姉ちゃんとレインボー
すいません全然外伝的な話に成りませんでした、つうか完全に趣味の世界にとつにゅうしてしまいました。
まあ、本編にはあんまし関係の無い話なので流して頂いて大丈夫です!!
俺の名前は七尾劉生 三上竜哉の親友を自負している。
俺と竜哉は小学校で一緒に成った、俺たちはどちらかと言うと小柄だったが、運動も勉強もできた。
竜哉は明るく気さくな奴だった、俺はというと、物静かな方なので真逆の性格をしていたので俺たちは非常に馬が合った。
女子からのうけも良く二人揃ってバレンタインデーにチョコレートを貰った事も有った。今にして思えばそれがケチのつけ始めとも言えたのだが。
皆、子供だ勿論、我儘なので他の男子生徒から狙われるようになった、
男の嫉妬ほど見苦しい物は無いとは思うのだが、俺たちは二人揃ってよく、喧嘩をした。
俺も竜哉も負けず嫌いなので売られた喧嘩を全て買って、
そうして二人揃って病院に担ぎ込まれては、病室で喧嘩の事を熱く語っていたものだ、
だが大概、竜哉は名取さんが来ると泣き出す名取さんの対応に追われていた、俺は俺で、幼馴染の美鳥黎子が来ると何も語れず、ただ、黙って怒っている様な黎子に何も言えないという、対照的な二人だった、そんな毎日を繰り返し、何度も同じ病室に担ぎ込まれ、お互いの幼馴染が来ては、片方は泣き出し、片方は黙って怒っている、そんな四人だった、俺はそれで良いと思っていた。
高校受験の頃に成ると黎子が珍しくはっきりと「同じ高校に行こう。」と言って来たので、
俺もその意見に同意したのだが、実は名取さんとかなり仲良く成っていた黎子が竜哉と名取さんが同じ高校に進学しようとしていることを聞きつけて四人で同じ高校に行きたいと思ったようだ。
「何時の間に名取さんと仲良く成ったんだ。」と聞くと
「結構最初から。」と意外な答えが返ってきた、それもそうだ、俺たちが馬が合ったように何もかも正反対の性格な二人、仲良く成ってない事の方がおかしいかも知れない。
高校に進学してからは、なるべく穏便に過ごそうという、名取さんの発案で、喧嘩を売られたりしても買わないようにしていたし、小、中、共に竜哉と名取さんの二人の時間を削ったのは他ならぬ俺だったので、夏休みの間も二人の時間を裂かない様に気を使って黎子と二人だけで過ごすようにしていた、クラスも違ったので四人とも丁度良い距離感で穏便に平和に過ごした。
俺と黎子も年頃の男女だったので、二人の距離は限りなく縮まって
いつもの四人、このまま四人で年を取って行くものとばかり思っていた。
二学期の始業式が始まるまでは、
「七尾、お前三上竜哉と同じ中学だよな。」
始業式の最中、担任が駆け寄ってきて唐突に話しかけてきたので困惑していると、担任は俺の手を引き体育館から外に出した、黎子も既に体育館から連れ出されていた。俺たちは状況が判らなかったが、竜哉と名取さんが登校していない事に気がついて戦慄した、「まさか、」「二人とも落ち着いて聞くんだぞ、わかったな」担任は俺たちに念を押すと、驚愕の事実を語り始めた、俺は居ても立っても居られなくなり気がつくと走り始めていた、
「竜哉の奴、勝手に死にやがったら絶対に赦さねえ!!」珍しく怒りを露わにした俺に黎子が怒鳴る、「三上君が死ぬわけ無い!!」俺たちは担任の制止も聞かず、学校近くの環状道でタクシーを拾い、いつもの、そう、いつもの病院に向かった。
緊急手術室の明かりが見えた所で俺たちは立ち止まった、名取さんが泣きながら竜哉の両親に謝っている。皆、泣いていた、俺たちも繋いだ互いの手を強く握っていた、俺の目からも涙が流れていた。
ふと、黎子がつぶやいた、「帰ろう、劉。」俺たちはそのまま何もせず帰路に着き、今更学校に行く気にも成れなかったので、俺の家で少し過ごした後、黎子を家に送り届けた。
翌日、いつもならギャァギャァと喚く担任も流石に何も言ってこなかった。竜哉と名取さんは当然の事だが登校して来ない。
メイアリアが風呂から上がって来たので少しこれからの善後策を練ることにしのだが、この乙女,、地味にむくれていてあんまし話しが進まない。
「メイアリア、そんなにむくれるなよ、一緒にお風呂に入らなかった位で。」
「では次回は出来ればお背中だけでも流させて下さい。」
えー困ったなー、まあでも、そのときは水着でも着て待ってれば良いか。
「判ったからさ、でもメイアリアもその時は裸ね!」
「え!!」
うおーもじもじしてるー顔も赤いー、俯いてるメイアリアって可愛いから何回も俯かせたくなるんだよな。
それにメイアリアって普段も湯浴み着きて女子寮でも入ってるっぽいから、こう言えば引くはず。
「いえ、水着でお流しします!!」
結局同じ結論に達しちゃったのねw
まあいいけど、他の男子が居る時間にお風呂入ったらどうなるんだろうねww
「じゃあ、他の男子が居ても背中流してねw」
「そ、それは!!」
