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鍛冶屋街と猫耳女子

思いのほか遅くなってしまいました、申し訳ありません、

毎日すこしづつ書くのはどうも性に合わないみたいです。

おかげで短くなってしまいました。

「ドレイクさん、セレンス村の奪還作戦はいつ行くの?」

「殿下のワイヤードランスが完成次第向かうことに成るかとは思いますが。」

「ああ、そっか倭の国に行って作ってもらわないと駄目なんだね、じゃあ、俺もメイアリアも学院さぼっても差し支え無いから早速カエサルさんに送って貰おうかな。」

そういうとドレイクさんは頭をボリボリかきながら。

「いえ殿下、一応教員のわしに思いっきりさぼっても差し支え無いと言われましても返答に困りますが。」

「あ、そっか、あっははははははは・・・。」

まずい見た目がこんなに厳ついおっさんだから忘れてたけど、この人も先生なんだったw

「まあ、彼奴等の船はわしが燃やして沈めておきましたので万が一にも魔導王朝に戻っている事も有りますまい。」

つうか斥候で船燃やして沈めるってどんだけ仕事速いんだよこの人!!

でもなんでだろうなードレイクさんて龍族の割に結構老けてるよな、基本龍族に生まれると老化はしないはずなんだけど・・・。

「む、殿下わしの顔に何か付いてますかな?」

「いや、違う違う、なんかドレイクさんて他の龍族とイメージが違うなーって思ってただけ。」

「ふむ、まあ、それもそうでしょうな。」

おや、なんか理由があんのかい!?

「わしは、この通り龍族としての覚醒が不十分なので普通の人と同じく老化が早いのですよ。」

そうだ、確かにドレイクさんは片方の瞳だけが赤くもう一方の瞳は茶色だし髪の毛は赤みがかった茶色だ。




・・・




とまあ、こんな暢気な会話をしているが、目の前ではことりとカレンが俺に触るなとかお互いをののしり有ってたりするのだが・・・(汗)

 

 どうやら俺の近くに女子が増える事実をどこからか聞きつけたカレンとことりがちょうど俺の前で鉢合わせしてしまって、揉め始めてはや10分、もうちょっと大人に成ろうよカレンと思っていると、地味に漁夫の利よろしくユリエがドレイクさんを伴って現れたのでこんな会話になったのだが。


 まあ、ことりは騎士学院に居れば安全だろうからいっか。

俺は揉めていることりとカレンの二人を置いて男子寮に向かって歩き始めた、ユリエもドレイクさんも俺に続く。

「殿下よろしいのですか?」

「ん?まあ、平気じゃない?」

「いえ、そうではなく、二人が凄い形相でこちらを見ていますが?」


あら・・・。

ふとみるとユリエはしっかり俺の服の裾を掴んで歩いて居るし・・・

「フフ。」

っておい!!




はー結局こう成るのね。




 右にカレン、左にことり、そして後ろにユリエ。はるか上空ではブラックドラゴンさんが笑ってるし、こりゃあことりとカレンに余計なこと吹き込んだ犯人はあの人(?)か・・・。



教員や司書の仕事が有るアレイクさんを除けばメイアリアの前に行くのに最凶最悪の布陣だ・・・。



また乙女行動が過激に成らないと良いが・・・。


あれ、でも待てよ?

何でことりにブラックドラゴンさんの話が聞こえてるんだ?

魔力は強くても人間だから、聞こえないはずだよな・・・?



