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零章<寂しい誓い>
まだまだ未完成ですが、少しずつupできればと思っています。
沈んでいく、最初に感じたのはそれだけだった。何も見えず、触れる物もない暗闇の中でやがて溶けるような熱に襲われる、身体も意識も溶けて、溶けて、どこまでも溶けていく。なのに何故か安堵している。その理由を理解しようにも思考できない、消えていく、何処かから声が聞こえた、
「必ず、帰ってきて。」
どこからが聞こえる枯れた、泣いているかのような知らない筈の悲しみの声に酷く心が軋んだ。駆け寄りたい、言葉を尽くしたかった、その声には笑っていて欲しかった。知りもしないのに…
しかし体も口も感覚すらない、だが言葉ではなくこの魂にに誓って、必ず、帰る。
独りよがりでも、この誓いだけは必ず果たすから、、待っていてくれ。沈みきるその瞬間、“彼女”の涙が頬を伝った気がした。