草のパイまでいただいた。あぁ・・・これもおいしい。これは自分で作ろう。これもレシピをメモした。


・・・あれ・・・待って・・・。これ確実に和食じゃないっ!おいしかったけど!毎日おいしい料理を食べてレシピを学んで1週間ほど楽しんだけど和食じゃないっ!!


しかしさすがに長すぎる遠出。魔動通信機を通じて陛下から“そろそろ帰ってきてくれ、お願いだから”とメッセージが届いたので・・・仕方がない。転移魔法で一気に屋敷まで帰邸し、お留守番組たちにチーズとほうれん草のパイをご馳走した。その後俺の帰宅を知ったラーヒズヤに引っ張られて強引に魔法爵会議が開かれた。どうにも、俺が不在だったため会議ができずにみな王都に足止め状態だったらしい。でも・・・っ!しょうがないじゃんっ!


「・・・味噌・・・!味噌をくれ!俺に味噌をくれ~~~っっ!!!」


「・・・何言ってんだ、ルドラ」

そんな目で見るなラーヒズヤ!!


「おや、ルドラさまは“味噌”をご存じで?」

そう、驚いて俺に声をかけてきたのは、まだ若いが優秀な魔法伯である、ユーリ・クロスと言う青年だった。小麦色の髪にダークグレーの瞳の好青年である。


「あぁ・・・味噌・・・味噌が食べたいんだ・・・!お前は味噌を知っているのかあああぁぁぁぁぁぁ――――――っっ!!!」

「落ち着けルドラ―――っっ!!!」

いきなり切羽詰まってクロス魔法伯に掴みかかった俺をラーヒズヤが止めに入る。うおおぉぉぉぉっっ!!!止めるなラーヒズヤ!俺は・・・俺はもう限界なんだ!味噌への禁断症状が出てるんだぁ―――――っっ!!!


「えぇ、ウチの土地の隣のカイト・カシー伯爵の領地の名物なんです!まさかルドラさまがご存じとは・・・!今度、お送りしますね!」


「え・・・」

ウチの国に・・・味噌・・・あったの・・・?


(つづく)


味噌「続くんかいっ!」

ルドラ「あぁ・・・次の更新までに俺の味噌欠乏症の禁断症状が持つだろうか・・・あぁ・・・味噌・・・おぉ・・・味噌よ・・・我に味噌を与えたまえ・・・」

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