表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/12

ステータスカード

ということを思い出した。


手元にはピカピカのステータスカードがある。


「凄く強い光でしたね。ユーマ君は神様からとても気に入られていると見える」


あんなことがあったんだ。強くも光るか。


「さて、ご両親の所へ戻りましょう」


「司祭様は私のステータスを確認したりはしないのですか?」


「ステータスは個人情報です。必要な時以外、他人の目に触れさせるものではありません。ユーマ君も後で表示・非表示を切り替えておくといいでしょう」


司祭様と両親のいる部屋に戻って来た。


「では私はこれで失礼します。この部屋はもうしばらくご家族でお使いください」


「「「ありがとうございます」」」


司祭様は気をきかせてくれたのだろう。なぜなら両親が泣いていたからだ。俺も記憶が戻った今ならわかる。両親の顔が転生前の両親ととても似ているからだ。もちろん違う所もあるが、アバターをゲーム補正でよりカッコよく、可愛くしたのと同じ感じがする。


時空神様がなんかしたかな?


「本当にユーマなのか?」


「うん。渡辺優真。享年22歳ってとこかなぁ」


俺の享年を知って両親はずいぶんと驚いたようだ。話が長くなりそうだったので、一度自宅へ帰ることにした。

まずは俺からということで、思い出したことを隠さずに全部説明する。


「………という事なんだ」


俺たちはお茶を飲みつつ、しばし沈黙する。


「親父達も日本での記憶が戻ったみたいだけど、時空神様に会ったの?」


「ああ、会ったぞ。一言でいうと、俺たちはユーマのおまけだ。ある時、魂を呼び出されてな。ユーマが異世界へ転生することになったが、もう一度お前の両親として生きることを望むか?と聞かれたものでな。その問いに関し、俺たちはYESと答えた」


前世の記憶は戻ったが、特に使命とかは無いようだ。しいて言うなら【俺の両親になること】というところか。


両親の話では特にチート的な能力を貰ったという事は無いそうだ。でも、前世の記憶があるだけで、いろいろできることは増えそう。


となればそろそろステータスの確認をしないとな。



早速成人の儀で貰ったステータスカードを使ってみる。


--------------------------------------

【ステータス】


名前:ユーマ 種族:ヒューマン 年齢:15


HP:100=20+20+30+30

MP:313=20+20+30+45+99+99


STR:20+30

AGI:20+30

VIT:20+30

DEX:20+30

INT:20+30+99

WIL:20+45+99


<アビリティ>

健康体

天賦の才

天眼通

上限解放


<称号>

転生者

活力の渡し手

コノハナノサクヤヒメノミコトの寵愛

時空神の寵愛

陽明神の加護

陰暗神の加護

天候神の加護

海洋神の加護

地殻神の加護


<スキル>

剣術Lv3

体術Lv3


火魔術Lv3

水魔術Lv3

風魔術Lv3

土魔術Lv3

光魔術Lv3

闇魔術Lv3


--------------------------------------


ゲームと画面は同じだった。見えている字面は凄いが。


「天眼通って神通力よね」

オカルト好きな母さんが呟く。コノハナノサクヤヒメノミコト様が言ってた鑑定できる能力ってこれだと思うんだけど、スキル鑑定でも、鑑定眼でもなく、なんで天眼通なんだ。やりすぎじゃね?


<アビリティ>の詳細はこれか?名前をタップすると詳細が出てきた。


・天眼通:鑑定眼、千里眼、看破眼、車輪眼など、ありとあらゆる眼の能力を併せ持つアビリティ


写輪眼って、どこぞのコピー忍者か?


・健康体:状態異常無効、病気無効、部位欠損無効など、身体を健康に保つ能力を併せ持つアビリティ


病気にならない丈夫な肉体を願ったけど、余計なもの付いてない?病気無効だけでいいんじゃ??


・天賦の才:ありとあらゆるスキルを習得しやすく、また、熟練度が上がりやすくなるアビリティ


・上限解放:各パラメータの種族上限(人間なら99)を解放し、上昇するようになるアビリティ


この2つは努力が報われたいって言ったからかな?上限解放はかなり後になりそうだけど…ってパラメータの補正が…ナニコレ?


