表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放聖女を拾ったので、最強キャンピングカーで旅に出ます ~過酷な逃亡生活? いえ、エアコン完備で快適スローライフです~  作者: 悠々


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/64

第005話: 聖騎士団

「……はいっ……! 喜んで……ご一緒させていただきます……!」


セリスが僕の手を取り、涙ながらに頷いた、その時だった。


『警告。後方より敵性反応接近。距離二キロ』


ナビの無機質な声が、感動的な空気をぶち壊した。

僕はため息をついて、モニターを確認する。

吹雪の向こうから、騎馬隊の一団がこちらへ向かってきていた。

重厚な鎧に身を包み、旗を掲げている。


「あれは……王国の聖騎士団……!」


モニターを見たセリスが、青ざめた顔で震え出した。


「私の命を……奪いに来たのです……。やっぱり、私はここにいてはいけない……」

「落ち着いて。ただの騎馬隊だろ?」

「ただの、ではありません! 彼らは王国最強の聖騎士団……! 一度狙われたら、地の果てまで逃げても決して逃がしてはくれないのです……!」


セリスがパニックになりかけている。

僕は彼女の肩をポンと叩いた。


「大丈夫。このマイホームの性能を見せてあげるよ」


僕は運転席に座り、エンジンを始動させる。

キュルル、ズドン!

重低音が響き、セリスが驚いて目を丸くする。


「な、なんですかこの音!?」

「心臓の音さ。……ナビ、迎撃準備は?」

『必要ありません。現在の彼我の速度差は時速六十キロ。単純に振り切れます』

「だよね。じゃあ、さっさと行こうか」


僕はアクセルを踏み込んだ。

グンッ、と体がシートに押し付けられる。

キャンピングカーは雪煙を上げて急加速した。


「ひゃああああっ!?」


セリスの悲鳴が上がる。

バックモニターの中で、騎士団たちが豆粒のように小さくなっていくのが見えた。

彼らは何か叫んでいるようだが、防音ガラスの向こうでは何も聞こえない。

魔法のような光弾がいくつか飛んできたが、全て結界に弾かれて消滅した。


「……え?」


セリスが呆然とモニターを見つめている。


「あんなに……速い……?」

「最高時速は百二十キロ出るからね。馬じゃ追いつけないよ」

「ひゃ、百二十キロ……? よく分かりませんが、ドラゴンよりも速いではありませんか……!」


数分もしないうちに、騎士団の姿は完全に視界から消えた。

僕はアクセルを緩め、クルーズモードに切り替える。


「はい、終了。ね? 大したことないだろ?」

「……」


セリスは口をパクパクさせて、言葉を失っていた。

やがて、彼女はふっと力を抜いて、ソファに崩れ落ちた。


「……すごいです。ユウ様は、本当に魔法使い様なのですね」

「だから、ただの生産職だってば」


僕は苦笑しながら、コーヒーの残りを飲み干した。

こうして、僕たちの旅は騒がしくも順調に始まったのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