第048話: 邪神召喚?
「グオオオオオオッ!!」
バルガスだったモノが咆哮する。
その姿は、ヘドロのような黒い粘液で構成された、巨大な蛇の怪物だった。
もはや人の面影はない。
「こいつはヤバい! ここじゃ狭すぎる!」
「崩れるぞ! 脱出だ!」
怪物が暴れるたびに、地下祭壇の柱がへし折れ、天井が崩落していく。
僕たちはエリス王女を抱え、必死に出口へと走った。
「ナビ! キャンピングカーを回せ! 脱出ルートを確保しろ!」
『了解。……マスター、上です!』
ズドォォォォン!!
天井が爆砕され、瓦礫と共にキャンピングカーが降ってきた。
いや、正確には「浮遊モード」で降りてきたのだ。
「乗れ! 全員収容だ!」
スライドドアが開き、僕たちは滑り込むように車内へ飛び込んだ。
間一髪、祭壇全体が崩壊し、怪物は瓦礫の下敷きになった……かに見えた。
「やったか!?」
「いえ、まだです!」
セリスの警告通り、瓦礫の山が弾け飛ぶ。
黒い蛇の怪物は、背中からコウモリのような翼を生やし、空へと舞い上がった。
「空へ逃げたか! 追うぞ!」
僕もキャンピングカーを急上昇させる。
戦いの舞台は、王城の上空へと移った。
「ギシャアアアアッ!!」
怪物が口から毒々しい紫色のブレスを吐き出す。
それは酸の雨となって降り注ぎ、城壁を溶かしていく。
「なんてこと……。このままじゃ王都が……!」
「させないよ! ナビ、シールド全開! 突っ込むぞ!」
僕はブレスの弾幕をかいくぐり、怪物の懐へと飛び込んだ。
「ルナ、ララ! 迎撃だ!」
「任せな! 蜂の巣にしてやる!」
「えいっ、えいっ!」
ガトリング砲とミサイルが火を吹き、怪物の身体を削り取る。
だが、削った端から再生していく。
やはり、核を潰さない限り倒せないか。
「ユウ様! あの胸の紋章を!」
セリスが指差す先。
怪物の胸部には、赤く輝く『蛇の紋章』が埋め込まれていた。
あれが本体か。
「オーケー、狙いは定まった。……決めるぞ、みんな!」
僕は操縦桿を引き、キャンピングカーを急上昇させた。
月を背にして、怪物を見下ろす位置へ。
ここからなら、最大出力の主砲を撃ち込める。
「セリス、準備はいいか?」
「はい! いつでもいけます!」
セリスが両手を組み、祈りを捧げる。
彼女の身体が光に包まれ、その光がキャンピングカー全体へと伝播していく。
科学と魔法、そして聖なる祈りの融合。
これが僕たちの最強の一撃だ。
「いくぞ……! ファイナル・バースト!!」