<称号>の詳細も見てみないと(アセアセ)。


・活力の渡し手:異なる世界から活力を渡すために選ばれた魂に贈られる称号。神などから加護を得やすくなる。

・転生者:転生前の記憶を持つものに贈られる称号。知識量によりINT補正あり。

・コノハナノサクヤヒメノミコトの寵愛:地球の神コノハナノサクヤヒメノミコトからアビリティを与えられたものに贈られる称号。加護の上位互換。WIL補正あり

・時空神の寵愛:時空神からアビリティを与えられたものに贈られる称号。時空神に関連するスキルの熟練度が上がりやすくなる。加護の上位互換。WIL補正あり

・陽明神の加護:陽明神から守護の力を与えられたものに贈られる称号。陽明神に関連するスキルの熟練度が上がりやすくなる。祝福の上位互換。STR補正あり

・陰暗神の加護:陰暗神から守護の力を与えられたものに贈られる称号。陰暗神に関連するスキルの熟練度が上がりやすくなる。祝福の上位互換。INT補正あり

・天候神の加護:天候神から守護の力を与えられたものに贈られる称号。天候神に関連するスキルの熟練度が上がりやすくなる。祝福の上位互換。AGI補正あり

・海洋神の加護:海洋神から守護の力を与えられたものに贈られる称号。海洋神に関連するスキルの熟練度が上がりやすくなる。祝福の上位互換。DEX補正あり

・地殻神の加護:地殻神から守護の力を与えられたものに贈られる称号。地殻神に関連するスキルの熟練度が上がりやすくなる。祝福の上位互換。VIT補正あり


なんか神様関連の称号がとんでもないことになってるな。コノハナノサクヤヒメノミコト様と時空神様しか直接お会いしたことは無いはずなのに加護とかあるし。他人には絶対見せられないな。


親父達にもステータスを見せてもらったが、転生者の称号とINT補正。時空神の祝福の称号とWIL補正が増えているという。

アビリティは持ってないようだった。

忘れないうちに名前・種族・年齢以外を非表示にする。



さて、朝一で成人の儀を受け、かなり話し込んだがまだ昼前だ。

母さんは昼食の準備をするらしい。親父は買出しだ。

その間に俺は探索者協会に本登録をすることにした。

今までも登録自体はしていたのだが、成人前までは仮登録しかできなかったんだ。


仮登録では受けられるクエストに制限がかかる。

まず、仮登録では討伐クエストが受けられない。また、採取クエストでも日帰りで出来るものしか受けられない。

ただし、採取クエスト中に魔物に襲われた場合、これを討伐しても罰則はない。クエスト達成による貢献度が貰えないだけだ。素材の納品はできる。

子供のうちから危険な討伐クエストを受けて、無駄に命を散らさないようにってことなんだけど。

魔物から逃げても報告すれば情報量が貰えるし。

それでも戦いたいって血の気が多いやつはどこにでもいて、採取クエストを受けて、採取そっちのけで魔物を探して大怪我をするやつもいる。死ななければなんとでもなるし、死んだら終わりなのに、自分だけは大丈夫と根拠のない自信だけはある奴が、何故か毎年のようにいるものなのだ。


探索者協会の入り口の扉を開けて中に入ると、向かって右側に各種受付のカウンターがあり、左側にはクエストが張り出されているクエストボードとテーブルと椅子。見ると知り合いの受付担当の手が空いているようだ。素早く並び声をかける。


「こんにちは、スージーさん。本登録お願いします」


「こんにちは、ユーマ君。今日が成人の儀だったわね。誕生日おめでとう。すぐ準備するわね」


仮登録カードと一緒にステータスカードを渡すと、専用魔導具でデータを移行する。これで本登録が出来たことになる。


「本登録終了~っと。ステータスカードは返すね。仮登録カードは回収するわ」


さっそくステータスカードを確認すると、新しく探索者協会のタグが増えている。

タグをタップすると探索者としてのランクが☆で表示されるのだ。今の俺はこんな感じ。


--------------------------------------

【探索者】

 総合☆


 討伐☆

 採取☆

 護衛☆

--------------------------------------


これだけだ。クエストはランクより1つ上のものまで受けられるが、ランク未満のクエストは受ける事が制限される。

自分より下のランクの探索者の仕事を奪わないようにするためだ。人手不足で頼まれることはあるけど、仮登録でもできる仕事を本登録者が受けることは恥とされる。


総合ランクは討伐ランク・採取ランク・護衛ランクの一番低いランクになる。

討伐ランクが☆☆☆でも採取ランクが☆なら総合ランクは☆なんだ。だから総合ランクが高い探索者は凄い人気がある。

特に護衛クエストなんて、討伐ランクがある程度高くないと、声すら掛からないからね。魔物だって盗賊だってピンキリだ。

誰だって弱い探索者に守って貰おうなんて考えない。誰だって強くて信頼できる探索者に護衛して貰いたい。だから最低でも討伐☆☆☆にならないと協会は護衛クエストを紹介してくれないし、強くても人格に問題ありと協会が判断した場合はクエストを紹介しない。つまり何が言いたいのかというと、クエストボードには討伐クエスト・採取クエストしか張り出されないんだ。


「今日はこのままクエスト受けるの?」


「いや、母さんが昼食作ってくれるから、今日は本登録だけ。卒業まで学校を休むつもりもないから、クエストは学校の合間にちょこちょこかな。本格的に受けるのは卒業してからってことで」


探索者協会を後にした俺は帰宅し、昼食を食べてから家族会議を再開していた。

その結果、家族で俺のスペックを確認することになった。場所はこの町から南へ徒歩30分くらいにある草原である。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