きたー、またもやもじもじタイム今日はフィーバーだーww
「殿下のお部屋にお風呂を作って頂きます!!」
おお、今日は中々引かないな、やっぱし、ユリエとカレンが付きっきりでいつも一緒に居るのに危機感を感じてるんだな。
「じゃあ、折角だからさ白夜の塔に作ってもらおうよ、あそこは眺めも良いし、周りからも見えないじゃん。」
白夜の塔とは最初に俺が起きた塔の事で白龍皇朝が無くなってからは、紅龍皇朝の皇子や皇女が騎士学院に居る間仮住まいにするらしい。
「ですがあそこには、螺旋階段を上らないと行けませんし、それに水道設備も御座いませんが。」
「そんなのはドラゴンで上がってメイアリアが水呼べば良いじゃん、そんで俺が暖めれば済む話じゃね??」
「そんな、結婚前から二人の共同作業だなんて・・・・」
いや、だから聞こえてないつもり何だろうけど丸聞こえだってばよ。
あーなんか色々妄想しちゃって真っ赤になったり嬉しそうに足踏みしたり忙しいなこの乙女。
「つうかお風呂の話はともかくさ、騎士団、第二騎攻師団の副長に勝たないといけないんだよね、」
「それも、そうですね、とゆうか殿下!?」
「ん??」
「そもそも第二騎攻師団の副長をお忘れですか??」
おや、なんかまずい質問来たな、ここは旨く流さないと色々とボロが出るぞ。
「えーていうかあれから変わって無いのかな??」
「もちろん変わっておりませんよ相変わらず殿下のお姉さまのメリン様ですが。」
うおい、ねーちゃん登場かよ、しまったー親戚関係の資料とか一切見てなかったーあぶねえええ!!これからは親戚兄弟の仕事とかの資料にも目を通さねば!!
「勝てる気しないんだけど。」
「そうともいえません、メリン様はワイヤードランスはお使いに成りませんし、むしろ背後を取られなければかなり勝算はあるかと。」
「あら、そうなん??」
「私は何度かお手合わせ頂きましたが手ごわいという印象は受けませんでした、本気を出されて居ないようでしたが。」
『姫!!』
メイアリアのブラックドラゴンが会話に割り込んで来た。
「どうしました。」
『噂のメリン皇女殿下がいらして居りますよ。』
「こ、こんなに早く!!」
すると寮の部屋の入り口が霧で曇る、いや、霧と言うには生ぬるい、黒い闇が染み出して来た、これが姉上か!!
「ヤッホーー、メイちゃん久しぶりーハークもおまけで久しぶりー。」
黒い霧から出てきたとは思えないくらいあっけらかんとした声が響く。
「皇女殿下お久しぶりです。」
珍しくメイアリアが緊張しているな、こいつは油断できないぞ!!
「やめてよメイちゃんいつもみたいにお姉ちゃんで良いってww」
「流石にそう言う訳には。」
「だって、ハークと結婚するんでしょ、お姉ちゃんで良いんじゃない??」
あれ、メイアリアってメリンさんとそんな関係か?
「それに、メイちゃんは騎士団の団長なんだからあたしより偉いのよ!?皇位継承権も、持ってないしー、まあ、ハークがどうなるかは判んないけど」
「つか、ハーク。」
「はい、姉さま。」
「レイボルグ倒したんだってー!!?まじで、まじで??」
「それは私から説明させて頂きます。」
それからメイアリアはオアシスでの一件を事細かに説明してくれた。
「ふーん、一回も槍投げたこと無い奴にやられたんだーあいつー。メイアリアに執着してたから仕方ないのかなー過剰な悪意や執着は龍族の能力を減衰させるから、まあ、本来の任務ほっぽりだして、メイアリアが16歳に成るのにあわせて居なくなりやがったから、ざまーみろって感じだけどね。」
「しっかし、このハークが、かー・・・まあ、色々あるだろうけど、じゃあ良いんじゃない??」
「いいと言われますと??」
「だからさハークが竜騎士団、第二騎攻師団、団長で。」
「「えええ!!」」
「だってさ、レイボルグ一撃だったんでしょーよ、異論なんか無いじゃん、あたしだってそんな凶悪なワイヤードランスとやり合うの御免だしww」
「ためしにさ、ちょっと校庭で出してみしてくんない??」
「こんな夜中にですか?」
「まあまあ良いじゃん、そんな特殊なランスなら昼間にぶっぱなす方がどうかしてると思うけど。」
「確かに仰る通りですが。殿下はよろしいですか?」
「まあ、おれはいいけど、寧ろいまからちょっと訓練しようとしてたし。」
「お、さすがあたしの弟できが違うねえ!」
「では校庭に参りましょう。」
んで再三校庭、
実はさっき見えた光明を試したくてうずうずしてたんだ、丁度良い機会だ。
「では殿下お願いします。」
「あいよ。」
「よっと!!」
俺は右手に魔力を集中、熱くも無く冷たくもなく温度変化無しで集中!!
「ほほう。」メリン姉さんはわかってるみたいだ
「あれ??殿下熱くも寒くも有りませんが。」
「良いんだよこれで。」
そのまま魔力を集中、すると右手の側にかすみの様に例のワイヤードランスがいきなり現れた!!
