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SS: 砂漠の夜と星空(セリス視点)
「……綺麗ですね」
「ああ。嵐の後は空気が澄んでるからね」
砂嵐が去った後の夜。
私とユウ様は、キャンピングカーの窓から夜空を見上げていました。
満天の星空。
宝石箱をひっくり返したような輝きに、私は言葉を失います。
「北国では、こんなにたくさんの星は見えませんでした。いつも雪雲に覆われていたから」
「そっか。じゃあ、これからはもっと色んな景色が見られるよ」
ユウ様が優しく微笑んでくれます。
その横顔を見ていると、胸が温かくなります。
追放された時は、もう二度と幸せになんてなれないと思っていました。
でも、今は違います。
「……ユウ様」
「ん?」
「私、今とても幸せです」
自然とこぼれた言葉に、ユウ様は少し驚いたように目を丸くし、それから照れくさそうに頭を掻きました。
「そ、そう? それは良かった」
ふふっ、ユウ様ったら。
ルナさんはもう寝てしまったようです。
この静かな時間は、私とユウ様だけのもの。
流れ星に願いを込めました。
どうか、この旅がずっと続きますように。




