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追放聖女を拾ったので、最強キャンピングカーで旅に出ます ~過酷な逃亡生活? いえ、エアコン完備で快適スローライフです~  作者: 悠々


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第076話: ジャングル・クッキング

 ソフィアの歓迎会を兼ねて、僕たちは盛大なBBQを開催することにした。

 メインディッシュは、もちろん「ラプターの肉」だ。


「よし、焼くぞー!」


 鉄板の上で肉がジュージューと音を立てる。

 香ばしい匂いが漂い、みんなの喉が鳴る。


「恐竜の肉なんて、硬そうだけど大丈夫かい?」

「下処理は完璧だよ。キウイ(に似た島のフルーツ)の果汁に漬け込んで柔らかくしておいたんだ」


 僕が切り分けた肉をルナに渡す。

 彼女は恐る恐る口に運び……目を見開いた。


「うまっ! なんだこれ、鶏肉みたいだけど、もっと濃厚な旨味があるよ!」

「本当ですか? ……んっ、美味しいです! 噛めば噛むほど味が染み出してきます!」


 セリスも絶賛だ。

 ララに至っては、既に三切れ目を口に詰め込んでいる。


「ふむ、悪くない。魔力を帯びた肉じゃな。滋養強壮に良さそうじゃ」

「……お前たち、あいつらをこんな風に食べるなんて……信じられない」


 アイリスだけは、まだフォークが進まないようだ。

 彼女にとって、恐竜は恐れるべき捕食者であり、食材という認識はないのだろう。


「騙されたと思って食べてみてよ。ほら、あーん」

「あ、あーん……だ、誰がするかッ!」


 顔を真っ赤にして拒否するが、お腹の虫は嘘をつけない。

 彼女は意を決して、肉を一切れ口に入れた。


「…………!!」


 その瞬間、彼女の表情が凍りついた。

 そして、ゆっくりと咀嚼し、飲み込む。


「……美味い」

「でしょ?」

「なんだこれは……私の知っている肉じゃない。この茶色いタレ(焼肉のタレ)は魔法の薬か? 舌が痺れるほど美味いぞ!」


 どうやら、現代の調味料(文明の味)に陥落したらしい。

 その後、アイリスは猛烈な勢いで肉を食べ始めた。


「こっちの野菜も食べてね。島の果物で作ったサラダだよ」

「うむうむ。……お前たちの食事は、命がけの狩りとは違う。楽しみがあるな」


 アイリスがぽつりと呟いた。


「食事は楽しまなきゃ損だよ。美味しいものを食べれば、明日も頑張れるからね」

「……そうだな。明日も頑張れる」


 彼女は微笑み、ジョッキに入ったコーラを一気に飲み干した。

 プハーッ! という豪快な音。

 すっかりこの生活に馴染んでしまったようだ。


『マスター。食後のデザートとして、島で採取したカカオ豆に似た植物からチョコレートを生成しました』

「おお、さすがナビ! 気が利くねぇ!」


 甘いものの登場に、女子たちの歓声が上がる。

 ジャングルの夜は、甘い香りと笑い声に包まれて更けていった。



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