「こんなもんかな。」
「で、殿下どのようになさったのですか??」
「メイアリア、判らなかった?」
「はい、」
「温度や熱が操れるんだがら熱くも寒くもしなかったんだよ。」
「そ、そんなことが!!」
メリン姉さんは関心していた、
「ハーク何時の間にそこまで能力を理解した?」
「今日っていうかさ、さっきかな。」
「お前は末恐ろしい子だねえ。」
「代々の紅龍帝でもその境地に行き着くのに人生の半分以上を費やすのに、槍を一度投げただけでそこまで行くとは、こりゃあ、あたしと本気でやりあってもあたしが勝てる見込みはないな。」
「よし、折角だから投げてみな、そうだな、いつものあのゴーレムにドンピシャで止めてみな。」
「そ、そんな、無茶です、私でもそこまでのレベルに達するのに槍を二千回以上投げました、おまけに殿下はまだきちんと投げたことが御座いませんし。」
「まあ、みてなってメイちゃん。」
「ほれほれ、うら若き乙女が二人も夜更かししてるんだ、とっとと投げな。」
うーん困った、まあでもおれの槍で後ろのプールまでは壊さないよな、思いっきり当たる瞬間に戻せば良いんだし。
あ、むしろプールはまだ直ってないか・・・。
「じゃあ、いってみるよ。」
俺は槍を発動状態にすると槍の穂先の下半分が爆発して弾け飛ぶ!!
メイアリアの報告通りに身体が持っていかれそうになる位の凄まじい焔が噴出して居る、校庭の砂や土が黒煙と共に俺の後ろに吹き飛んでいる。
「いやああああああ」「あ!!」
見事にすっぽ抜けた俺のワイヤードランスは真っ直ぐ空を目指して無数に爆発を繰り返しながら飛んで行く、かと思うと行き成り大爆発し軌道修正してゴーレムに向かって飛び始めたが、まだ角度が足らない、校庭の地面すれすれまで降下するとそこから再び爆発して軌道修正、一気にゴーレムに向かって一直線に爆発を繰り返しながら直進して、ちょうどゴーレムに穂先が一センチほど刺さった状態で逆噴射とばかりに大爆発と共に急停止した。
いつのまにかメリン姉さんはゴーレムの所に移動しており、穂先の具合を確かめている。
「皇女殿下、危険です。」
「そうかなー、今のは完全に制御できてたように感じたんだけど。」
「ハークあんた、こんなの自在に操れるようになっちゃったんだねえ」
「姉ちゃんはビックリだ。」
「最初すっぽ抜けて上に行った時は駄目かなーって思ったんだけど、急に方向変わるんだもん、そんなワイヤードランス見たことも聞いたことも無いよ。」
「無茶苦茶だなーほんと、ワイヤードランスの直進しか出来ないっていう、基本的な弱点を完全に無視してるし。」
「メイちゃんさーハークの授業で使うワイヤードランスはこれじゃ無いほうが良いね、なんか良いのを用意しないといけないね。」
「そ、そうですね、皇女殿下」
「ハークの魔力に耐えられるとなると、織覇瑠金くらいしか浮かばないんだけど、どうしたもんかなー。」
「あれ、織覇瑠金だったらこの前拾ったぜ。」
「はあ??馬鹿言ってんじゃないよ、あれを探すのにどれだけの人間が血眼に成ってるか判ってていってんのか!!」
「あのうー皇女殿下申し上げにくいのですが、事実です。」
・・・
メリンの思考が止まったので暫くお待ち下さい。
「殿下、一度、皇女殿下にもご覧に成って頂いたほうがよろしいかと。」
「そうだね、でも良いのかな俺の授業用のワイヤードランスが織覇瑠金製で・・・。」
三人で学園寮の俺たちの部屋に戻り、取り合えずクローゼットの中に入れといた織覇瑠金をメリン姉さんに見せたのだが、あまりにも大きかったので、腰を抜かしてしまった。
「な、なんて量を見つけてくれたんだ、おまえたちは!!これじゃあ向こう千年位、織覇瑠金が見つからないようなもんじゃないか!!」
「はーなんかやる気無くなった、つうか、適当に鍛冶屋には話し付けとくよ倭の国に行けば織覇瑠金のワイヤードランスの一本や二本作ってくれるだろうよ、あそこの鍛冶ギルドと鍛冶屋街には顔が利くからね。」
「ハークの竜騎士団、第二騎攻師団、団長の昇進の良いお祝いだね、あたしは疲れたから任務に戻るよ。」
「皇女殿下、今日一日位ゆっくり休んで行かれたらいかがですか?」
「まあ、それもいいんだけどね、ちょっと魔導王朝の動向がね、中々怪しいんでね、あんまし抜けられないのさ、どこから手に入れたのか判らないがどでかい大砲を毎日何回も何回も試射してるし魔導工房もひっきりなしに火が入ってるからね。」
