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そこから先はカオスです  作者: 乃木 今心
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第1章 第3話 パティー結成

マイラはまだ意識朦朧状態

茂みの陰で起き上がり、その場に腰をおろした。


蝿:(ぶーーーーーんーーーーー)

蝿:(ぶーーーーーんーーーーー)

蝿:(ぶーーーーーんーーーーー)

蝿:(ぶーーーーーんーーーーー)


マイラは大量の蝿が茂みの前を通り過ぎる音を聞いた。


マイラ:(今のは何なのかしら?)

マイラ:(頭がフラフラしますの)

マイラ:(人の声が近づいて来ますの)

マイラ:(どうしましょう、とりあえず、この場に隠れるですの!)


マイラの前を二人の男が通り過ぎていく。


ベリアス:「まずは、どちらを目指しましょうか?」

カイト:「風の吹くまま気の向くまま!」

ベリアス:「はぁ・・・」

カイト:「細かく計画とか、しなくてもいいんじゃない!」

ベリアス:「行き先だけでも、お決めになった方がよろしいかと」

カイト:「それじゃ、一番近くの町でいいんじゃない(笑)」

ベリアス:「それならば、ブルジン共和国の一番西にある町、バルナックですかね」

カイト:「しかし、ここは真っ暗だね」

ベリアス:「えぇ、ここは深淵の森」

ベリアス:「陽の光を通さない暗い森」

ベリアス:「我々悪魔には心地の良い場所」

カイト:「真っ暗なのに普通に見えるのが不思議だよねぇ」

ベリアス:「???」

ベリアス:(悪魔なら当たり前のことですが・・・)

ベリアス:(時々不思議なことを言いますね)

ベリアス:「あっ、報告を忘れておりました」

ベリアス:「ベルゼブブ様の偵察部隊が我々より先に出立しております」

ベリアス:「何かあれば連絡があると思われます。」

カイト:「ベルゼの蝿かぁ・・・実はちょっと気持ち悪いんだよなぁ」

ベリアス:「それ、言い出したのカイトですよ」

ベリアス:「私は素晴らしいアイデアだと思います」

ベリアス:「あのような使い方、今まで思いつきませんでした」

カイト:「へぇ〜そうなの」


マイラは二人が通り過ぎるのを待った。


マイラ:(さっきの蝿は、ベルゼブブ様の使い魔なのね)

マイラ:(今のは2人は・・・1人はベリアスですの、とするともう1人は人間の姿になった大魔王様なの)

マイラ:(間違いないですの、ベリアスが大魔王様をおいて、人間などとあんな会話はありませんの)

マイラ:(このままにはしておけませんの、ベリアス1人だけには・・・)

マイラ:(私もお役に立つのです)


マイラはフラフラしながらコッソリと二人の後を追った。



この様子をもう1人、木の上から見ている者がいた。ラミルである。


ラミル:(何あの娘(怒)!)

ラミル:(勝手に大魔王様の後をついていっているのよ!?)

ラミル:(これでは、あたしの作戦が台無しよ!)

ラミル:(旅にはハプニングがつきもの)

ラミル:(困った大魔王様をあたしがお助けするでしょ)

ラミル:(『ラミアよくぞ助けてくれた、もうお前なしではいられない、ずっとそばにいてくれ』となるの)

ラミル:(題して『困った大魔王様をお助けして愛を独り占め大作戦』)

ラミル:(もう、こうしちゃぁいられないわ)

ラミル:(あの娘に遅れを取るわけには!)

ラミル:(ちょっと待って、あの娘はバンパイア)

ラミル:(昼間にこの森を出ることはできないわ)

ラミル:(森を出て野営できそうな場所に先回りね!)



ラミルは森を出てすぐのところに、野営できそうな場所を見つける。

木に登り周辺を見渡す。


ラミル:(今日はここらあたりで野宿するはずよ)

ラミル:(食料になりそうな動物もいるし)

ラミル:(野草や果物も豊富)


ラミルは木の上で待つことにした。



しばらくしてカイトとベリアスがやって来た。

ラミルは2人の行動を観察することにした。

2人は野営の準備をし、薪や野草など食べられそうな物を探していた。

カイトはイノシシを発見して狩りを始める。

イノシシ狩りにベリアスも加わる。



マイラが野営地近くに来たのは、辺りが暗くなってからである。


マイラ:(まいりましたですの)

マイラ:(森を出た途端、あの光・・・)

マイラ:(長年結界の中にいたので忘れていました)


マイラは陽の光のため中々森を出れずにいた。

日が沈むのを待って森を出たのである。


マイラ:(2人がどの方角へ行ったかわからなくなってしまいましたの)

マイラ:「我が眷属よ、我が目と慣れ」


マイラはユニークスキルである『吸血の眷属』を使った。

マイラの眷属である獣達、それら見ている映像が頭の中に入ってくる。


マイラ:(見つけましたの)


マイラは野営地の木の陰まで一気に走った。



野営地の木の上では、

ラミル:(あのバカ娘!)

