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【6.王妃様の外遊②】

(あれ、芽が出てる)


カルーガへの道中。

護衛という名目で同行させた尚書と別れたトゥーラの新米王妃は、古いオークの切り株で足を止めると、外周から生える逞しい生命力に目を止めた。


切り株となっても、その根はしっかりと生命(いのち)を繋いでいる――


不意に現れた頼もしさに、リアの頬が思わず綻んだ。


彼女の両足が乗るほどの切り株から西側が、カルーガという認識だ。

尤も、明確な境界線などは無く、目星という程度のものであった――



「ん?」


再び歩き始めると、視線の先に気配を感じた。


「アレッター!」


やがて白樺の木々を縫うように、地面の起伏を気にすることなく、男の子が全速力で跳ねるようにやってきた。


「ウィル!」


名前を口にする。ウィルはもう眼前に迫っていた。そんな速さが羨ましい。

歳は十代の前半辺りか。同年代の子供に比べると体格が良く、腕もむちっと太い。鍛え上げたなら、立派な兵士になりそうだ。


「おかえり!」

「ただいま」


元気な挨拶に、新米王妃は柔らかな笑顔で応えた。


「ウィル、大きくなったわね……もう、抜かれてるかも」

「アレッタ、少し前に一回来たんだろ?」


リアの発言に反応するでもなく、ウィルは興奮気味に蓋をした。


「え? う、うん。誰かに聞いたの?」


突然の質問に、たどたどしくリアが答える。


「ううん。アレッタの、髪の毛を見つけた!」

「そ……そう。ごめんね。時間が無くて」

「今日、会えたから大丈夫!」


元気な笑顔が再び返ってくると、リアもニコッと笑顔を返した。

心からの歓迎に、気分が悪い筈もない。


(髪の毛、気を付けないとダメかな……)


一つを思いながら、耳元を流れる髪にそっと左手を添えてみる。

普段から、癖のある赤みの入った髪の毛を、背中に掛かるほどに伸ばしている。


(これからは、後ろで結ぼうかな? ……でも、ロイズが嫌がるかしら?)


ふと、置いてきた伴侶を想った。


「リアのふわっとした髪、好きなんだよね」


ある日の夜、細い撫で肩をロイズの胸板に預けると、心地よい声が耳に届いた。

当時の甘い情景を浮かべたリアの頬は、思わず綻んだ。



「アレッタ?」


急に動きの止まったリアに対して、ウィルから不思議そうな声が掛けられる。


「ああ……ご、ごめん。行こうか」

「うん」


我に返って謝って、先を急ごうと促すと、ウィルが笑顔を(たた)えて嬉しそうに一歩を踏み出した。


旅の親子から仲の良い姉弟(きょうだい)へ。

春の訪れを告げる諸所の変化すら愉しんで、二人の足は揃って西へと進むのだった――



トゥーラからガルーガへの道中は、緩やかな起伏に混在する林の中を進み往く。


遠くは十字軍の遠征によって、或いはルーシの諸公国の紛争によって、西から東へと、多くの人が安寧を求めた路である――


10代半ばの機動力は物凄い。

春の訪れを歓迎する草木たちを次々と背にするウィルとは違って、朝から歩みを続けるリアの体力は、随分と減っている。

それでも最後の林を抜けると、やがてリアの故郷、カルーガの村が視界へと飛び込んだ。


「やっと着いたぁ!」


村の東端の畦道で、諸手を上げたリアが叫びながらへたり込んだ。

朝におはようと告げた太陽は、殆ど地平線の向こう側。およそ王妃の行程とは思えない。


「アレッタが遅いから、こんな時間になっちゃったよ……」

「ごめんね。今度は馬で来るわ」


遊ぶ時間が消えたから。ちょっと不機嫌なウィル。

リアは達成感から麦わら帽子を剥ぎ取ると、疲れた表情の中にも、精一杯の笑顔を浮かべて謝罪の言葉を口にした。


「……」


ほの暗い緑が映える畦の上。帽子の下に隠されていた柔らかな髪の毛が、風に遊ばれてふわっと広がった。

ウィルの知らない大人になった女性の姿が、傾いたオレンジ色を背景にして、輝くように浮かんでいた――


少年の、胸の鼓動が止まった――


「ううん……楽しかった……」


初めての性を抱く。惚れたウィルは、頬を赤らめて呟いた。


「ありがと」


優しい言葉を耳にして、小さな王妃は微笑んだ。


当然ながら、熱を発した彼の胸中を、察することもなく――




カルーガは、全長半キロにも満たない小さな村。

ヴァティチと呼ばれる森の中。東スラブ民族の、居住地の一つである。


村の西側を北に向かって流れるオカ川が東へと向きを変えると、やがてトゥーラの北方60キロを進み、リャザン公国の北西を掠めてヴォルガ川へと流れ往く。


西の戦火を逃れた人々が、天然の要害となるオカ川を渡ったところで安息を求めたのだ。

更には太古の時代。東へと進む者たちが、肥沃な森を安住の地と定めたのかもしれない――(*1)