「ハーク、織覇瑠金のワイヤードランス早めに使いこなせるように成っときな、始まるよ戦いが。」
「まさかそんなことが・・・。」
「まあ、海龍王も力は貸してくれるだろうけど、魔導王朝にとっちゃ紅龍皇朝は目の上のたんこぶだからね、最悪、魔導王朝と大戦に成るよ。」
そんな不吉な事をを言い残しメリン皇女は本来の任務に戻って行ったのだった。
翌日、
「なんかさー昨日、姉さん来てさー、ああ、ええっと竜騎士団、第二騎攻師団の副長なんだけどさ、」
「俺が竜騎士団、第二騎攻師団の団長で良いってさ。」
朝のホームルーム前にエリザ、カレン、リーナ、ユリエに昨日の事を(寧ろ零時は過ぎてたから今日か)説明した。
「「「えーーーーーーーーーー!!!!」」」
「まさか、そんなに早く決まっちゃったの??」
と、カレン。
「なんか、成り行きでさ。」
「ちょっと待って、でも、ハークって授業で一回もワイヤードランス投げて無いわよね!?」
「そうなんだけどさ、夜中にさ、オアシスで出したランス出そうとしたらあっさり出ちゃって。」
「「「なっ!!!」」」
「そんな凶悪なワイヤードランスとやり合いたくない無いから認めるって。」
「ハーク様どんどん遠くに行っちゃう。」
「いやいや、リーナ俺は此処に居るし。」
そういっても、エリザが感慨深げに。
「でも、実際、ハークってば、第二騎攻師団の団長を戦闘不能にしてる訳だから、当然と言えば当然かもね。」
「なんか、先越された気分ね、元々越されてた気はするけど。」
おいおい、カレン、そんな恋する乙女な視線を俺に向けるのは止めてくれーそれでなくても、昨日は色々有ったんだから。メイアリアも地味に危機感、感じてるみたいだし、今も、ユリエとカレンは完全に俺から離れないし。
この状況は一触即発で怖すぎる、誰か、なんとかしてくれー。
しかし、困ったぞ騎士学院に居ながら竜騎士団、第二騎攻師団の団長ってどんだけ仕事多いんだよ、取り合えず姉さんが副長だからあんまし不自由はなさそうだけど、昨日は取り合えず織覇瑠金でワイヤードランス作っとけって言われたな、倭の国か、どんな所なんだろう?
寧ろ場所何処だよ。
「ここ。」
おおう、ユリエ。
えーと地図で見ると、今が西都シルバーンだから、東都グラウの東の島か、っておいおいおい、どんだけ遠いんだよ!!!
紅龍皇朝の端から端じゃないか!!
「そう。」
「えーなんの話??」
カレンが聞き耳を立てていたようだが俺が喋って無いのを訝しがって居る。
「なんかさ、倭の国ってどこかなーって思ってさ。」
「ハークそんな遠くに何の用なの??」
うーん言っても良いんだろうか??でも、オアシスで織覇瑠金の話はしちゃってる上に見せてるから平気か。
「ねーちゃんがさ俺の魔力だと、普通のワイヤードランスだともたないから織覇瑠金でワイヤードランス作っとけって言っててさ。」
「っは!?」
「鍛冶屋には話し付けとくから作っとけって。」
「ちょっと、ハークとんでもない話さらっとしないでよ!!」
「そうよ、本当に!!」
カレンもエリザも興奮しすぎだから、
「でも実際、倭の国って遠いからどうしたもんかなーって。」
「織覇瑠金のワイヤードランスなんて、見たこと無いよ。」
「普通は良いのでも聖銀が、一番高級なのに・・・」
いやいや、君達俺の話聞いてる??リーナは話のスケールが大きすぎて凍ってるし。つうか、メイアリアのワイヤードランスだって多分、織覇瑠金だと思うんだけど・・・ああ、でも神々の武器庫製だから何でもないのかな??良くわかんないな。
おおっと無駄話は此処までだ、担任の先生が来たホームルームが始まる、皆すごすごと自分の席に戻った。
んで昼休み、食堂。
「ハーク、結局、倭の国にはどうやって行くの??」
カレンの疑問は最もだ、遠いどころの話じゃない。
普通に馬で行って帰ってきても三ヶ月は掛かってしまうし、ドラゴンで行くにも遠すぎて流石に途中で補給しないと駄目だろうし、かといって他の方法は無くは無いだろうけど最低でも一ヶ月は騎士学院を休む羽目になりそうだ、それに、鍛冶屋が何日でワイヤードランスを作れるかもさっぱり判らない。
「うーん。」
「やっぱりこんな時も図書館じゃない??」
又か、俺たちどんだけ図書館行ってるんだよ!!
「じゃあ、いつもの様に放課後に図書館だな。」
「「そうね、」」
うん?なんかリーナが暗いぞ??
「リーナどうした??」
「うん、なんか、最近お魚食べて無いから元気出ないかなって。」
おや、リーナは魚好きか??