ラミル:(何をしているの?)

ラミル:(これじゃ、見つかるでしょ!)

ラミル:(こっち、来ないで!)


マイラが隠れた木の上にラミルがいた。


とその時、ベリアスが木の陰に向かって、


ベリアス: 「そこに隠れて何をしているのですか?」

マイラ:「あーら、気が付いていらしたのね(笑)」


更に木の上に向かって、


ベリアス:「そっちも!」

ラミル:「さすがねぇ〜(笑)」



ここで時系列は元に戻る。


ベリアス:「それで、これからどうしようと?」

ラミル:「いや、その・・・」

マイラ:「あのですの・・・」

カイト:「まぁベリアス、今日のところは」

ベリアス:「ですが、このような勝手なことを許すわけにはいきません」


カイトは話をすり替えるように。


カイト:「いやぁ、お腹すいたね」

カイト:「今日は旅の初日にして、狩りに大成功、食材は大量だよ」

カイト:「せっかくだからさぁ、2人も食べていけよ!」

カイト:「キャンプは人数多いほうが楽しいでしょ」

ラミル:「まぁ、お優しい♡」

ラミル:「(小声で)ベリアスとは大違い」

ベリアス:「何か言いましたか?」

マイラ:「そっ、そうですね。」

マイラ:「せっかくのお心遣い、無にしてはいけませんのね」


4人は野営地で、焚き火を取り囲み、ベリアスの作った料理を食べ始める。


カイト:「いや〜、うまいね!」

カイト:「ベリアスは料理得意なんだ」

ベリアス:「はい、ハルマゲトン前は、ほとんど私がお作りさせて頂いておりましたが…」

ベリアス:「まだご記憶がはっきりなさらないのですね」

カイト:「そうだったのか、ベリアス」

ベリアス:「いえいえ、お気になさらずに」

ベリアス:「それより、そこの二人!」

マイラ・ラミル:「私達?」

ベリアス:「そう、あなた達です。」

ベリアス:「これ食べたら、素直に魔王城へ引き返してください」

マイラ・ラミル:「え〜〜〜!いやよ」

カイト:「ん〜〜、RPGだと大体4人のパーティだよね」

3人:「RPG??」

ベリアス:(時々不思議なこと言いますね)

