プロローグ6
『ところで貴方の体の事ですが、どんな体がいいか、希望はありますか?』
それって所謂チート?
『チートといえるかどうかわからない程度ですけどね。(こちらとしてはあっさり亡くなってしまわれても困りますし)』
じゃぁ、病気にならない丈夫な体かなぁ。難病とかもう勘弁な。
『病気にならない丈夫な体ですね(状態異常無効とかかしらね)』
あとちょっと曖昧だけど、努力は報われたいんだよな。練習は自分を裏切らないって感じで。でもこれって普通だよな。
ゲームでは頑張ればどんなスキルだって習得できるのがウリだったわけだし。
『そうですね。才能があれば身につくのは早いでしょうけど、それだけですね。(天賦の才で、スキルを身に着けやすくしましょうか。あとは上限解放でパラメータ上限を取っ払って…)』
あ、肉体じゃないけど、アイテムボックス的なものはどうなっているんだろ?ゲームじゃプレイヤーは必ず魔法の鞄を持っていたけど。
『空間魔法の中に同じような魔法があるので、そこは頑張って覚えてください。空間拡張が付与された魔法鞄もありますけど、レア物ですね』
まぁ、ありふれた物ではないか。流通破壊とか起こりそうだし。それでも一流の商人とかは持ってそうだよな。
そいや、定番の鑑定とかはどうなんだろう?ゲームじゃAR的にPOPしたんだけど。
『それは私からの餞別としてお付けしますね(これであなたも(天・眼)通!なんちゃって)』
『(ちょっ。神通力じゃないですか!いいんですか?コノハナノサクヤヒメノミコト様)』
『(いいのいいの。私からもプレゼントしたいのは本当だし)』
あ、転生ってことは赤ちゃんとして生まれ直すってことだよな。赤ちゃんプレイはちょっとな。
『その辺は15歳の誕生日にステータスカードを授かる成人の儀がありますので、それを機に記憶が戻るようにすれば問題ないかと。15年もあれば言語や常識も身につくでしょう』
ならよし。
新しい体を貰うメリット・デメリットも聞いたし、聞き忘れたことは無いか?
ん?活力の移動はどうするんだろ?魂に添付するのか?世界の壁に穴をあけるのか?
『活力はユーマさんの魂に添付して世界を渡らせたあと、我々が一度お預かりします。その後氣の淀んでいる場所まで行ってもらって、最後の一押しをして頂ければと思います』
それが使命って感じか。大変そうだけど新しい体の為に何でもするって言ったのは俺だしな。頑張るとしよう。
『では私から活力と鑑定できる能力をお渡ししますね』
両手を頬にあてて…何?近い近い……むぐぅ。キスされてしまった。いいんだろうか?
『次は私の番ですね』
え、ちょっとまって……むぐぅ。またキスされてしまった。
『これで活力と能力の付与は終わりました。では成人の儀で思い出すまで、元気でお過ごしください』
コノハナノサクヤヒメノミコト様、今までありがとうございました。
時空神様、これからよろしくお願いします。
というところで意識が途切れた。