レベル5
さらに一週間後。
ダンジョンはレベル5になった。大きさも三階建てだ。
ダンジョン名:サービス残業お断りダンジョン
レベル:5
経験値:0
属性:冥
冒険ログ:まだありません
状態:健康を維持しています。これ以上の拡張には経験値が必要です。レイドを行いましょう。
中の様子が見たくなって、ネットでファイバースコープを注文した。
スマホとケーブルでつないで、画面を映せるというアイテムだ。
残念ながら安物なので、複雑には動かせない。入口から少し先を見るのが限界だろう。
スコープの先を近づけると、如何にもダンジョンといった様子の入り口が映った。
暗がりの向こうにポツポツと光が見えるな。
以前、動画で見た火属性ダンジョンだと、それらは全部本物の松明だったはずだ。
他にも水属性だと発光するスライム、土属性だと光り苔、風属性だと光る鱗粉を飛ばす蝶などがある。
俺のダンジョンの灯りは一体、どうなってるのだろう……?
ドキドキしながらゆっくり突っ込むと……。
あ、あれ……?
スコープの映像が、急に乱れて消えてしまった。
引っ張り出すと、先が潰れている。
な、なんだよ、こりゃ。何が起きた?
と、ラビリミンが出てきて、キーキー言いながら俺を見上げる。
慌ててスマホで調べると、どうやらいきなりファイバースコープを突っ込むのは、よくない行為だったらしい。
ラビリミンの怒りは、収まらない。(# ゜Д゜)な顔で、体が真っ赤に染まっていく。
うーん。ちょっと迂闊過ぎたな。テーマパークのミニチュア・ダンジョンは中が見れるから、てっきり大丈夫かと思ってた。
もう少し調べてからやればよかった。
と、奥から別のラビリミンが出てきて、そいつに何かを言いつけた。
すると、怒ってたラビリミンの色が、スウッと元に戻っていく。
俺の方に手を向けて、キャイキャイと何かを言い合ってる。
耳を近づけてよく聞いてみると、なんかキャミタマとかなんとか叫んでるようだった。
ラビリミンは二人して(-ω-ゞと敬礼すると、奥へと戻っていった。
……キャミタマって、俺のことか?
なんとなく、後から出てきた一匹は、最初に助けたラビリミンのような気がした。