「さて、行くか」


地平線の向こうに太陽が隠れると、村を暗い(とばり)が呑み込んだ。

手を振りあってウィルと別れ、彼が家に入るまでを見届けると、意を決するように新米王妃は立ち上がった。


「さすがに、寒いな…」


寒暖差の激しい季節。川幅15メートルにも及ぶオカ川を渡った風が届くと、途端に寒さが襲った。

思わず二の腕に手をやって身震いを一つ表すと、彼女は向かう先へと一歩を踏み出した。



「ここに来ると、いつも緊張するな……」


丸太で組み上げられた民家の敷地に足を踏み入れると、リアが呟いた。

続いて年季の入った木製の扉を前にして、両足を揃えたままで突っ立って、暫くの時間を稼いだ。


「早く入れ」


気配を察知されたのか、中から渋い男の声がした。


「あ、はい」


ビクッとなって、背筋が伸びる。それでも催促されたことで、迷いが消えた――


「アレッタ、入ります」


意図して滑舌の良い声を発すると、背丈より高く作られた、厚い扉を押し開けた。

ギギッと懐かしい低音が、冷え切った彼女の耳の奥へと心地よく注いだ――


「ルシードさん?」


そろりと家の中に足を置く。最初に飛び込んできたのは、料理中と思われる男性の大きな背中であった。

煤で真っ黒になった暖炉から生まれる赤い炎に照らされて、剃られた丸い頭が綺麗な輪郭を浮かべている――


「疲れたろ、先ずは食べなさい」


男は声を掛けながら振り向くと、右手に持ったスープの入った木製の器を、リアとの間に置かれた低いテーブルの上にことりと置いた。


胸板の厚い体躯に似合った、雪焼けした丸い顔に太い眉。ギョロッとした黒い(まなこ)

リアとは親子ほどの年齢差であったが、仮に親子だと言われても、誰も信じないであろう。

それほどに、二人の間に共通点は見当たらなかった――


「あ、ありがとうございます」


リアが小さく頭を下げながら、恐縮して口を開く。


「はやく、座りなさい」

「は、はい!」


立ったままルシードが促すと、リアはようやく足の短い一枚板のテーブルの前に置かれた、丸太の椅子に腰を下ろした。


「王妃様が座る前に、俺が座る訳にはいかんだろ……」

「あ……」


呆れたように口を開いて、ルシードが続けてリアの正面に腰を下ろした。


「さあ、出来立てだ。はやく食べなさい」

「はい……」


促され、木製のスプーンを手に取って、スープを掬うと、ゆっくりと口へと運んだ。


「昔と、同じ味だ……」


道中で、口にしたのは水と乾パンのみ。

柔らかな野菜の味が染み渡る。呟いたリアの目尻から、一筋の涙がこぼれた。


「おいおい、大袈裟だな!」

「だって……」


言いながら、華奢な右手で涙を拭った。


「無理を、聞いてもらったから……」

「その話は、後でいい。先ずは食べて、少しは休みなさい」

「はい……」


ルシードが促すと、項垂(うなだ)れたリアは赤みの入った頭を更に下へと落として、聞き分けの良い幼少期に戻った――




「落ち着いたか?」


暖炉の前。膝を抱えたリアが眠りから目覚めると、夜もすっかり更けていた。

リアが頭を起こしたことに気が付くと、ルシードはのっそりと立ち上がり、白い湯気の昇る手のひら大のカップを、厚手のシーツに包まった身体に差し出した。


「はい……ありがとうございます」


小さな王妃は、コクと頷いて温もりが伝わるカップを両手で受け取ると、熱さに気を付けながら口へと運んだ。


「あ……これも、懐かしい……」


中身は蜂蜜を、熱い湯水で溶かしたものである。(*2)

