生きていたダンジョン
翌朝。
スマホのアラームで目覚めた俺は、ガバリと身を起こす。
ヤバい。四回もスヌーズしてる。
二十分も寝すぎちまった!
慌ててベッドから飛び起きて、朝飯のプロテインバーを齧りながらスーツに袖を通す。生乾きのスーツには土がこびりついていたので、洋服ブラシで適当に払ってごまかしておく。
食後の歯磨きをしながら、ふと床に目を落とすと、昨夜の十号鉢植えが目に入った。
心の中に、虚しさと喪失感が去来した。
……こんな辛い思いをするのなら、ダンジョンスプラウトの鉢植えなんて、拾わなきゃよかった。
次の粗大ごみは、三日後か。それまで部屋に置きっぱなしか。憂鬱だな。
いや、そもそも土って、粗大ゴミで出していいんだっけ?
そう思いながら、ふと覗き込んだら。
( ´-ω・)な顔の寝起きのラビリミンと目が合った。
………は?
えっ、なんで??
こいつは昨夜、俺の目の前で確かに死んで、消えていったはずじゃないのか!?
慌てて目をこすり、もう一度見る。
やはり、見間違えではない。ラビリミンは(*`・ω・)ゞと俺に敬礼してきた。
間違いなく、そこにいる。
「や、やった……やった! やったぞ、俺はこいつを助けられたんだ! ヒャッホーイ!」
スマホアプリの『ラビスコープ』で、情報を読み取る。
ダンジョン名:名無しのダンジョン
レベル:1
属性:冥
経験値:0
冒険ログ:まだありません
状態:あまり良くないです。栄養状態を改善しましょう。
………冥??
闇属性ってのは知ってるけど。
冥ダンジョンなんて、あったか?
おっと!
今は深く考えてる時間はない。ボヤボヤしてたら、今日もまた遅刻しちまう!
俺はとりあえず、昼休みにダンジョン用の栄養剤を買うことを心に決めて、大慌てて家を出たのだった。




