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そこから先はカオスです  作者: 乃木 今心
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第1章 第14話 洞窟攻略

一行はユムルの祠に通じる洞窟の入り口にやって来た。

完全に陽は落ち、辺りは真っ暗になっていた。


サイギョー:「洞窟探査は明日にするとして、今日はこの洞窟の近くで休むとしよう」

エリック:「夜露を凌ぐには、洞窟の中の方がいいと思うが」

オースティン:「そうですね、中に入ってみましょう」

サイギョー:「ダメだ!中に入るのは明日だ!」

カイト:「ここはサイギョーさんに従いましょう、何かあってからでは大変だし」

サイギョー:「うむ、そうの通り」

サイギョー:「おお、あの辺りがよさそうだ、人数も多いしな」


いつの間にか10人と1匹、大所帯になっっていた。

サイギョーは洞窟の近くで、広く場所が取れそうな場所を指刺した


カイト:「洞窟の中は窮屈そうなので、ここでいいじゃん」

アリア:「まぁ〜そうだよな、ゆったりと寝たいしな」

ラミル:「あ〜ら、あたしはカイトの隣ならどこでもいいわ♡」


ラミルはカイトの腕にしがみついた。


マイラ:「ちょっと、あなた、何してるのですか、カイトから離れるのです!」


マイラはラミルの髪を引っ張り、カイトから無理やり引き離した。

カイトはホッとし、チャッピーの横に移動した。


その間、ベリアスが、食事の支度をしており、出来上がったシチューを皆に配った。

シチューに舌鼓を打っているサイギョーに対し、ベリアスが聞いた。


ベリアス:「サイギョーさん、ユルムの祠にあるドリーゲートと古式魔法の関係ですが」

サイギョー:「詳しくはわからんが、関係あると睨んでいる」

サイギョー:「ユルムの祠まで、洞窟のトラップは古式魔法によるものと思ってほぼ間違いない」


話にキキが割り込んだ。


キキ:「サイギョーさん、古墳はご存知でしょうか?」

サイギョー:「古墳とな、これは驚いた」

サイギョー:「古式魔法は『古墳を保護するための魔法である』と聞いたことがある」

キキ:「古式魔法の事がわかれば、古墳の謎も・・・」

サイギョー:「その可能性は大いにある」

キキ:「私のおじいさん、古墳を研究しています」

サイギョー:「それは、是非会いたいものだ」


ベリアスが話を戻した。


ベリアス:「サイギョーさん、あなたは古式魔法をどのようにお考えなのですか?」

サイギョー:「まだ、はっきりとは言えないのだが、私が知る範囲では、」

サイギョー:「『コトマ』と言われる2つの呪文を組み合わせることで、術式が発動すると言われている」

サイギョー:「あのゴーレムもイシュワラ教団の管理する古文書『アメツキ』にあった呪文だ」

サイギョー:「命なき物に命を与える術式、となっていた」

カイト:「今もその古文書は、あるのですか?」

サイギョー:「恥ずかしながら、その古文書を読み解いたのは、私ではないのです」

カイト:「誰が?」

サイギョー:「イシュワラ教団の現教主、ランドルフ」

ベリアス:「どのような人物ですか?」

サイギョー:「謎の人物、とでもいいましょうか・・・」

サイギョー:「私も直接会ったことはないのです」

サイギョー:「ゴーレムの呪文も人づてに得た情報でして、もしやと思い唱えてみたのです」

カイト:「その呪文2つとも、西行法師が詠んだ句です」

サイギョー:「西行法師?最初に会ったときも、そのようなことを言っておったな」

カイト:「西行法師はハルマゲドンより遥かむかし、漂白の人生を歩んだ僧侶です」

サイギョー:「なるほど、僧侶であれば魔法も使えたのであろうなぁ」

カイト:(魔法?・・・法力ならあったかも(笑))

サイギョー:「カイト、何が可笑しい?」

カイト:「いや、なんでもない、今までの話、洞窟攻略のヒントになりそうだが・・・」

ベリアス:「そうですね、でも今日はこの辺にして、明日に備えて休みましょう」


ラミルの目が輝いたが、マイラの目に刺され、輝きを失った。


マイラ:(寝込みを襲おうと、しましたのね!そうはさせませんですの)

ラミル:(気づかれないように、後でこっそりと・・・)