ということは・・・

俺が恐ろしい想像に至った所で予想通りというかなんというか雷鳴が轟く。



 カアッドドン



「た、ただいまメイアリア・・・。」

「殿下、放課後に成った途端アレイクさんと慌ただしく出掛けて行ったかと思えば・・・また殿下の近くに女性が増えるのですね・・・。」


「あ、い、いやーなんつうかさ、フルニさんって言うんだけど、かなり優秀らしいんだよね・・・。」

「そんなに私だけじゃ駄目ですか?・・・ッグス・・・。」


 俺の左右と後ろの女子三人もしっかり俺の服の裾やら袖やらを掴んでいる・・・。

ドレイクさんもやれやれといった表情だ。


はー、やっぱし速攻渡さないと収拾つかないか・・・

なんか色々世話に成ってるからもうちょっとロマンチックに渡したかったんだが・・・。


「そもそもなんでアレイクさんと出かけたと思う??」

「殿下は、大人の女性が好みなのですね・・・。」

あーこりゃ完全にアレイクさんと出かけた回数が多いことを根に持ってるな・・・。


「つうか、アレイクさんには色々と聞かなくちゃいけない事が有ったからだよ。」

「グス、なんですか?」


「メイアリアの誕生日プレゼントあげて無かったから、どんなのが良いのかってさ。」

メイアリアは俺の言ってる意味が最初は判らなかったみたいだが、自分が大きな勘違いをしている事にきがついたみたいだ。

「そ、それはまさか・・・。」

「まあ、そのまさかなんだけどさ・・・。」

俺はことりにすまんというと担いでいたナップザック(?)を下ろして

中から紺色の触り心地の良いアクセサリーケースを出した。

それも、結構でかかったりするフルニさん奮発しすぎな感じが有るけど・・・。


 メイアリアを見るといつの間にかいつもの槍は消えうせ、うるうるとそのアクセサリーケースを見ている。

「はい、これ、メイアリアの為に作って貰って来たんだからね。」

俺がケースを渡すとあまりのことに手が震えながらメイアリアはケースを受け取った。


「あ、あけてもよろしいですか?」

「もちろん。」


メイアリアがケースを開けると飛び出す絵本のようにケースの中の支柱みたいのが立ち上がり織覇瑠金オリハルコンで出来た豪華なネックレスがショーケースに有るかのように立体的に持ち上がった。


「あ、あ、あの、こ、これは?!」

おおー驚いてる驚いてる。

あまりの事に驚いているメイアリアをよそに俺はネックレスを台座から取り

メイアリアの後ろに回り首に掛けてあげた、メイアリアが持っていたケースはどうやらネックレスが外れると重さが変わって鏡が現れる仕組みに成って居たようで台座が折りたたまれ鏡が現れた。

つうか、フルニさん、こいつはサービス満点すぎやしませんか?


メイド服の上からとは言え織覇瑠金オリハルコンのネックレスが掛かっている自分の姿を見て、流石のメイアリアもうっとりしてしまっている。

「で、殿下、私としましたら、殿下を誤解しておりました、皆さんで私に秘密でこんなものを用意して頂けるなんて、殿下にお仕えしていてよかった・・・。」

そういいながらメイアリアは本格的にうるうるし始めてしまった・・・。


「つうか、メイアリアそれだけじゃ無いんだけど・・・。」


「え・・・?」


本当は二人っきりの時にあげたかったんだけどまあ仕方ないか。

「そのネックレスさ、実は補助魔法かかてるから戦闘中に滅茶苦茶な威力を発揮すると思うからさ、ちょっと試してみてよ。」


メイアリアは完全に予想外だったようだ、まさか織覇瑠金オリハルコンのネックレスにしっかり補助魔法がかかってるとは思わなかったみたいだ。


「ど、どのような、補助魔法が掛かっているのですか?」

「んーとダブルスペルかなたしか。」

「だ!!ダブルスペルですか!!」

おいおい声が裏返ってるよメイアリア。

「そんな高度な補助魔法が付与出来る錬金術師などほんの僅かですよ!!」

「そーなんだドレイクさん?」

「まあ、そうですな、シルバーン広しと言えどもフルニ殿位ですな。」

「ふーん。」


「ま、いいや兎に角メイアリア、どんなもんか試して見てよ。」

「わ、判りました・・・。」


 いつものようにメイアリアの右側に雷が落ちる。


メイアリアは漆黒のワイヤードランスを構えると穂先の下部を発動させた。



フィイイイイイインン


いつものように青白い燐光がワイヤードランスの開いた穴から噴出する。


「では、危険なので上空に投げてみます。」


カアッ!!


そしてメイアリアが投げたワイヤードランスはいつもの様に超高速で空に向かって一直線に上って行く。

ここで、メイアリアが唱える。

「ダブルスペル。」

遥かに遠くに行っていたワイヤードランスがその速度から爆発的に加速した・・・。

「おお、すげーもう見えないよー。」

「殿下、あのう。」

「ん?」

「どうやらこのネックレスまだ余裕がある様なのですが、まさかトリプルスペルなのでは・・・。」

メイアリアがそう言った瞬間遥か上空でさらに閃光が走った、メイアリアの右手のワイヤードガントレッドが悲鳴を上げワイヤーが発熱して赤く成っている!!