「それも、そうね、リーナの家の魚ってとっても美味しいから、癖に成るわよ、あたしは死ぬまで食べてられるわ。」
「へー、リーナの家って魚の養殖してるの??」
「ちなみに、釣堀っていうか、管理釣り場も有るのよハーク。」
「まじすか!!行きたい!!!」
「「「は??」」」
「ハーク様まさか釣り好きなの??」
「勿論大好きだよ!!狩の類は全部好きだけど、釣りが一番好きだぜ俺は!!」
「だって、あの見えない魚とのやり取りとか、見えてる魚が釣れた時とかたまんないじゃん、刺身も旨いしさー!!」
「そうなんだ、以外だねー、リーナ。」
「うん、だって龍族の男性が魚食べてるのあんまし見たこと無いし、偶に来る騎士団の人も皆リリースしてるからハーク様が魚食べるのも好きだと思わなかった。」
「とゆうか、この食堂って何で魚料理ないんだ??」
そもそも、肉料理ばっかりで、魚っ気が全く無い、たまに見るのは白身のフライ位で殆ど油っぽい食事ばっかりだ。確かに龍族はコレステロールの塊食べてても体を壊したりはしないし、筋肉も普通の人間とは違ってかなりカロリーを消費するけど集中力を出すにはやっぱし魚食べてないと出ないからな。
「確かに。」
「だよな、ユリエ。」
「俺、食堂のおばちゃんに聞いてくら。」
スタスタと調理場の方に向かっていく俺。
「ねえねえー。」
「こ、これはハーク殿下!!」
「いやさー、ちょっと聞きたいんだけど、ここの食堂ってなんで魚料理少ないの??」
「い、いえ、少なくしている訳では無いのですが、中々騎士学院で提供出来る程の良質の魚が手に入り難くて困っているのです。」
「ふーん確かに、この騎士学院は近くに川とか湖無いけど、あそこに、実家が魚養殖してる子居るけど。」
俺のその台詞を聞いてリーナとエリザが驚いて居る!
「騎士学院の生徒さんに、そんな方がいらっしゃるんですか!?」
「うん。」
「同じ村の出身の子の話によると死ぬまで食べてられるって言ってたけど。」
エリザが皆の近くで苦笑している。まさか今言ったばかりの台詞を使われるとは思ってなかったようだ。
「それは是非一度その魚を見てみたいです。」
「おっけーじゃあさ、俺がちゃちゃっとメイアリアのドラゴンで行って来るよ。」
「そ、そんな、殿下にその様な些事をしていただく訳には。」
「まあまあ、俺も実際行って食べてみたいし、釣りも出来るみたいだからさ、今度の休みにでも皆で行って来るよ。」
「今度の休みと言いますと明日ですか??」
「ああ、そうだっけ、そうだねじゃあ、明日ちゃちゃっと行って来るね、もし良かったら、シルバーンに仕入れるように俺が手配しとくよ。」
俺がとか言ってるけど実際やるのはメイアリアなんだけどね。
「何から何まで申し訳有りません。」
「いやいや、いいってー俺も釣りしてないから楽しんで来るよ。」
そういって調理場のカウンターの前を後にして皆の前に戻った。
「ハーク、良かったの??」
「ん?なにが??」
「いや、だってシルバーンに仕入れるって言っても生だとドラゴンで輸送しないと持たないと思うけど。」
「うん??そうなのか?」
「うん。」
「そんなに遠いの??」
「あたしと、リーナの村はそんなには遠く無いけどどうやってこの熱い紅龍皇朝の中輸送するのかって問題が。」
しまった、俺がさっぱり熱くないから思いっきり忘れてた、どうしよう。
「あーそっかでもそれも図書館で調べれば何とかなるんじゃね??」
「なんでも図書館任せ。」
いやいやユリエさん、仕方なくね、つうか俺は釣りがしたくて堪らなく成っちゃったんだから。
ふふふ、釣り釣り、まさかこっちに来て釣りが出来るとは思わなかったぜ。
放課後、いつもの様に図書館にみんな集合してる、が、今日は読んでる本の内容がいつもとはかなり違う、おれはこっちの魚の情報を手に入れるべく釣りの本を読み漁り、驚愕の事実を見つけてしまった!!
なんで魚の種類地球と一緒なんだ!!
そういえばオアシスに行った時もアオスジ揚羽居たし、だれかがこっちの世界に持ち込んだのか??それとも元々こっちが発祥なのか??
謎が深まるばかりだったが、釣具も仕掛けも大差無い様で安心した、普通にトラウトロッドでスプーンで釣るかなー明日は。
「殿下。」
「ああ、メイアリア、どうした??」
「今日はお勉強をなさっているのではないのですか??」
あ、まずい、釣りが出来るのに頭が行ってしまってメイアリアに対する言い訳を全く考えてなかった><
「いやさーほら、なんていうか。」
「はい。」
バッチチ
うおう、足元バチバチ言ってる><何か考えねば、うーん、うーん、うん!
「今日さー昼休みにさ、あんましにも偏った食事ばっかりしてるからさ、たまには魚とか食べないと、みんなの健康にも良くないしさ、魚食わないと集中力とか出ないって言うじゃん。」
「はあ。」
「それに、シルバーンってあんまし近くに河川とか湖無いから魚あんまし売って無いじゃん。」
「確かにそうですね。」
よしっ食いついてきた!!