各自、それぞれの思い思いの場所で寝た。

カイトはチャッピーもお腹あたりの枕に、尻尾を布団代わりにして寝た。

相変わらずラミルは寝込みを襲おうとカイトに近づくが、

チャッピーが振る尻尾で払われ近づけず、そのうちあきらめて、1人で寝た。



そして、翌朝、各自朝食を取り、一行は洞窟に向かった。

洞窟の前まで来ると、


サイギョー:「この洞窟は、入り口からして危険なトラップ」


エリックがサイギョーの言葉を遮り、言った。


エリック:「ここは俺が斥候役を引き受けるぜ」

ゴメス:「エリックだけに任すわけにはいかない」

アリア:「そうね、元々アタイらが受けていた依頼だしね」

ゴメス:「その上、このところ、全くいいとこなし」

エリック:「それは、俺も同じよ、さぁ〜行こうぜ!」

サイギョー:「おい、ちょっと待て!」


エリック、ゴメスそしてアリアはサイギョーの言葉を聞かず洞窟の中へ入って行った。

洞窟に入って直ぐに、『カチッ』という音がした。


ゴメス:「エリック、お前今、何か踏まなかったか?」

アリア:「おい、今、『カチッ』って・・・」


と次の瞬間、3人が立っている箇所の床が落ちた。

落とし穴のトラップである。


エリック・ゴメス・アリア:「あ゛〜〜」


3人は落とし穴に落ちた。


サイギョー:「だから、トラップがあるって言っただろ」


オースティンとキキが慌てて落とし穴のところまで駆け寄り、中を覗き込んだ。

エリックは落とし穴の側面を槍で刺し、片手でぶら下がり、

ゴメスが落とし穴の側面をトマホークで刺し、片手でぶら下がり、

2人の片手はアリアの両手を掴んでいた。


落とし穴の底は、針のように尖った岩が無数にあり、

相当昔に落ちたであろう白骨化した死体が突き刺さっていた。


オースティンとキキはホッとした。

サイギョーは呆れている。


なんとか、這い上がって来た3人に、


サイギョー:「人の話はちゃんと聞くように!」

3人:「スミマセン」


サイギョーは上を指差し、


サイギョー:「上を見ろ!ロープが張ってあるだろ」

サイギョー:「あれを使って、ここを渡るのだ」


エリックはロープを掴み、うんていの要領でロープを進んでいった。

ゴメス、アリアもエリックの後のに続いた。

エリックが半ば程に差し掛かったころ、『ドーン』という大きな音が鳴り響いた。

何が起こったかわからず、呆然としてロープにぶら下がっている3人が見たものは・・・


落とし穴の向こう側の横穴から出てきたカイト達パティーであった。


エリック・ゴメス・アリア:「え゛〜〜」

エリック:「何でお前が?」

ゴメス:「そこにいるんだ?」

アリア:「どぉして?」

カイト:「そう書いてあったから」


カイトは真顔で答えた。



時間は少し戻り、エリックが斥候を買ってでた頃、カイト達パティーは、洞窟の入り口、左側にいた。

カイトは何気なく手をついた岩壁に何かを感じた。


カイト:(ん?何だこの岩、この手触り)

カイト:(何か文字みたいなものが刻まれているな!)

カイト:(あれ、これ日本語?)