「あはは、なんかトリプルスペルに成ったみたいだねw」

「はい、驚きました織覇瑠金オリハルコンの装飾品にこれほどの効果があるとは。」

「メイアリアそろそろ槍戻さないと大気圏でちゃわない??」

「あ、そうでした。戻しますね。」

なんか上空から赤い隕石みたいなのがこっちに飛んでくるんだけど・・・。

もしかして大気圏突破しちゃって大気摩擦で真っ赤になってる!?



ゴーーーーーーーーーーゴロゴロゴロゴロ!!!

ズズウウン!!!


なんか校庭に大穴開いちゃったな・・・。

呼び戻してこんな威力じゃブラックドラゴンさんが言ってた事が現実に成っちゃったなー(汗)


「ハーク殿下におきましてはこのような格別の贈り物を頂きまして、本当に私は幸せです・・・。」

めちゃくちゃ畏まってそんなこと言われてもなんというか対応に困るが。

「ハーク照れてる。」

「いやいや、なにいってんだユリエ!!」

「いいーなーメイアリア様どんどん強く成っちゃうなー。」

「まあ、そういうなよカレン、カレンだってカエサルさんみたいになれるかも知れないだろ?」

カレンはなんか納得がいかない様だが。

「おにーちゃんことりもドカーンていうの欲しい!!」

おいおい、つうか、ことりはまだ八歳児だろうに。

「ことりはもう少し大きく成ったらなー。」

「ぶーーおにいちゃんのけち・・・。」

いや、そんなにすねられても強力過ぎる材料しか無いんだが・・・。

『いやー見事でしたな殿下。』

ブラックドラゴンさんが降りてきた。

『わしも途中まで追いかけたのですが、はっきりいって超弩級の破壊力が期待できますな。』

「ですが、同時に魔力の消費も激しい様ですね、流石のメイアリア様もお疲れのようです。」

「倭の国に行くのは明日にして今日は早めに休みませんか?」

『うむそれがいいかもしれんなドレイク。』

どうやらいきなり投擲三連発はメイアリアでも堪えたみたいだな。

「じゃあ、そうゆうことで今日はもう休もうか調度日も翳って来たし。」

「はい、申し訳有りません。」

ドレイクさんは、

「わしはもう少し策を詰めて来ますので。」

と言い残し職員室に帰って行った。



 俺達は女子寮にユリエとカレンの二人を送るとことりと共に自室に戻った。



なんやかんや有ったがメイアリアがネックレスを気に入ってくれて良かった。


 メイアリアは大事そうにネックレスを箱に仕舞って夕食の準備をしている。

「メイアリア、実際俺のワイヤードランスどんなのに成るかな?」

メイアリアはテキパキと、ことり、リクエストのハンバーグを練りながら答える。

「殿下の通常武装に成りますのであまり貧相過ぎても困りますが。」

「でもさ、織覇瑠金オリハルコンなんだから貧相って言うか豪華過ぎる気もするけど。」

「ことりもなんかほしいなー。」

いやいや、子供に武器なんか持たせられないから・・・。

「それも、そうですね。」

おいおい・・・。

俺がきょとんとしてるとメイアリアが続ける。

「ことりちゃんも自分の身を守れる装備は必要かと、魔導王朝側が何もしてこないとは限りませんので。」

「ん、まあそうか、じゃあことりのも一緒に作るなり買うかするか。」

「やったーおにいちゃんだいすきー。」

いやなぜそこでお兄ちゃんだけしか言わない!?

メイアリアは、ハンバーグを成型すると焼き始めた。

肉の焼ける良いにおいが漂う。

程なくしてボリューム満点のハンバーグが出てきた。

「じゃあ二人とも食べようか?」

「うんいただきまーす。」

「いただきます。」


ことりを寝かしつけると、俺のワイヤードランスをどうするかの話に戻った。

「殿下はどのようにお考えですか?」

「そういわれてもなーいまいちぴんと来ないな。」

「ですが、百貨店で買われた長刀が一番良いと仰ってましたのでやはりワイヤードランスの近接武装は長刀がベストだと思われますが。」

「やっぱりそうか、でも作った事ある人居ないんでしょ?」

「そうなのです、それが問題ですね、ですが結構行って見たらすんなり作れるかもしれませんよ。」

なんかやけに楽観的だな、まあ、駄目なら駄目で色々アイディア出して鍛冶師さんと色々考えるのも面白いかもしれないな。

「まあ、いいや、とにかく今日はもう休もう。」

「はい。」

俺はメイアリアが向うのベッドに入ったのを確認すると部屋の明かりを消した。

 メイアリアは俺があげたネックレスを暫くうっとり見ていたが俺に見られてるのに気が付いて恥ずかしげにベッドに潜り込んだ、なんだかんだ言ってもまだ十六歳だしなー俺もだけど、そういえば芽衣子にプレゼントってなんかあげたっけな、結構こっちに来て経ってるから地球の記憶が曖昧に成って来たな劉生の奴はどうしてんだろう。