「だからさ、リーナの実家が魚の養殖してるらしいいし、エリザにいわせると死ぬまで食ってられる位、美味いって言うから、明日にでも行って来ようかと思ってね。」
「そうですか、流石にお休み位は構いませんが、リーナさんとエリザさんの村と言うとヘブンリー村ですね。」
「そうそう、よく知ってるね。」
「流石に竜騎士をしていれば周辺の村々の情報は持っていますので。」
「ふーんそうゆうもんか。」
あれ、てかメイアリアに輸送手段聞いたら早いかな、騎士団だって物資の輸送とかはするだろうし。
「んでさーメイアリア、相談が有るんだけど。」
「何でしょう殿下。」
「ヘブンリー村からさ、シルバーンまでさ生で魚輸送したいんだけど何か方法無いかな??」
「それは要するに、シルバーンの民に良質の魚を届けたいと言う事でしょうか??」
おや、メイアリアがなんか尊敬の眼差しに成って来てるんですけど、どうゆうことかな。
「実際さーシルバーンてみんな、肉ばっかり食べてるからさ太ってるひととか多いし、まあ健康を考えるとやっぱし魚かなーってさ。」
メイアリアが完全にキラキラした瞳で俺を見ている。
「殿下は本当にこの国をより良くしたいのですね。」
「このメイアリア感服致しました、でしたら、水龍石をお使い下さい、アクアマリンを常に一定の温度と水質を保つ能力を持つ魔石にしたものなのですが、殿下の御下命であれば国内から直ぐに集まると思います。」
メイアリアはルンルンで図書館から出て行った。あれ、輸送問題解決?!
「みたい。」
とユリエ
「だねえ。」
「じゃあ取り合えず今日は明日の為に早めに休もっか??」
「「「さんせーい」」」
とはいったものの、なんかリーナが神妙な面持ちで近づいて来る。
「どうした、リーナ??」
「ハーク様有り難う御座います、うちの実家の為に、こんなにしてもらって、なんて言って良いか。」
「うん?? 気にしないでいいよ、実際俺が釣りが異常にしたく成っちゃっただけなんだし、だってエリザの話だと凄く美味いんだろ、それなら食べなきゃ損じゃないか、明日は釣りなんだから早く寝ないとしんどいぞ、俺も釣り馬鹿だから日が昇る前に出発だからな、しっかり皆起こしてくれよ!!」
「うん、有り難うハーク様。」
「だから気にすんなって!」
俺はリーナ達を女子寮に送り届けると、メイアリアのブラックドラゴンに声をかけた。
「あのさー。」
『聞いて居りましたぞハーク殿下、まさか殿下が釣りを嗜まれるとは思いませんでしたが。』
「うんそれでなんだけどさー明日夜が明ける前に出たいんだけど、平気かな??」
『勿論構いませんぞ、わしも久しく魚を食べて居りませんので丁度良い機会ですな。』
「んでメイアリアなんだけど、何処行ったのかな??」
『紅龍皇帝陛下に水龍石を頼んでいるのではないですかな?』
「そっか、じゃあ明日はメイアリアは来れないのかな??」
『そうですね流石に一晩で集まるとも思えませんので暫くは騎士学院に居るでしょう。』
「じゃあー明日はメイアリア居ないけど宜しくね。」
『合い判った、他の竜騎士達にも伝えて置きましょう。』
「あ、まじでーそいつは助かるな。」
「じゃあ取り合えず明日早いから寝るねー」
『お休みなさいませ殿下。』
翌朝、わーい釣りだ釣りー
「ふんふふーん。」
「なに、ハークご機嫌ね、」
「いやあーだって釣りだぜ釣り、おまけにリーナに聞いた所によると殆どの鱒科の魚居るみたいじゃないか、これが興奮せずに居られるか!!」
「ふあああ」
カレンは眠そうだな、それに釣りは始めてだって言ってたけど、簡単だから平気かな。
「ハーク様のお口に合うか心配です。」
「そんなこと無いってリーナ、あたしが保障するよ。」
そんなこんなをはなしている内に校庭にブラックドラゴンが五頭降り立つそういや今日は宿舎まで行かなくて良かったのかな?
『いえいえ殿下、まだ夜も明けてませんし、これだけ暗ければ流石に見えないかと思いましてね。』
そうなんだよね、じつはまだ真っ暗だから学院寮にも明かりは無い、まあ、休みだからもともとみんな起きるの遅いだろうけど。
「じゃあ、リーナとエリザの村にいこっかー。」
「「「はーい」」」
おや?ユリエが完全に寝てるぞ、これ平気か??
