第1章 第5話 冒険者ギルド
4人は冒険者ギルドの入り口までやって来た。
カイト:「ここが冒険者ギルドか!」
ベリアス:「ええ、早速入ってみましょう」
ギルドの中は、正面に受付、受付の左側に階段、更に左奥はBarになっている。
受付の右側の壁とBarの左側の壁には、仕事の依頼が張り出されている。
Barでは冒険者達がタムロしている。
昼間から酒を飲むのもの、食事をするもの、依頼を確認するもの、情報交換するもの等々
カイト:(RPGゲームそのものだなぁ)
ベリアス:「どうかしましたか?」
カイト:「いやぁ〜ちょっと、何でもない」
ラミル:「早速、登録しましょう!」
マイラ:「そうですの!」
受付の女性:「あら、そちらの方々は当ギルド初めてですね」
受付の女性:「冒険者の方ですか?」
ベリアス:「いえ、登録に」
受付の女性:「こちらで承ります」
受付の女性:「私はケーラ、各種ご案内から事務全般を担当しております」
ケーラ:「では、皆さんこちらに」
ケーラ:「まずは、これを皆さんにお渡ししておきますね」
ケーラ:「冒険者としての心得など、冒険者が知っておく内容が記載されています」
ケーラ:「必ずお読みください。」
カイト:(冒険者の心得っていう小冊子、やっぱりRPGゲームっぽいなぁ)
ケーラ:「では、これから能力測定を行います。」
カイト:(不合格なんてことに…)
ケーラ:「現在の能力を知る意味で行っているので」
ケーラ:「合否を判定するものではありません」
ケーラ:「測定結果は登録時にお渡しする登録カードに記載されます」
カイト:(あー良かった、冒険者になれなければ、この物語、終わりだからなぁ)
ベリアス:「どうかしましたか?」
ベリアス:「先程から…」
ベリアス:(時々不思議な言動や行動、ちょっと氣になりますが・・・)
ベリアス:「まずは、カイトからどうぞ!」
カイト:「はいはい」
カイト:(不合格はなくても何かドキドキするなぁ)
ケーラ:「はい、では、こちらの水晶玉に手をかざして」
ケーラ:「心を開く、オープンマインド的なイメージをしてください」
カイト:「こうですか?」
ビーーーン、ボン!
水晶玉が割れた!
ケーラ:「すみません、この測定器壊れていたみたいです。」
ケーラ:「お怪我はありませんか?」
カイト:「ええ、大丈夫です」
ケーラ:「今、新しいのをお持ちします。」
ケーラ:「しばらくお待ち下さい」
ケーラ:「おかしいわねぇ、こんな事ないはずなのに…」(奥に下がりながら)
ベリアスが真っ青な顔をしてカイトに近づく。
ベリアス:「皆さん、ちょっと」
ラミル:「何なのよ?」
マイラ:「何ですの?」
ベリアス:「今、カイトがちょっとだけ心を開放しました」
マイラ:「見ていたからわかるのよ!」
ベリアス:「そこではなく、大魔王の力」
ベリアス:「あんな水晶玉で計れるわけないでしょ」
ラミル:「う〜ん♡流石ですわ!」
#とカイトの腕にまとわりつく
#カイトは何のことかわからない様子
ベリアス:「ですから、我々も、計れたとして・・・」
ベリアス:「とんでもない数値になってしまいます」
カイト:「ああ、それは今後の事考えると面倒くさい事・・・」
ベリアス:「はい、そうです!」
ベリアス:「いきなりランクS超えですよ」
ベリアス:「目立ちすぎて、調査どころじゃありません」
ベリアスは改まった感じで、
ベリアス:「皆さん、聞いてくだい」
ベリアス:「本気で心を開放してはいけません」
ベリアス:「もうそれは、どちらかといえば心を閉ざす感じで」
カイト:「引きこもりみたいな感じでやればいいのかな?」
ベリアス:「引きこもりがわかりませんが、」
ベリアス:「心を閉ざせるなら、それでお願いします」
ラミル:「心を閉ざしても、能力は隠せないんじゃない?」
ベリアス:「能力は仕方ありませんね」
ベリアス:「パラメータ数値を抑えられれば!」
ベリアス:「能力もパラメータ数値に関係しますので」
ベリアス:「パラメータ数値が低ければ、何も疑われないでしょう」
ベリアス:「しかし、皆さんが、どんな能力をもっているか」
ベリアス:「興味ありますねぇ〜」
ベリアス:「これからの旅にも影響ありますから」
ベリアス:「では皆さん、くれぐれも心を開放しないでください、閉ざしたください」
#ケーラが新しい水晶玉を持って戻ってきた。
ケーラ:「皆さん、申し訳ございませんでした」
ケーラ:「では、こちらの水晶玉でお願いします」
カイト:「はい」
カイトは水晶玉に手をかざしながら、
カイト:(あんな会社になんか行いきたくなぁ〜い)
カイト:(もうこの部屋からはでない、誰とも口聞かない)
カイト:(・・・)
カイト:(いつも思っていたことだから、イメージは簡単だけど)
カイト:(こんな感じでいいのかな?)
