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書き換えられた世界
本の改変は俺の家にある本だけではなかった。
ネットで調べても、本屋さんや図書館で読んでも変わらなかった。
「なんでだ、なんで変わってしまったんだ」
「お客様、図書館では静かにしてください」
「あっ、すみません」
図書カウンターの人に怒られてしまう。
「なにが起こっているかわからないけれどいったん帰るか」
俺は帰ろうとすると
「奇声発してる人がいると思ったら翔一じゃない」
「お前はめぐみ」
茶髪ショートカットで俺の幼馴染の鈴川めぐみが俺に話しかけてきた。
「それが童話の終わりが変わってしまったんだよ」
「どれどれ」
少女は俺が手に持っている白雪姫を覗き込む。
「ふつうじゃないの?おきさき様と」
まじかよ。
改変されたのは、本だけじゃなかった。
人の記憶も書き換えられていた。
どうなっているんだこの世界は。
何が起こっている。