表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放聖女を拾ったので、最強キャンピングカーで旅に出ます ~過酷な逃亡生活? いえ、エアコン完備で快適スローライフです~  作者: 悠々


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

133/136

第104話: 地の底のヌシ

『警告。未識別の中型生体反応。ヤマトに伝承される魔物の一種『土蜘蛛つちぐも』の突然変異体と推測されます』


 ナビの冷静な声とは裏腹に、目の前の土蜘蛛は明らかな殺意を放っていた。

 温泉掘削のために掘った巨大な縦穴から這い出してきたそれは、広場の中央を占拠するように居座り、無数の複眼で僕たちをねめつけている。


「チッ、せっかくのバーベキュー広場が台無しじゃないか!」

「文句言ってる場合じゃないですよ! 来ます!」


 ルナが愛用の短剣を抜き放ち、セリスが杖を構える。

 巨大な土蜘蛛が、その太い前脚を振り上げ、目にも留まらぬ速さで僕たちへと襲いかかってきた。


「ポチ! ホタル! 迎撃だ!」

『ワンッ!』『ピーッ!』


 キャンピングカーから射出された警備ドローンのポチ丸(柴犬型)と、偵察ドローンのホタル(球体型)が空に舞う。

 ホタルが照射する妨害レーザーで土蜘蛛の視界を奪い、その隙にポチ丸が搭載された非殺傷ミサイル(ゴム弾仕様)を連続発射した。


 ドゴォォォンッ!


「よし、命中――って、硬っ!?」


 爆煙が晴れると、そこには無傷の土蜘蛛がいた。

 岩のように隆起した甲殻は、ゴム弾程度の威力では傷一つ付かないらしい。


『キシャァァァッ!』


 怒り狂った土蜘蛛の口から、粘着性のある白い糸が大量に噴射される。

 それはただの糸ではない。触れたものを石化させる、いや、周囲の土砂を巻き込んで急速に硬化する『泥の結界』のような代物だった。


「ひゃっ!?」

「ララ、危ない!」


 逃げ遅れそうになったララを、ルナが間一髪で抱き抱えて回避する。

 直後、ララがいた地面が白い糸に覆われ、カチンコチンの石膏のようになってしまった。あんなものに捕まったら、一瞬で身動きが取れなくなる。


「これ以上、好きにはさせません……! 【聖なるホーリー・イージス】!」


 セリスの杖から放たれた光の壁が、土蜘蛛の追撃の糸を弾き返す。

 しかし、結界はあくまで防衛用。決定打にはならない。


「こうなったら、僕の車で轢き殺すしか――」

「ええい、少し待たぬか! 邪魔じゃ!」


 僕がキャンピングカー(重機モードのまま)に乗り込もうとした時、背後から小柄な影が前に進み出た。

 床まで届く銀色の魔法陣をローブの裾に描きながら、大賢者ソフィアが杖を天へと突き上げる。


「何十年ぶりかの温泉に入れんと聞いて、わらわは今、非常に機嫌が悪い」


 ソフィアの周囲に、真っ黒な球体がいくつも浮かび上がった。

 魔導都市の防衛線を一撃で粉砕したアレだ。


「さっさとそこをどけ、虫ケラ。わらわのバカンスの邪魔をするな!」


 ソフィアの金色の瞳が、冷酷な光を放った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