第097話: 突撃! カラクリ屋敷(キャンピングカー)
サカイの街を一直線に走り抜け、僕たちのキャンピングカーは領主の城へと迫った。
石垣の上にそびえ立つ立派な天守閣。その手前にある城門には、既に数百の兵が蟻のように群がり、槍を構えて待ち構えている。
「止まれぇ! ここを通すわけには行かぬ!」
「矢を放てぇ!」
指揮官の号令と共に、一斉に矢が雨のように降り注ぐ。
だが、その程度でこの『鉄の城』を止められるはずがない。矢はキャンピングカーの防御結界に触れた瞬間、青白い光を放って弾き返され、パラパラと無力に落ちていく。
「無駄無駄ァ! 豆鉄砲なんか効かないよ!」
「行っけー! お兄ちゃん! アクセル全開だよ!」
ルナとララが窓から身を乗り出して煽る。
僕はニヤリと笑い、アクセルペダルを床まで踏み込んだ。
「ナビ、対物障壁最大! 衝角、展開!」
『了解。城門突破モード、起動します。衝撃に備えてください』
車体が振動し、フロントバンパーからミスリル合金製の鋭利な巨大な角が伸びる。さらに車体全体が魔力で強化され、青く発光する。
エンジンが唸りを上げ、速度計が跳ね上がる。
ドゴォォォォン!!
凄まじい爆音と衝撃。
厚さ数十センチはあるはずの頑丈な城門が、まるで紙屑のようにひしゃげ、軽々と吹き飛んだ。
木片と金具が散乱し、土煙が舞い上がる。
「な、何ぃぃ!?」
「門が……一撃で!? バケモノだ!」
兵士たちが悲鳴を上げて逃げ惑う中、僕たちは悠々と城内へと侵入した。
美しい日本庭園を踏み荒らし(後で弁償するけど、今は緊急事態だ)、天守閣の目の前で急ブレーキをかける。
「カエデさん、天守閣はどっち?」
「あ、あちらです! まっすぐ!」
カエデの指示に従い、僕たちは車から飛び出した。
僕、セリス、ルナ、ララ、ソフィア、そしてカエデ。最強の布陣だ。
ナビには自動防御モードで待機してもらう。
「ここからは徒歩だ! 行くぞ! 邪魔するやつは薙ぎ払え!」
「御意!」
僕たちは天守閣への階段を駆け上がった。
立ち塞がる敵兵たちが槍を突き出してくるが、ソフィアが優雅に扇子を振るうだけで、重力魔法により地面に這いつくばる。
ルナは影のように走り抜け、すれ違いざまに武器だけを弾き飛ばしていく。
「どいてどいてー!」
ララに至っては、タックルで大人数人を吹き飛ばしている。
誰にも僕らを止められない! 目指すは最上階、悪徳家老の首だ!