カイト:「うん、別にいいんじゃねぇ」

ベリアス:「足手まといに」


ベリアスの言葉を遮るようにマイラが、


マイラ:「ちょっと失礼ですの!」

マイラ:「これでも私、水属性、電気属性それに土属性の魔法は得意ですの」

マイラ:「更に補助魔法も使えますの」

ラミル:「でもあなた、バンパイアでしょ!」

ラミル:「昼間は使い物にならないじゃない」

ラミル:「あたしの場合、その娘と違って昼夜関係ないわ」

ラミル:「火属性、風属性それに木属性の魔法が使えます」

ラミル:「それにレイピアも得意」

カイト:「マイラが陽の光に弱いとしても、その対策さえ取れば」

カイト:「2人とも、結構な戦力になるな」

カイト:「ベリアスも楽になるんじゃないか」

ベリアス:「そうだといいのですが」


ベリアスは2人に向かって、


ベリアス:「カイトが良いと言うので、私も認めますが」

ベリアス:「足手まといとわかったら、直ぐに帰ってもらいますからね」

ベリアス:「わかりましたね!」

ラミル:「はいはい」

マイラ:「足手まといにはならないですの」


#カイトはマイラに向かって、


カイト:「じゃ、マイラの昼間対策といこうか」

カイト:「ポルタ」


直径1m位の円が現れ、どこかの空間とつながる。

カイトは頭と右手を円の中に突っ込む。


カイト:「えっと、これこれ」


カイトは円から出てマイラの方を向く。

マイラとラミルは不思議そうに円を見つめる。


カイト:「今この円はねぇ、魔王城の宝物庫につながっている」

カイト:「そう、空間同士をつなげる魔法!」

マイラ:「そんなの初めて見ましたの」

マイラ:「聞いたこともありませんの」

カイト:「瞬間移動のキーニスは知っているか?」

マイラ:「聞いたことはありますの」

マイラ:「でも、実際するんですの?」

カイト:「もちろん、それに」

カイト:「ポルタはキーニスの簡易版なんだ」

カイト:「キーニスは一度行ったことのある場所へ瞬間移動」

カイト:「ポルタは一度行ったことのある場所と今いる場所の空間をつなげる」

カイト:「ただ、この世界、行ったことある場所が少なくて」

カイト:「魔王城くらいしか」

カイト:「ああ、そうそう、これ」

マイラ:「何ですの?」

カイト:「漆黒のローブ、漆黒の杖そして漆黒の指輪」

マイラ:(指輪ってまさか…)

マイラ:(プロポーズ??)

カイト:「これらがあれば、昼間も普通に外、出れるぞ」

マイラ:「私のすべてはカイトのものですの(照)」

カイト:「何の勘違いをしているんだ?」

カイト:(指にはめた漆黒の指輪を見つめて、人の話を聞いていない)

ベリアス:「その忠誠心、忘れないことですね」

マイラ:(忠誠心ではありませんの、愛、そう愛ですの)


マイラは頬を赤らめながら、まだ指輪を見つめている。


そしてカイトは、


カイト:「んじゃ、あとこっち!」


カイトはまた頭と右手を円の中に突っ込む。

カイトは円から出てラミルの方を向く、


カイト:「レイピアが使えて火属性魔法なら、このレッドレイピアかな」

カイト:「火属性魔法と相性がいい」

カイト:「それとこれ、氷の小盾」

カイト:「火属性魔法の使い手は水属性魔法に弱いとよく聞くが、」

カイト:「この小盾は水属性魔法を吸収する」

ラミル:「これをあたしに?」

カイト:「これで、いつでもお役に立てます」

カイト:「ありがとうございます」


マイラはカイトの腰の物を見て、


ラミル:「大魔王様、珍しい剣ですわね」

カイト:「これか?」

カイト:「これは太刀、名を胴太貫という」

カイト:「かの拝一刀(おがみいっとう)が持っていた太刀と言われている」

ラミル:「オガミ・・・」

カイト:「そして短い方は脇差、名を篭手切丸という」

カイト:「両方ともハルマゲドンより遥か昔からあったものらしい」

カイト:「よく手に馴染む」

カイト:(っていうか、日本人だから日本刀選んだけだが・・・)

カイト:「ベリアスには漆黒のアーチェリーと漆黒のサーベルを渡してある」

カイト:「どちらも、宝物庫にあったものだ」

ラミル:「宝物庫には珍しい品々がたくさんあるんですね」

カイト:「整理しきれていないな」

カイト:「アイテムボックスでも作って整理してみるか」

ラミル:「アイテムボックス?ですか?」

ベリアス:(またアイテムボックスなどという不思議なことを・・・)


カイトはマイラとラミルに向かって


カイト:「これから俺のことは『カイト』と呼ぶように、敬称もいらないよ」

カイト:「それから、あまりかしこまった話し方はよしてよね」

カイト:「我々は身分を隠して旅をしているのでね」

マイラ:「わかりましたの」

ラミル:「より親密な関係をご希望なのですね」

カイト:「いや、そういうことじゃないから!」



そして、夜は更けていった。


マイラ:「眠くなって来ましたの」

ラミル:(あんた、初めていいこと言ったわ)

カイト:(後は邪魔なベリアルをなんとかすれば)

カイト:(カイトと二人きりでこの夜を)

カイト:(って、なんだかあたしも眠くなって…)

マイラとラミルはその場で爆睡し始めた。

ベリアル:「やっと効いたか!」

ベリアル:「この二人がいると、面倒なことになりかなないので」

ベリアル:「眠り薬を一服、もっておきました」

ベリアル:「旅の初日、カイトもお疲れでしょうから、おやすみください」

ベリアル:「ここら辺りは、安全な場所ですし、二人も悪魔ですから」

カイト:「そうだね、じゃ、おやすみ」

ベリアル:「はい、おやすみなさいませ」

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