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追放聖女を拾ったので、最強キャンピングカーで旅に出ます ~過酷な逃亡生活? いえ、エアコン完備で快適スローライフです~  作者: 悠々


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第013話: 初めてのクエスト

翌朝。

僕たちは街の西門から外へ出て、近くの森へと向かった。

今回の依頼は『薬草採取』。

冒険者なら誰もが通る道だが、僕たちには強力な助っ人がいる。


「ホタル、索敵開始。薬草の群生地を探してくれ」


僕が指示を出すと、銀色の球体がふわりと浮き上がり、森の中へと消えていった。

数秒後、僕が身につけているスマートウォッチ(スマート・キー)に地図が表示される。


「お、早いな。北東へ 300 メートル先に群生地があるみたいだ」

「すげぇな……。普通の冒険者なら半日かけて探すところだぞ?」


ルナが呆れたように言う。

僕たちは地図に従って森を進む。

足元ではポチが尻尾を振りながら、周囲を警戒してくれている。


「あ! ありました、ユウ様!」


セリスが指差した先には、青々とした薬草が一面に生えていた。

これだけあれば、依頼のノルマなんて一瞬で達成できる。


「よし、みんなで採ろうか」

「はい!」

「へいへい」


僕たちは手分けして薬草を摘み始めた。

セリスは手際よく、ルナは少し雑に、僕は……まあ普通に。

作業中も、ポチは周囲を走り回り、近づいてくる小動物や弱い魔物を威嚇して追い払ってくれている。

おかげで作業に集中できる。


「……ん? ポチが吠えてるな」


突然、少し離れた場所からポチの警戒する鳴き声が聞こえた。

ただの威嚇じゃない。敵意を含んだ声だ。


「行ってみよう」


僕たちが駆けつけると、そこでは数人の冒険者パーティが、一匹の魔物と対峙していた。

『フォレスト・ベア』。

森の主とも呼ばれる、巨大な熊の魔物だ。

F ランクの冒険者が相手にするには荷が重すぎる。


「くそっ、なんでこんな浅い場所にベアがいるんだよ!」

「逃げろ! 勝てっこねぇ!」


冒険者たちはパニックに陥っている。

ベアが鋭い爪を振り上げ、最後尾の魔法使いに襲いかかろうとした――その時だ。


「ポチ、やれ!」

「わふっ!」


僕の命令と共に、ポチが弾丸のように飛び出した。

空中で装甲を展開し、銀色の塊となってベアの横っ腹に突撃する。


――ドゴォォォン!!


「グオォッ!?」


凄まじい衝撃音と共に、巨体のベアが吹き飛ばされた。

数メートル転がり、木に激突してようやく止まる。

ポチは着地と同時に威嚇のポーズを取り、口から高周波の咆哮を放った。


『ガァァァァァッ!!』


それはただの鳴き声ではない。魔物の戦意を喪失させる音響兵器だ。

ベアは怯えきった様子で尻尾を巻き、森の奥へと逃げ去っていった。


「……は?」

「い、犬……?」


助けられた冒険者たちは、ポカーンと口を開けてポチを見つめている。

ポチは「仕事終わったよ!」と言わんばかりに、尻尾を振って僕の元へ戻ってきた。


「よしよし、偉いぞポチ」

「わふ〜ん」

「……おいユウ、目立ちすぎだろ」


ルナが小声でツッコミを入れてくるが、手遅れだ。

冒険者たちが駆け寄ってくる。


「あ、ありがとう! 助かったよ!」

「すげぇなその犬! 魔獣使い(テイマー)なのか!?」


僕は苦笑しながら誤魔化した。

「あはは……まあ、そんなところです。ちょっと強い犬なんですよ」


こうして、僕たちの初めてのクエストは、薬草の大量採取と、謎の「最強の犬」の噂を残して終了したのだった。


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