そよそよ若草ダンジョン クリアログ
『そよそよ若草ダンジョン』
一層目
石像の列が迎える入り口は、威厳と優雅さを兼ね備えていた。
だが一歩踏み入れた瞬間、空気が変わった。
冷たい。軽い。だが重い。
足元の砂がふわりと舞い上がる。
ここは、今までの迷宮とは明らかに“格”が違う。
だが進む。我々は四人だ。
これまで幾つもの迷宮を越えてきた。
二層目
螺旋状の回廊。常に向かい風。
一歩進むごとに体力が削られる。
風は、姿を持たぬ敵だ。
ここで焦れば終わる。
呼吸を合わせ、風の間を縫う。
三層目
ウィンドスプライト。
耳鳴りのような高音とともに、圧縮空気の弾を放つ。
盾で防ぎ、空に散らす。数は多いが脆い。
ふと気づく。天井から粉が落ちてくる……。
直後、紫の翅が広がった。
風毒蛾。羽たき一つで毒粉を拡散する。
吸えば終わりだ!
圧縮弾を散らせば、空気は毒で汚れてしまう。
蛾を矢で撃ち落とすが、数が多い。
仲間の一人が毒を吸い、膝をつく。
辛くも全滅させたが、我々は一人失った。
四層目。
歌うような風が吹いている。
何か、リズムがあるようだ。
ふいに、風が止む。
直後、音を置き去りにした衝撃波。
一人がまともに正面で受け、壁に叩きつけられて意識を失う。
動かない。二人目の脱落者だ。
戻るか、進むか。
最奥は目の前だ。
五層目
床一面の枯れ葉が波打つ。
全てが持ち上がり、巨大な人型を成す。
シュレッド・リーフ。魔力と枯れ葉の集合体だ。
斬っても叩いても再生する。
風が止まぬ限り、無限だ。
一人が叫んだ。中心部、風が最も強く渦巻く一点がある。
その声に暴風に身を預け、死地へと滑り込んだ。
刃を突き立てる。風の核へと。
直後、壁を震わせる轟音と共に、烈風が霧散した。
葉が一斉に力を失い、床へと落ちる。
静寂。膝をついた。
もう一人も座り込む。
二人で顔を見合わせ、笑った。
四人で入り、二人が脱落。
それでも我々はダンジョンを踏破した。
最奥で二人同時に金色のコアに触れる時、その手は少し震えていた。
帰還後
風は目に見えない。
だが、確かに意思を持っていた。
あの風は、我々を拒絶はしなかった。
ただ試したのだ。
強い風でも、折れぬかどうかを。
風は甘くない。だが流れを知れば、翼にもなる。
あの風を越えた今、もはや自分たちは「駆け出し」ではない。
我らは、立派な「中級者」となった。
ダンジョン攻略成功 経験値550




