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追放聖女を拾ったので、最強キャンピングカーで旅に出ます ~過酷な逃亡生活? いえ、エアコン完備で快適スローライフです~  作者: 悠々


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第023話: 砂漠の狐娘

砂嵐が去った翌朝。

僕たちは再び車を走らせていた。

ホタルの偵察映像を見ていたナビが、突然警告を発した。


『マスター、進行方向に生体反応を確認。……微弱ですが、まだ生きています』

「なんだって? こんな砂漠のど真ん中で?」


モニターに映し出されたのは、砂に半分埋もれた小さな影だった。

大きな耳と、ふさふさの尻尾が見える。

獣人だ。


「急いで保護しよう!」


僕は車を止め、セリスと共に外へ飛び出した。

砂を掻き分けると、そこには狐のような耳を持つ少女が倒れていた。

年齢は 12、3 歳くらいだろうか。

肌は乾燥し、唇もひび割れている。重度の脱水症状だ。


「しっかりして! ……ユウ様、急いで車へ!」

「分かった!」


僕たちは少女を抱きかかえ、涼しい車内へと運び込んだ。

ソファに寝かせ、セリスが治癒魔法をかける。

同時に、少しずつ水分を与えていく。


「……ん……うぅ……」


数分後。

少女の大きな耳がピクリと動き、ゆっくりと瞼が開いた。

金色の瞳が、ぼんやりと僕たちを見つめる。


「……み、ず……?」

「ああ、水だよ。ゆっくり飲むんだ」


僕が差し出したコップを、少女は震える手で受け取り、一気に飲み干した。

冷たい水が喉を潤すと、彼女の顔に生気が戻ってくる。


「ぷはぁっ! ……つ、冷たい!? なんでこんなに冷たいの!?」

「冷蔵庫で冷やしてたからね。……気分はどう?」

「す、すげぇ……! 生き返ったぞ……!」


少女は尻尾をブンブンと振り回し、ベッドの上で跳ね回った。

元気そうで何よりだ。


「私はララ! 狐族のララだ! 助けてくれてありがとな!」

「僕はユウ。こっちはセリスとルナ」

「よろしくね、ララちゃん」


セリスが微笑むと、ララは顔を赤くして照れた。

そして、彼女のお腹がグゥ〜と盛大に鳴った。


「あはは、お腹も空いてるみたいだね。……そうだ、これ食べる?」


僕は冷凍庫から『バニラアイス』を取り出した。

砂漠で食べるアイスほど贅沢なものはない。


「な、なんだこれ? 白い……石?」

「食べてごらん。甘くて冷たいよ」


ララはおっかなびっくり、スプーンでアイスを口に運んだ。

その瞬間。


「んんんん〜〜〜っ!!?」


彼女の耳がピンと立ち、尻尾が垂直に逆立った。


「あ、あめぇぇぇ! そしてつめてぇぇぇ! なんだこれ!? 口の中で溶けたぞ!?」

「アイスクリームっていうんだ」

「アイス……クリーム……。こんな美味いもん、初めて食った……!」


ララは感動のあまり涙目になりながら、夢中でアイスを平らげた。

そして食べ終わると、僕の前に正座し、キラキラした瞳で見上げてきた。


「お前……いや、あなた様はもしや、水の神様の使いか?」

「えっ?」

「こんな砂漠で、冷たい水と甘い雪を出せるなんて……神様に違いない! ララ、一生ついていくぞ!」


どうやら、とんでもない勘違いをされてしまったようだ。

訂正しようとしたが、ルナがニヤニヤしながら「いいじゃねぇか、神様」と茶化してくるので、諦めることにした。


こうして、僕たちの旅に新たな(そして騒がしい)仲間が加わったのだった。


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