そんな事を考えながら眠りに落ちて行った。




 翌日、

ことりが早く寝かしつけられたせいでことりに四時半に起こされた><

流石にメイアリアすらまだ寝てる、そういえばメイアリアが寝てるのはあんまし見たこと無かったな。

「ことりしーだよ。」

「うんわかった。」

そう思いつきそーっとメイアリアのベッドの方に近づいて覗いて見る。

メイアリアは寝ているので流石にメガネを外している。

十六歳とは思えないほど可愛らしい寝顔だ。

うっとりするほど白くて綺麗な頬に思わず触るとメイアリアの黒い瞳が開いた。



・・・


メイアリアは状況が掴めて無い様だ。

反対側からもことりが頬をつんつんしていたww

「え?!」


「おはようおねいちゃん。」

「おはようメイアリア。」


俺とことりに起こされた事実がやっと頭に入って来た様で。

「わ、私としたことが殿下より遅く起きるなど・・・。」

メイアリアは慌てて起きたので寝巻きの胸元がはだけているにも関わらず布団をめくってしまったので胸元が思いっきり見えてしまった。

「あ!!」




「見ましたか・・・?」

真っ赤になって胸元を押さえながら聞いて来る。

「え?何が?」

俺は気を使ってすっとぼけた返事を返した、やっべー超綺麗なんだけどなんであんなに白いの!!

全部見えた訳じゃ無いけど丁度良い大きさの上に形も文句のつけ様が無いんだけど!!


メイアリアはほっとした様子で寝巻きの身だしなみを整えると、メイド服をタンスの中から取り出し衝立の向うで着替え始めた。


まあ、なんというか何時ものメイド服なんだけど、やっぱしちょこちょこ細かい所の刺繍が違ってたり生地自体の色が僅かに違ったりしている、おまけに俺は今見てしまった物が目に焼きついてしまってまともにメイアリアの顔が見れない・・・。

「ことりおなかすいたー。」

「おいおいもう食べるのかよ、あんまし早く食べても昼迄長いぞ。」

「ぶー。」


メイアリアが時計を見ながら言う。

「まだ、こんな時間だったのですね。」

とてとてとキッチンの方へ行きことりの為に果物を剥き始めた。

「ことりちゃんりんごが剥けましたよ。」

「わーい、たべるー。」

朝から元気だなおい。

俺とメイアリアはことりが早く起きてしまったので少し寝不足気味なんだが。

まあ、早起きは三文の得とか言うし、まあ偶には良いか本当にいい物も見れたしww


 あーやべちょっとドキドキしてきた・・・。



 そろそろ、騎士学院の授業が始まる時間だが俺達は前もって連絡しておいたカエサルさんを校庭で待っている。

程なくしてカエサルさんが空間を斬って現れた。

「おはようございます殿下、メイアリア様、それでは距離も距離ですので早速魔素を集めますね。」

「すみませんカエサルさんよろしくお願いします。」

カエサルさんは四方に白っぽい石を置くと中心で槍を構えて集中しはじめた。

「つうかさ、こっちから行くのは良いけど帰ってくるのはどおすんの?」

「倭の国に滞在する事に成りますね、実際殿下のワイヤードランスが何日で出来上がるか判りませんが取りあえず、七日後の同じ時間同じ場所にカエサルさんに空間を斬って頂く形に成りますね。」

「じゃあ七日間で出来なかったらセレンス村の奪還作戦がどんどんずれ込んじゃうね。」

「残念ながらそうなりますが、あまり心配しなくても大丈夫だと思いますが。」

「え?なんで?」

「セレンス村に攻め込んで来た魔導王朝軍は村に設置してある漁に使うためのワイヤードランスを奪いに来たのですがあのワイヤードランスは重量がかなり有る上に海中から網等と一緒に魚介類を採るので非常に頑強に作られてますのでどれほど魔力が有った所で港の桟橋から外す事は出来ないと思います。」

