第一章 二話 パーティー編成
「次は埋めるわよ」
この言葉が耳に届いたと同時に腹部に重い一発が入った。
こんクソ野郎…
…出だしは順調(?)だ。運よく(?)B+のギルドに入れることも決まったし…お腹すいたなぁ…
「ところでアインさん」
「アインでいいわ。なによ」
「入団金ってやっぱ払わなきゃだめですかね」
「当たり前でしょ」
「っすよねぇ~…」
…僕は立ち止まった。すっかり夜になり僕はアインと歩いてギルドについて軽く質問をしている。
宿屋もとってない。メシも食べていない。やばい。これからぺったんの家に泊めてもらえたりしないかなぁ~…
あれ?
「アイン、今どこに向かってるの?」
ぺったんが呆れた顔でこちらを見てくる。
「ギルドに決まってんでしょうが…」
もしかして…
「ギルドって…メシ無料…?僕が泊まれるところあります…?」
「あれ、あなた勇者ギルド組合法知らないの?」
「なにそれ」
「…はぁ。呆れた。ルカってなにも知らないのね」
ごめんな。ほんと呆れるよな。でもジト目可愛いからご褒美にしか…
「ごめんなさい」
「少なくとも、勇者ギルドのカードを提示すれば公共サービスであれば基本的には無料でいけるわよ」
「カード下さい」
「ギルドについてから、ね」
いいこと聞いた。これは勝った。ルカさん大勝利。
こりゃ勇者ブームきますわ。無料って…おま…
「そういやルカ君って何ができるの?」
「どういう意味ですか?」
「魔法は使えるの?見たところその背に掛けている剣しか見当たらないけど」
「魔法は身体強化の初級系しか使えません。剣は軍を退役した父に教えてもらいました。」
魔法…魔法を使うには魔力が必要であり、魔法の難易度に合わせて使う魔力も違ってくる。
魔力の多さは素質。魔法の精度は想像力。ちなみに僕は女神の加護を受ける際、少ししか魔力を授かることができなかったので、せいぜい筋力強化、俊敏さの倍増などしか使えない…が世の中の魔法使いには炎や水、さらには心まで操ることができるという。こわいこわい。
「ふーん。ルカのお父さんって何て名前なの?」
「グリアス・ロアっていう人だよ。」
「え?」
「ん?」
「いいえ、なんでもないわ。良かったわね。」
うん。なにが?
「さ、ここが私のギルドよ」
でけぇ…
豪邸…というか最早お城じゃね?
そこには門があり、門を開くと玄関までの一本道。一本道の両端には噴水と花畑があり、
そこには赤、青、黄、緑、紫、白…と色鮮やかな花が飾られている。
建物は白く左右対称…。流石B+…
「ただいま。今日は新しいメンバーを連れてきたわ」
「おかえりなさいアイン嬢様。そしてそちらの方もよろしくおねがいします。」
そこには執事服を着ている男が一人いた。
黒髪に黒目。耳が尖っている。亜人族かな。
お嬢様なんだ、ふーん。
「えっと、その、これからよろしくお願いします。」
「私の名前はクロナ・モゼリア・ドーマといいます。なにか分からないことがあれば教えてください。」
…まともだ!やったwwwiiiiiiiiiiiiiiiiiinnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnn
そこのぺったんとは違うかったぞぉぉぉぉォォォォ
…ふぅ
「僕はルカ・グリアスといいます。よろしくお願いします。」
「良い名前ですね。明日からよろしくおねがいします。」
なーんか、さっきも同じこと言われたような…デジャヴ?
「あ、そうそうルカ、明日からクロナとパーティー組んでもらうから」
ふぁ?
「え、いやちょっと説明…」
「説明は明日するわ。まあ今日は寝なさいな。」
…そうだな、今日は色々あった…うん。寝よう。
「じゃあおやすみ、ぺったん」
パキャ…
湿った木の棒で焚き火をするような音が館に響いた。
…メシ食ってねえじゃん…………
朝起きると、ギルドのメンバーと一人一人挨拶。
名前は覚えれない。
そして、同じ部屋で暮らすことになったクロナ。イケメン。
イケメンと迎える優雅な食事。おいしい。
このギルド、よく見ると亜人族がちらほらいる。そして亜人族は美人やイケメン率が高い。
不 公 平 な 世 界
ま、いいけどね。そんなことより俺は昨日のことをよく聞かなきゃ…
アインは僕の部屋で僕の剣を見ていた。
「剣に興味あるの?」
「いや、なつかしいなって…」
剣でも使ってた時期があるのか?まあいい、そんなことより
「アイン、昨日のことなんだけど…」
「…パーティ編成はわかるわよね?」
「ああ、魔法の使える支援役と近接戦闘をする役の組み合わせで構成するチームだろ?」
「…まあ、基本はそうね。それでね、クロナは魔法使いなの。それでルカは剣使いでしょ?」
「でもパーティって二人なの…?」
「私はソロだったわ」
聞いてねえよ
「まあ、クロナで満足しないなら足せばいいじゃない」
「やめろその言い方。なんか誤解される…」
「まあそんなことはどうでもいいの」
そんなことって…俺には重要なんだが…
「入団金の30万z払え?」
「三十…?」
僕の所持金4万だぞ…
「なに?払えないの?まさかとは思ったけど」
「…ちょっと値引きとか…」
「まさか、うちのギルドのベッドを使って、ご飯も食べたうえで言ってるんじゃないでしょうね?」
くっそ…このぺったん…
「まあいいわ」
え?いいの?貧乳はステータスだよね。希少価値だよね。
「私に借金という形でいきましょう。」
嘘だよこのウォールパイ野郎…胸にもなりそこえなかった物体がよぉ…
「では正式にあなたを勇者ギルド゛ルリアス゛の勇者と認めます。はい、これ勇者カードね」
…まあいいや。
「んで、僕は何をすればいいの?」
「うーん。薬草の収集をしてくれたらいいわ」
雑用か。うん。知ってた。
「暇になったら討伐系の依頼を受けてもいいわよ」
アインだいちゅき♡
「分かった。じゃあ行ってくるよ。」
「行ってらっしゃい。討伐系は自分に合ったものを選ぶのよ?」
「分かってるって」
…部屋に戻ってクロナに僕たちのすることを話すと、薬草について色々おしえてくれた。
薬草には三種類あり、
感覚機能のマヒや人体に害を与える毒系の薬草
特定の素材と調合し、ポーションとして活躍する薬草
そして、魔力の元となる魔素を発生させる薬草
食用の草をアインに持っていくと喜ぶので、何かお願いするときは持っていると便利なこと。
僕たちはイングランド王国東部にある森へ出かけることにした。
キャラ紹介
ルカ・グリアス
誕生日/六月十二日/15才
人間/男
アイン・ルリアス・グレイ
誕生日/八月九日/19才
亜人族/獣人族/女
クロナ・モゼリア・ドーア
誕生日/十二月一日/16才
亜人族/耳長族/男
Grimonauts第二話をお読みいただきありがとうございます。
趣味でやってみると割りと楽しいですね。こういう勇者だ魔王だという話は夜に書くと
一気に進める気がします。一話2500文字ちょっとで作っていこうと思います。
では(ノ)・ω・(ヾ)