サトウ・ショウ・サーガ・オリジン・プロローグ・序(以下略
世界は理不尽である。抜き打ちテストに足りない単位、怖い先生に気に入られるやつ疎まれるやつ、休日出社に駆り出されるやつ残業するやつエトセトラエトセトラ…
人生とはなんぞやと、心の底から思うようなことが連続して起こる。
楽しいことだけして生きるのは元より、楽しいことをする時間すら見つけられない生き地獄。こんな世界に誰がした。
なーんて、危ない哲学思想を頭の中で堂々巡りさせる事早十分。
俺こと稀代の聖人にして最強の異能使い(暫定)佐藤笑は、春休みの宿題と称して出された問題の山に頭を悩ませるのであった。
ぶっちゃけ普通の勉強は良いんだよ。でも自分の能力を数値化ってどうすんだこれ……と、頬杖をつく。モチモチのほっぺたは、我ながら気持ちが良い。
SNSをシュッポシュッポと更新し続け、更新が出来なくなったのでボヤッと窓の外にある喧騒へ目を向ける。電光掲示板には炭酸飲料水のCMが流れ、その横を電気魔法の応用で浮遊したボードが横切った。瞬間移動のポータルの近くでうさぎの獣人が死んだ目でテッシュ配りしてるし、チーター型の獣人がスピード違反で切符切られてる。
……さて、そんな割とありふれた世界で、異能と言う名の特殊能力を持った俺こと佐藤笑が行くスペシャルファンタジー。ギャグキャラは死なない。間も無くスタートです。