「それに、一番魔力が有ると思われることりちゃんもこちらに居ますので。」

あーそうゆうことねだから皆、暢気だったんだ、まあ俺が冷気を扱うというのが魔導王朝本国に知れたら面倒かもしれないけどドレイクさんが船は燃やしたって言ってたからその心配も無いか。

「むしろ今回の目的は殿下に実戦経験を積んで頂くのが最大の目標です、本来でしたら私は反対なのですが、殿下は既に竜騎士団、第二騎攻師団の団長に成ってしまっているので、殿下が戦うと仰るならば私に止める権限はありませんので。」

暫くするとカエサルさんが置いた石とカエサルさんから白い靄が立ち上り始める。

「ではいきます、倭の国の鍛冶屋街に。」

そういうとカエサルさんは東側を向いて真横に槍を薙いだ!




ブイイイイインッカ!!!




流石に距離が遠いのでカエサルさんも肩で息をしている。

「殿下、メイアリア様お気をつけて。」

「ういー。」

「では行って参ります。」

「わーい、旅行旅行ー。」

なし崩し的に武器を作るか買うかするかって言ってしまった手前ことりも一緒だ><


 カエサルさんの開けた裂け目を通って出ると、広場に成っているがシルバーンと比べると比較に成らない位、雑な建物が並ぶ、だがそこかしこから金属を打つ音と煙が上がっている。

メイアリアは持っていた地図を開くと「こっちですね、」といって歩き出した。


広場から程近いみちを右に曲がると一際大きい建物が有った、どうやら此処らしい。周りの建物に比べるといくらかましだがまあ鍛冶屋街なので最低限の雨風をしのげる程度の建物しかない。

「御免ください。」

といいながらメイアリアがドアを開けると、中から怒鳴り声が返って来た!

「にゃんであたいの刀打ってくれないんだにゃ!!」

「だから言っとろうが!!予約が入っててそんな暇はねえんだよ嬢ちゃん!!」

「あたいの織覇瑠金オリハルコンの刀打つのににゃんでそんな予約入れるんだにゃ!!」

にゃんだって??

「ほら、予約のお客さんの登場だあんたはけえったけえった!!」

「にゃんだって?!」

猫耳だあああああああああああああああ!!!!!!!


 俺の反応にメイアリアはやれやれといった感じだ。

メイアリアが開けたドアから覗くと猫耳女子が鍛冶屋のおっちゃんに食って掛かっていた。おまけに尻尾もちゃんと有る!!

獣王国って国が有るとは聞いては居たけどまさかこんな所で猫耳女子に会えるとは!

「にゃんだお前ら、お前らがよやくのきゃくにゃ!?」

おいおいなんだなんだ、今度はこっちに噛み付いて来るのか?

「はい、そうゆうことに成りますが。」

メイアリアが冷静に答える。

俺は猫耳女子に興味しんしんだがw

「ふーん、あたいは織覇瑠金オリハルコンの刀を打って貰うためにわざわざ獣王国から来たんだにゃ。」

「にゃんでこんな龍族の女の武器があたいのより先にゃんらあああああ!!」

なんだか気が短いというか沸点が低いと言うか猫耳女子はにゃあにゃあぎゃあぎゃあ喚いている。

「わたしの武器では無くこちらのハーク様の武器を作りに来たのです。」

「ん~?・・・!こんにゃひょろひょろの奴の武器だって!!」

「打って貰うだけ無だにゃ!!」

猫耳女子は振り向くと鍛冶屋のおっさんにさっきと変わらない様子で「あたいの刀打ってにゃあ!!」

なんて続けてる。

「殿下の強さを認めたら諦めて貰えるのではないでしょうか?」

「え!?まじで?」

「はい。」

しょうがないなー。

俺は出来るだけ大きな声で猫耳女子に話しかけた。

「そこの猫耳女子!強いほうが先に武器を打ってもらうというのはどうだ??」

猫耳女子の耳がピクッと動く。

「お前本気で言ってるのかにゃ?」

顔だけこっちを向いてそう言った。

「ああ、もちろん、それとも自信がないなら良いけどねw」

「よーしよく言ったにゃ龍族の男、にゃら今から広場で決闘にゃ!!」

とまあこんな事に成ってしまった、時間は掛かっても平気だと判っていても、まあ、一応セレンス村奪還に行かにゃきゃいけないから、あんまし無駄な時間を使うのは避けたいし。