「おいユリエ。」
「ん?」
「うん。」
いや、うんじゃないから、仕方ないなー俺はユリエを背中におぶさるとブラックドラゴンに乗り込んだ。
そんなこんなで出発した、メイアリアは居ないけどカイン副長は居るからまあ平気だろう。最悪俺のワイヤードランスも在るし。
『殿下、一応用心に越したことは無いので街道沿いを参ります。』
「うん判った、もしかして結構魔獣とか危険な生き物出る感じ??」
『そうですねー街道沿いならば大した者は出ないでしょうが、なにぶん殿下の魔力に引かれて何か現れないとも限らないので。』
「あーそうだった、この前のサンドワームの事も有るからねー」
「でも、なんかまた珍しい物見つかったりしてねw」
『ガハハハハハハ、仰るとおりです、それはそれで楽しみですな。』
暫くいくとシルバーンの街を抜けて街道に出たのだが、街道の道がかなりきちんと整備されていて、綺麗なのが眼についた。
「こんなに紅龍皇朝って街道綺麗で大きいの??」
『そうですな、基本紅龍皇朝に限らず街道は馬車が行き交える太さになっておりますね』
「凄いんだね紅龍皇朝。」
『それに、五キロ置きに街道騎士の常駐している簡単ではありますが見張り台が有りますので、何か有った場合でも迅速に対応できます。』
「あの授業で習った、騎士騎攻の行軍って奴かな??」
『そうですね、ワイヤードランスのロックを外さなければ、ランスと共に飛べるので、この程度の距離でしたら直ぐに街道騎士が駆けつけますね。』
『まあ、着地の際にロックを外してランスを地面に突き立ててから引き戻して速度を落とさなければ成らないのですが、これは完全に慣れですな。』
「でもそれができないと、騎士に成れないんでしょ??」
『そうですね、最低騎士騎攻の行軍は必須技能ですな、まあ、殿下の場合は既に竜騎士団、第二騎攻師団の団長に成られてしまったので、これから練習して頂けなければ成りませんが』
「あーそうだよねー、出来ないとか言えないよねー、やっつけちゃったしまだドラゴン居ないし。」
まあそんなこんなを話しているちに、遠くにワイバーンは見えたけど、ヘブンリー村に到着した。
「この前のオアシスよりは少し近いかな。」
『丁度2/3程度ですな。』
「じゃあ、取り合えず挨拶してくるから、その辺で待ってて、行きなり来ちゃったから皆ビックリするだろうし。」
『畏まりました殿下』
おおー丁度朝日が昇って綺麗だなー、
「エリザ、村長さんに挨拶するからエリザの家に連れて行ってよ。」
「わかったわハーク、こっちよ。」
村の真ん中にもサラサラと小川が流れて居る、実に長閑な景色だ。
皆で村のうえの方にあるエリザの家に向かった。
コンコンコン
「ごめんくださーい。」
ややあって、
「誰だねこんな朝早くから??」
「ただいまお父様。」
「おおーエリザ、騎士学院はどうだね、まさか、首になってもうかえってきたのかね!!」
「いやいや、そんなことないよ、エリザは優秀ですよ。」
と、俺が言うと。村長、エリザの父は、
「なんだこの男は。」
と声を荒げたが村の外にメイアリアのブラックドラゴンを見つけてはなじろむ。
「ま、まさか。」
「そうよ、そのまさかよお父様、ハーク殿下よ。」
「ハ、ハーク殿下、内の娘を気に入って頂けるとは恐悦至極で御座います。」
「嫌ねえ、お父様まだそんなの気が早すぎるわ。」
「だが現にこうして。」
「今日は、リーナの家の養殖している魚の具合を見に来たのよ。」
「おお、そうか。」
「それに、ハーク殿下の意向でこの村の特産品とか、色々シルバーンで売れるように手配してくれるそうよ。」
「なんと!!」
「まあ、取り合えずリーナの家に行ってくるねお父様。」
なんかめちゃくちゃ歓迎されてるんだけど良いのかなー俺、釣りしに来ただけなんだけど。
エリザの家から少し西にいって小山を上ると魚の養殖場が見えた。
「おおーすげえなー、こんだけいりゃ、シルバーンも十分だろ!!」
コンコンコン、
「おはよう御座いまーす釣りしたいんですけどー。」
「はい、らっしゃい、?!リーナ。」
「ただいまパパ。」
「ど、どうしたんだい?今日は確かに休みだろうけど、どうやってこんなに早くに。」
「えっとーそれはね。」
「そこからは俺が説明しようかな」
頭の中でメイアリアのブラックドラゴンを呼んだ。
空を覆いつくすかのような大きなブラックドラゴンが舞い降りた。
「なあ!!、こ、このドラゴンは!!」
「そうそう、メイアリアのブラックドラゴンだよ。」
「とゆうことはまさかあなた様は、ハ、ハーク殿下!?」
「そゆことー。」
てかこの村の人おれに対する反応激しすぎて面白れー。
「まさか、私の娘のリーナを、気に入って頂けたということでしょうか??」
「パパ、まだ早いってハーク様とはお友達になったんだから。」
「そんな、お前だって、メイアリア様も居ないしこの状況は明らかに妾に貰うよっていうアピールじゃないか。」
あーしまった、メイアリア居ないとみんなそうゆう風に思っちゃうんだ、こりゃー誤解を解くのに時間が掛かりそうだけど。
「違うってパパ、パパの育てた魚が食べたいんだってハーク様が。」
「おお、なんということだ、まさか殿下が魚をお好きとは、思いもよりませんでした、どうぞ、どうぞ、好きなだけお召し上がり下さい。」
って、いやー俺釣りしに来たんだけどこんなんで食べちゃったら釣り師の名折れなんだけど。
「リーナのお父さん俺ってば釣り好きなんで出来れば釣りしたいんだよねー。」
リーナのお父さんはひどく驚いて居るようで。
「ハーク殿下にそのようなご趣味があるとは思いも寄りませんでした、では此方にどうぞ。」
そういわれて奥に通されると、大小五つの池が並んだ管理釣り場が見えて気た、水量も豊富な様でこんこんと湧水が出ている池も有る。
「おおー、超水綺麗じゃん、こんなに綺麗だと、殆どサイトフィッシィングだねえw、俺の好みだよ此処!!」
「ハーク殿下に気に入ってもらえるとは私は幸せ者です。」
いやあ、大げさなんですけど、まあいいか、取り合えずタックル一式借りて仕掛けに糸を通そうとすると、リーナのパパが驚いて居る。
「で、殿下は全てご自分でなさるのですか??」
「うん、まあそうだけど、なんか問題かな??」
むしろ、カレンとユリエの初めてコンビの分まで仕掛けを作ってるとさらに。
「殿下、此方の女性達は殿下のお妾様でしょうか??」
いやいや、その思考から離れてくれよまじで。
「クラスメートだよ、二人とも釣りしたこと無いから作ってるだけだけど。」
「リーナパパ、ハークはいつもこんな感じ気にしない。」
おおうユリエがまともなこと言ってる。
「フフッ」
いやあ、その笑いは良いから。
「でも、あたしはハークのお妾さん成りたいな。」
「ちょっと待てカレン、リーナのパパを混乱さすな!!」
「えーだってー。」
「リーナ!」
「なに、パパ?」
「頑張れよ!!」
「っえ?」
おいおい、応援してどうなる!?