カイト:「ベリアス、ここに何か書いてあるな!?」

ベリアス:「いえ、文字のようなものは見当たりませんが・・・」

マイラ:「そうですの、何もありませんの」

ラミル:「そうねぇ〜、変な模様みたいなものがあるようにも見えるけど・・・」


カイトは岩の文字を読んだ。


カイト:「『洞窟の入口、落とし穴に注意』って書いてある」


どこからか悲鳴が聞こえてきた。


エリック・ゴメス・アリア:「あ゛〜〜」

サイギョー:「だから、トラップがあるって言っただろ」


洞窟の入口で何かあったようだ。

カイトは構わず、


カイト:「まだ先がある『安全な入口、こっち』左向きの矢印・・・」

カイト:「行ってみよう」


カイトは矢印の方向に向かった。


カイト:「あっ、ここにも文字が『この岩の出っ張りを押してください』スイッチか?」

カイト:「ポチッとな!」


『ガラガラガラ』『ドーン』という轟音とともに、入口が開いた。


カイト:「何か、こっちからも入れるみたいだよ」

オースティン:「カイトさん、なんですか?」

キキ:「あっち、行ってみましょう!」

サイギョー:「お前達まで勝手に、あの3人おいて行く気か?」


時間は元に戻り、ロープにぶら下がっているエリックはカイトに対し、


エリック:「そう書いてあるって、どおいうことだ?」

カイト:「『洞窟の入口、落とし穴に注意』って書いてあったから」


カイトの後ろから、次々人が出てきた。


ベリアス:「あれが文字ですか?文字には見えませんが・・・」

ラミル:「でも、カイトの言う通りで間違いなかったわ」

マイラ:「そうですの」

チャッピー:「ワン!」

オースティン:「いやぁ〜、あのロープ渡らずにすんで良かったぁ〜」

キキ:「ホントですね、私では無理です」

サイギョー:「こんな向け道があるとは、私も知らなかったわい!」


エリック:「サイギョー!お前まで(怒)」



カイト達一行は奥を目指した。

少し進むと、先頭を行くサイギョーが止まり、皆を制した。


サイギョー:「この先にトラップが仕掛けられている」

サイギョー:「左右の壁から、槍が突き出てくる」

サイギョー:「だが、大丈夫だ」

サイギョー:「槍の出てくるタイミングを見計らって進めば向こうまで辿り着ける」

サイギョー:「私の動きをよく見て、真似るのだ」


サイギョーは槍のトラップの中を進んでいく

サイギョー:「ここは、1・2・3のタイミング、次は1・2・3・4だ」


サイギョーの後にエリック、アリアそしてゴメスが続く。


サイギョー:「この突き当りまで来ればおしまいだ」


サイギョー、エリック、アリアそしてゴメスの順に突き当たりに到着した。

4人の体力は、まだ十分に残っている。

と、右側を見て4人は仰天した。


サイギョー・エリック・アリア・ゴメス:「え゛〜〜」

サイギョー:「お前さん達、なぜそこに?」

カイト:「『自信がない方はこちらへ』って書いてあったから、そこ通って来た」


エリック、アリアそしてゴメスがサイギョーを睨む。


サイギョー:「全員、無事にここまでこれてよかったなぁ〜」



一行は更に奥に進む。


サイギョー:「そこの壁だがな、」

ゴメス:「この壁がどうした?」


ゴメスは壁を数カ所、パンパン叩いた。

最後に叩いた時、『カチッ』という音がした。


ゴメス:「あっ!」

サイギョー:「だから、触るなと言おうとしたのに・・・」


轟音と共に何かが転がってくる。


カイト:「皆、こっちこっち」


カイトは『退避通路はこちら』と書いてある方へ皆を誘導した。

一方、サイギョー、エリック、アリアそしてゴメスは、

転がってくる球形の大岩に追われ、通路を全力で逆走していた。


アリア:「もうゴメス、余計な事して!」

エリック:「今は、そんな事言っている暇などない」

サイギョー:「左側だ、左側を駆け上がれ」


4人は左側にある細い通路を駆け上がった。


ゴメス:「ふぅ〜、なんとかやり過ごせたな!」

サイギョー:「やり過ごせたじぁない、人の話は最後まで聞け!」


とその時、下の方から、


オースティン:「皆さん、大丈夫ですか?」


他の者たちが涼しい顔をして4人を見上げていた。


カイト:「あのでっけえ球、もう戻ってこないから、降りてきて大丈夫だぞ!」


4人は恐る恐る下へ降りた。


エリック:「また、何か書いてあったのか?」

カイト:「ああ」

エリック:「そういうのは、先に言ってほしいのだが・・・」

カイト:「先に行くのはお前らだろ(笑)」

カイト:「それよりお前ら、この先宝箱のある部屋見つけたぞ」

カイト:「行って見ようぜ!」

サイギョー:「宝箱のある部屋?そんな部屋が・・・」



一行は宝箱のある部屋へ急いだ。


サイギョー:「こんな所に部屋が・・・」

アリア:「そんなことは良いから、早く開けようぜ」

ゴメス:「慌てるな!」

エリック:「アリア、お前独り占めにするつもりか!?」


アリア、ゴメスそしてエリックは宝箱のある部屋に入った。

そして、アリアが宝箱を開けた。

その途端、部屋の入口に結界が張られ、先に入った3人以外、部屋に入れなくなった。

なんと、宝箱はミミックだった。


エリック:「アリア、お前が独り占めにしようとするから・・・」

アリア:「そんな事思っていないさ」

ゴメス:「くるぞ!」


3人は戦った。

ミミックの回復魔法に手こずったが、それほど強くはなかった。

時間はかかったものの、3人は無傷でミミックを倒した。

ミミックが守っていたお宝は透明な魔石であった。


アリア:「何だ、この魔石?」

ゴメス:「確かに、初めて見る」

アリア:「なんだよ、苦労したのに、使い物にならないとは」


結界がとけて、部屋から出てきた3人にカイトは

カイト:「その魔石がどうした?」

エリック:「赤なら火の魔石、茶色なら土の魔石って言うように」

エリック:「各属性に対応した色が付いているはずだが・・・」

アリア:「これじゃ、ただの石っころと変わらねぇ〜な!」

カイト:「なにかの役に立つかもしれないじゃん」

アリア:「じゃ、やるよ」


カイトは『透明な魔石』を手に入れた。



一行は更に進み、ある部屋の前に立っていた。

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