ケーラ:「はい、いいですよ」
ケーラ:「今度は正常に動作しました」
ケーラ:「こちらがあなたの登録カードです」
ケーラ:「お名前は、カイトさんですね」
ケーラ:「はいどうぞ」
ケーラ:「あら、これは・・・」
カイト:「どうかしましたか?」
ケーラ:「いえ、かなり個性的な能力だと思いまして・・・」
カイト:「そーなんですか?」
ケーラ:「良いとか、悪いとかそういう意味ではありません」
ケーラ:「すごく珍しいです」
カイト:「はい?」
ケーラ:「魔法は、重力系と時空間系だけ」
ケーラ:「耐性はかなり高いみたいですが、バランスが・・・」
ケーラ:「それにユニークスキルが3つも!」
ケーラ:「そ3つも、何の能力かわかりませんが・・・」
ケーラ:「ですが、ステータス値の方は・・・低ですね」
ケーラ:「頑張ってレベルアップしてください」
ケーラ:「パーティとしてのランクと個人のレベルは違うものですが」
ケーラ:「依頼を受け、その依頼を完了すると両方とも上がりますよ」
カイト:「はい、ありがとうございます」
ケーラ:「では、次の方、お願いします」
その後、ベリアス、マイラそしてラミルの順で測定し、それれ登録カードを手に入れた。
ケーラ:「皆さん、個性的ですね」
ケーラ:「パーティ全員がユニークスキル持ちだなんて」
ベリアス:(何かしくじったか?)
ケーラ:「すごいです、これから期待してます!」
ケーラ:「あの槍バカ兄弟とは違いますね」
カイト:「槍バカ兄弟?」
ケーラ:「いえ、何でもありません」
ベリアス:(ほっ!)
ケーラ:「ただ、皆さん!」
ケーラ:「光魔法が弱点なので、お気をつけください」
ケーラ:「弱点が同じだと、1発で全滅なんてこともありますから」
カイト:「光魔法ですか…」
ケーラ:「ええ」
ケーラ:「あっ、でもこの辺りで光魔法使う冒険者って聞いたことないわね」
カイト:「光魔法ってどういう人が使うんですか?」
ケーラ:「いい質問です!」
ケーラ:「主にキラナ教会の人達ね、それ以外はあまり聞かないわね」
カイト:「キラナ教会ねぇ」
ベリアス:「貴重な情報、ありがとうございます」
ケーラ:「わからない事あったら、何でも私に聞いてください」
ケーラ:「期待の新人現るだわ!」
ケーラは受付の奥へ入っていった。
カイトは他の3人に向かって、
カイト:「登録も終わったし、ゴメスさんの言っていたお店に行こう」
マイラ:「そうですの」
ラミル:「ひと角兎料理、どんな味でしょうね♡」
ベリアス:「どのように調理しているか興味あります」
ベリアス:「さっ!皆さん急ぎましょう」
ギルドを出て、ゴメスに言われたひと角兎料理の旨い店に向かう。
その道すがら、
ベリアス:「いやー、肝を冷やしました」
カイト:「ベリアスでもそんな時があるんだな」
カイト:「何事にも動じない、冷静沈着かと思っていたよ」
ベリアス:「私だって人間です」
他の3人:(悪魔です!)笑い
ベリアス:「何を笑っているんですか?」
ベリアス:「あ〜〜、今は人間です」
カイト:「見た目、変わっていないけど」
ラミル:「本来の姿が別にあるのよ」
ラミル:「でも、いいじゃない!ちゃんと登録できたんだから」
ラミル:「それにケーラさん、いい人そうじゃない」
ベリアス:「いや、只者ではないかもしれません」
カイト:「詮索はその位にしよう!」
カイト:「そのうち分かるさ」
カイト:「俺もケーラさんはいい人だと思うな」
マイラ:「そうですの」
ベリアス:「カイトがそういうのなら、そういう事にしておきましょう」