相変わらずユリエが笑っている。
そんなこんなで実釣開始、
「へーでっかいなーここのレインボー60センチ近くあるんじゃないか??」
いやーなんというか、爆釣爆釣で、開始から皆二時間程で20っぴきほど釣れてしまった、なんという入れ食い。こんなに釣れたら商売上がったりなんじゃないだろうか?
「とゆうか、かなり釣れたねービックリだ、リーナのお父さん此れから本題に入りたいんだけど良いかな??」
「ど、どのような、件でしょうか??」
「いやさー、シルバーンにさ、此処で養殖した魚卸して欲しいんだよね。」
「へ?」
「だってエリザから聞いたぜめちゃくちゃ美味いらしいじゃん、俺も実はさっき一匹捌いて生で食べてみたんだけどかなり油身が乗ってて美味かったし、実はシルバーンではさ、肉ばっかり食べてるから、太ってる人多くてさ、出来れば此処の魚をシルバーンで売って欲しいわけよ。」
「そ、それは願っても無い話ですが、しかし、どのように輸送したら良いか見当も付きませんが。」
「それならさ、今メイアリアが動いてるから、こっちでなんとかするよ、まじめに国民の健康も考えないとやっぱし駄目じゃん、皇子としてはさ。」
「それに、養殖池が足らなければ公費から出させるからさ、お願いしますよ。」
「そんな、ハーク殿下にお願いされて断れる訳が御座いません、むしろ、まかり間違ってうちのリーナが騎士に成れたりしたら、騎士候ゆかりの養殖場に成る訳ですし、うちとしてはこのようなお話を頂けて光栄の至りで御座います。」
「ほんじゃあ、決まりだね!」
「リーナもいいね?これで騎士学院で、たんまり魚が食えるよリーナw」
「まあ、取り合えずこの釣れた魚をさ、騎士学院の食堂に持って行きたいから今日は、おいとまするね。」
「また後日メイアリアと輸送手段とか細かい話しに来るからさそん時は宜しくね。」
「はい、畏まりました。」
「いやいや、そんなに畏まんなくてもいいって、美味しい魚釣れて食べられて、ご機嫌だからね。」
さあて、帰るとするかな。
『殿下は、国力を上げることをお考えですか?』
「まあ、そうなんだけど、結局、昨日一昨日姉さんが言ってたような事態が起きないとも限らないからね、シルバーンから南の方は眼が届くようにしとかないとね、実際南の海越えたら魔導王朝な訳だし、最悪、海沿いに城塞を建てなくちゃいけないかもしれないからさ、ヘブンリーだけじゃなくて他の村々の城塞騎士や常駐騎士も出来るだけ底力や地力を上げとかなきゃいけないだろう、それに、一般の冒険者の力も借りないと行けないだろうから、暫くは物流の改善と見せかけた、街道騎士や、城塞騎士、常駐騎士レベルアップかな、それに、積極的に、輸送警備に冒険者を使うようにして実力のある冒険者の当りもつけないといけないし、まあ、姉さんが外で動いてる以上俺は内政に精を出すよ。一番良いのは戦いに成らなきゃいいんだろうけど、とにかくメイアリアにはそうゆうつもりだって事は伝えておいて、まあ、自分でも言うけどさ、とにかくおれは倭の国行ってワイヤードランスどうにかしないといけないしさ。なんか良い手ないかな??」
『そうですな殿下がそこまでお考えならば、倭の国に行くのが確かに急務ですな、騎士学院のほうは、何とでも成りますが、でしたらあの者に当ってみますか。』
「あの者って?」
『まあ、会えば理解致しますよ。』
「ふーんなんかやけに引っ張るね。」
そんなこんなを話ながら騎士学院に向かって俺達は帰路に着いた。
はーなんとか前回よりは長く出来ました、ていうか地味に伏線張りまくりの回になってしまいましたが、ちゃんと回収出来るんでしょうか自信が有りません、とりあえずはまだ暫く平和な話が続く予定ですが、いきなり戦闘も有りうるのでそんときは御免なさい。ではでは。