ハチミツは、それぞれの土地の花弁の蜜を、ミツバチが運んで作るのだ。


故郷の優しい口当たり。

冷え切った、寝起きの身体の奥深くへと染み渡る――


「美味しいか?」

「うん…」


背中を丸めたままの王妃が短く答えると、強面の目尻が思わず下がった。

彼の優しくなった瞳には、子供の頃のアレッタの姿が覗いた――


続いて熊のような身体が立ち上がる。

ルシードは(かまど)に幾つかの薪を()べると、火の勢いを増してやった。


寝起きで震えるリアの身体に、一層の温かさがやってくる。

子供の頃と変わらない大きな背中を眺めると、彼女の頬が綻んだ――


「お礼だけでも言いたくて、今日は来ました」


広い背中に向かって、思い切った口調でリアが伝えた。


「ああ……」


ルシードは、短く答えるも、背中を向けたままだった。

それでも暫くすると立ち上がり、振り向きざまに呟いた。


「おまえ達への、お祝いだ」

「……ありがとうございます」


新米王妃は瞼を閉じると、先ずは感謝を口にした――



「それで、カルーガは、大丈夫なんですか?」


丸太の椅子に座ったルシードに、暖炉を背にしたリアが心配そうに尋ねた。


先の戦いで、カルーガがトゥーラに付いたという実態は、確信は無くとも疑念を生むに違いない。

三者の釣り合った関係の崩壊は、本意では無いのだ。


「恐らくな」


太い手指がカップを掴むと、ルシードが口に運んでから続けた。


「それでもな……暫くは、スモレンスクに傾く事になるかもな……」

「はい……」


脅しのような発言は、代償に他ならない。

新米王妃は、覚悟を胸に灯すしかなかった――



それは、争いが起こる前のこと。


「スモレンスクに、不穏な動きあり」


西からの報告に、リアは急いでカルーガにやってきて、ルシードを訪ねたのだ。

馬を駆ってきたにも関わらず、この日も着いた頃には夜の帳が降りていた――


「ルシードさん!」

「アレッタ!? どうした? 今は、戦いに備えねばならんだろう……」


(いくさ)の気配に、カルーガの地は敏感だ。

少なからず心配をしていたルシードは、薪を運ぼうと外に出向いたところで当の本人が現れて、思わず驚きの声を発した。


「お願いします! 今回だけ、手を、貸してほしい!」


大きなローブを羽織ったままで、小さな身体は両の膝を地面に落とすと、息を切らしながら訴えた。


「……話だけは、聞こう」


大きな瞳の懇願に、ルシードはギョロッとした(まなこ)を閉じて暫く時間を置いてから、観念したように呟いた。



「厳しいのか?」


家屋に移動して、小さな身体に座るよう促すと、机を挟んで向かい合う形で座ったルシードが、木製のカップに水差しから水を注ぎながら尋ねた。


「……トゥーラは、小さいとはいえ、戦い慣れた城。簡単に、崩れる事はありません」

「なら……」

「でも!」


ルシードの発言を、リアは咄嗟に退けた。


「私は、人が死ぬのを見たくない!」


続いて右手を胸に当てながら、強い口調で訴えた。


「……相手なら、殺しても良いのか?」


対してルシードは、冷静さを保って訊き返した。


「そうは言ってない……でも、私たちは、暮らしてるだけ! 違いますか!?」

「……」


真っすぐに、リアが訴える。

幼稚な正論には違いない。それでも、揺るぎない本心である。


「分かった。お前の事だ。カルーガにとっても無茶な事は言わないだろ」


暫く考えて、ルシードは覚悟を口にした。

小さな身体が単独で、少年に化けて70キロを駆ってきた。相当な思いである事は間違いない。


危ない橋を渡るのは、類稀な才覚を認めるから。

争いを望む性格で無いことも、十分に理解をしている――


彼もまた、大地に朽ちる(むくろ)の数を、数えたくはないのだ――



「それで、何が望みなんだ?」

「ここに、記してきました」


予め用意してきた紙片をリアが差し出すと、ルシードは左手で受け取って、ギョロッとした(まなこ)を動かした。


「無茶な所があれば、直します」


真摯な態度で、リアが重ねて口を開いた。


「そうだな……」


やがて、読み終えたルシードが呟いた。


「俺のところと、もう一つ。それに、ウィルのところでなんとかなるか……」

「ありがとうございます!」


喜び勇んで立ち上がる。

赤みの入った髪を揺らして、リアは深々と頭を下げるのだった――



「それにしても、ロイズが国王、お前が王妃。ワルフが高官か……」


三人の成長を見守って、リャザンへの道を促したのは彼である。

しかしながら、誇りもせず、ルシードは淡々と名前を並べた――