 俺達は広場に出るとお互いに向き合った。


「おい龍族、いまにゃら勘弁してやらんこともにゃいにゃ。」

猫耳女子は偉そうに胸を張って言って来た、良い形の胸してんなこいつ、おまけにへそまで見えてるしw

「それはこっちの台詞だぜ、ほえ面かくなよ。」

俺の明らかな挑発に乗ってきて、猫耳女子は顔を真っ赤にしながら、フーフー唸っている。

「殿下一応気を付けて下さい獣人族は攻撃速度が非常に早いです。」

「メイアリアより早い??」

「いえ、それは流石に無いと思いますが・・・。」

ことりはワクワクしながら事の成り行きを見ている。


 猫耳女子は長刀を抜くと、ダラリとした構えでこう告げる。

「覚悟するにゃ。」

俺は長刀を一本抜くと両手に持ち剣道家がするように正眼に構えた。

 俺が構えるのを待っていたかの様に裂帛の気合が篭った斬撃が下から来た!!

確かに早い、だがメイアリアと稽古をしている俺にはその機をてらった攻撃すら易々と避ける事ができた。

だが次はかえす間も無く右から長刀が迫る、どうやら彼女はかなりの使い手の様だ。

まあ冷静に判断しているのは、いつも稽古しているメイアリアが戦闘中は心を切り離して状況を冷静にみなければ成りませんという教えの賜物だったりするんだが。

俺は右から来た刀を上に弾いてそのままの流れで猫耳女子の首元に切っ先を突きつけた。

「ほう。」

いつの間にか広場に出てきていた鍛冶師のおっちゃんが感嘆の声を上げた。

「勝負あったな!?」

「ぐ!!」

自分の刀は上に跳ね上げられたままで防御の姿勢をとることもままならないのに俺の刀は首に刺さりそうだ。猫耳女子は悔しそうだったが、諦めた様だ。

「わかった素直にまけをみとめるにゃ。」

あれ、なんか大人しいとこの娘、結構可愛いな。

「龍族、あんた名前は?」

「俺はハーク、ハーク・フォン・ヴィシスだ。」

「にゃ!!」

「あ!!」

メイアリアが俺を凄い目で見ている。

そうか他の国で本名を名乗ったのはまずかったか><うかつだった。

「そうか、お前が紅龍皇朝の皇子かにゃ。」

メイアリアが、がっくりとかたを落として俺を見ている。

「ということはこっちのメイドはメイアリアかにゃ?」

獣王国にも名前が知れ渡ってるって凄いなーメイアリア。

俺が関心していると、メイアリアに思いっきり足を踏まれた。

「もう、殿下、折角隠してたのに台無しじゃないですか!」

「あ、いやあ悪い悪い、でも真剣勝負した相手に名前を偽るのは気が引けてね。」

俺達のやりとりを見ていた猫耳女子は、こういった。

「にゃかにゃか龍族にも騎士道精神を持った男もいるもんにゃんだにゃ。」

「まあ、そっちが本名にゃのった以上こっちもにゃのらにゃいと筋がとおらにゃいんにゃが・・・。」

猫耳女子は迷って居るようだったが意を決して名乗った。

「あたいのにゃまえはフレイア・レウス・ハント、ライオネル・ゴウス・ハントの長女だにゃ、まあ、まさかこんにゃ所で本名を名乗るとは思ってなかったにゃ。」

その証拠とばかりに王位継承者のみが持つといわれる宝剣を見せてくれた。

メイアリアも驚いている。

まさかこんな所でほかの国の姫さんと出くわす嵌めに成るとは、流石のメイアリアも計算外だったみたいだ。

 セカンドネームのレウスは王位継承権を持つ証である上に女性でも王座に着く事が珍しく無い獣王国では次期国王とも言える。

俺なんかまだ皇位継承権まだ無いから向うの方がちょっとだけ偉い感じか?

「フレイア姫殿下申し訳有りませんでした。」

メイアリアが丁寧に謝った。

「にゃんか良く見るとこの皇子イケメンにゃ。」

舌なめずりまでしてるし。

隠すことなくサラッと言ったフレイアの台詞を聞いてメイアリアの眉間にしわが寄った。


 なんか、また面倒な女子が増えたな・・・。


次回は一気に書いてにさんにちかけて見直すといういままでの書き方でいきたいとおもいます、色々な書き方がありますがやはり自分には一気に書いて見直すというやり方があっているようです。次回もよろしくお願いいたします。

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