カイト:「それよりほら、あそこじゃねい」
ベリアス:「おお、そうですね、ゴメスさんが言ってた店」
ラミル:「何かいい感じの店じゃん」
ラミル:「お酒もありそうだし」
ベリアス:「飲むなとは言いませんが、羽目を外さないように」
ベリアス:「明日は冒険者として初仕事ですから」
マイラ:「初日に寝坊なんて、呆れますの」
ラミル:「おこちゃまじゃあるまいし、そんな事しませんわ(怒)」
マイラ:「む!(怒)」
カイトとベリアスは笑った。
4人は店の中へ入っていった。
店に入ってきた4人をゴメスが見つける。
ゴメスは中央の大テーブルに他の3人と座っている。
ゴメス:「おい、こっちこっち」
カイト達4人もゴメスに気づき、ゴメスのテーブルに向かう。
ゴメス:「さっき話したのが彼らだ」
僧侶姿の男:「ゴメスが大変お世話になりました」
僧侶姿の男:「僕はオースティンです」
オースティン:「キラナ教会の見習い司祭です」
オースティン:「こちらはキキ」
キキ:「・・・キキです・・・魔法使いです・・・」
オースティン:「この娘は恥ずかしがり屋なので、お許しください」
オースティン:「で、こちらがアリア」
アリア:「アリアだ、格闘家だ」
オースティン:「このお姉さんは、性格がサバサバしすぎているというか・・・」
アリア:「ゴメスを助けてくれたんだろ」
アリア:「もう仲間みていなもんじゃん」
カイト:(うぁ〜、こっちはこっちでまた個性的なパーティだなぁ)
カイト:(こっちも挨拶っと!)
カイト:「カイトです」
カイト:「職種はですね・・・」
カイト:(大魔王とは流石に!)
ゴメス:「さっき登録したばっかりだ」
ゴメス:「職種は決めかねていても仕方あるまい」
ゴメス:「だだ、カイトの剣術は目を見張るものがある」
カイト:「いやぁ、それほどのことも(照)」
ベリアス:「ベリアスです」
ゴメス:「彼は弓の達人だ」
ベリアス:「いや恐縮です」
マイラ:「マイラなの」
ゴメス:「彼女は魔法使いだ」
ゴメス:「火の魔法なんかすごかったぞ」
マイラ:「魔法は他にも色々使えますの」
ラミル:「ラミルよ」
ゴメス:「彼女は魔法とレイピアが使える」
ラミル:「他にも色々使えるわヨン♡」
ラミルはオースティンの方を見ながら体をくねらせた。
オースティンは顔を真赤にした。
アリア:「こいつは僧侶なんだ、勘弁してやってくれ」
オースティン以外は大笑い、オースティンは苦笑している。
アリア:「今晩の食事は楽しくなりそうだな、ハッハッハッハッ」
ゴメス:「そうだな、これは助けてくれたお礼だ」
ゴメス:「遠慮せず、やってくれ」
ベリアス:「では、お言葉に甘えて」
その後、会食は楽しい中続く。
ギルドの仕事の話になる。
オースティン:「あなた方は今日登録仕立てです」
オースティン:「小冊子にも書いてありますが、」
オースティン:「Eランクの簡単な仕事から始めなければなりません」
カイト:「ケーラさんもそんなこと言ってたっけ」
オースティン:「ゴメスの話からすると、あなた方の能力ではもったいない」
オースティン:「公共施設の掃除や迷子ペットの捜索」
オースティン:「歓楽街での客引き等です」
カイト:「そこから地道にやって行くしかないなら」
オースティン:「残念なんですよ」
オースティン:「大きな依頼があれば、我々が雇うことも…」
カイト:「いいですよ、明日ギルドに行って、依頼を見てから考えます」
#その後も盛り上がり、夜もふけ解散、各自宿の部屋で爆睡。
そして翌日の朝、
カイト:「さて、今日が初仕事!」
カイトは宿の部屋を出る。