「すみません……」

「お前が、謝る事はない」


落ち着いた声。ルシードは、白湯の入ったカップへと、ごつっとした右手を伸ばした。


「望んだ訳でもなかろうに……」


三人共に出世した――

しかしながら、出世欲の一番強かったワルフが高官止まりなのは皮肉だろうか――


口角を僅かに上げながら、ルシードは木製のカップを傾けた――



夜が深まると、リアは久しぶりにルシードと枕を並べた。

子供の頃から時は過ぎ、二人の間には隙間がある。


羽毛の入った柔らかな寝具と違って、故郷の藁から感じる床の固さは懐かしく、むしろ心地がよかった。


「ウィル、大きくなってた……」


感慨深い。狭くなった屋根を眺めると、リアの小さな声が響いた。


「お前達が出て行って、5年にもなる。大きくもなるさ……」

「そうですね……」


同意を挟んだ王妃は、小さかったウィルが、カルーガの地にやってきた当時を思い出していた――



ある初夏の朝。

リアとロイズが机を挟み、向かい合って丸太の椅子に座って朝食を食べているところに、コンコンと扉を叩く音が聞こえた。


「誰かな?」

「隣の、ローリです。入りますよ」


ルシードが首を伸ばすと、返事があって、やがて扉が開いた。

ロイズは構わずパンにかじりついていたが、リアは左に向けた視線の先に、小さな人影が在るのに気が付いた。


「どした?」


動きの止まったリアにロイズが気付き、不思議そうに顔を上げると、今度はリアが向いている視線の方へと目をやった。

すると隣のおばさんに右手を握られた、伏し目の男の子の立ち姿が覗いた――


おばさんの腰に身体を寄せて、見るからに不安を表している。


「おばさん、一緒に遊んでもいい?」


唐突に、目の前のリアがパンを右手に持ったまま、ガタッと腰を上げて赤みの入った髪を揺らすと、男の子の方へと足を進めた。


「ああ。いいよ」

「行こう!」


答えが届くより先に、リアは男の子の左手を掴んで引き上げて、外へと連れ出した。


「これ、あげる!」


続いて、持っていた丸パンを男の子に渡そうとした。

男の子はキョトンとしていたが、やがて手を引かれるままに右へと動き、ロイズの視界から姿を消した――


「待ってよ!」


取り残されたロイズが、慌てて後を追う。

リアとロイズも数年前、この村へとやってきたのだ。


見知らぬ土地で、見知らぬ大人が小さな手を掴んで引き歩く――


それが例え大人の善意でも、子供には、不安しかない事を知っている――


 ここは 大丈夫だよ――


何よりも、少女は安心を伝えたかったのだ――



「あの子は、お前達に救われた……」


薄暗い屋根の下、感謝を込めたルシードの言葉が響いた。


当時のワルフは15歳。ロイズは11歳で、リアは10歳だった。

そして、ウィルが5歳。


それから三人で、時にワルフも加わって、一緒に野山を駆け回った。


それでも日々の別れ際、少年はいつでも寂しそうだった。


それがお姉ちゃんだったリアの心に焼き付いた、彼の姿である――


「私は、ルシードさんに救われました……」


大きな琥珀色の瞳が、天井に向かって呟いた。


「……」


しかしながら、返事はない。


微かに零れる星明り。

懐かしい故郷(ふるさと)の空気は、王妃となった小さな身体を、やがて深い、穏やかな眠りへと(いざな)った――




「ちょっとぬるいけど、いい湯だ~」


同じ夜、カルーガの奥手に在る宿で、白い雲がぼんやりと浮かぶ星空の下、痩身でありながら引き締まった体を温泉に浸けるラッセルの姿があった――



「一人は、心細いよ、リア……」


一方トゥーラでは、ロイズが一人の寂しい夜を過ごすのだった――

*1 日本人のDNAはシベリアを渡ったブリヤート人との親和性が高いとの研究があります。

 アフリカを起源として、大陸を東へと進んだ者たちが、日本人の祖がそうであったように、豊かな森で狩猟生活を行ったのでは無いでしょうか?

 ウクライナでは土着の神を祝う。例えば夏至の時期に水浴びをして悪霊を祓う「イワン・クパーロの祭り」という風習が現在でも残っています。八百万の神を敬う日本人との親和性を垣間見ます。


*2 この時代、クワスと呼ばれる古代スラヴ語で「発酵」を意味する微量なアルコール分が含まれる飲料水が使われていたそうですが、当小説では「水」と表記します。


お読みいただきありがとうございました。

感想等、ぜひお寄せください(o*。_。)o

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