第096話: 悪徳家老の陰謀
襲撃者を退けた翌朝。
僕たちはちゃぶ台を囲み、朝食(もちろん和定食)を食べながら、今後の作戦会議を開いた。
今日のメニューは、炊きたての白米、だし巻き卵、納豆、そして昨晩の残りの焼き魚だ。
「ん〜っ! このネバネバした豆、最初は驚いたけど、ご飯にのせると最高だね!」
「うむ。この独特の香りが癖になる。発酵食品とは奥が深いのう」
ルナとソフィアは納豆に夢中だ。ララはだし巻き卵を頬張って幸せそうな顔をしている。
そんな平和な食卓で、カエデだけが箸を止め、深刻な表情を浮かべていた。
「……敵の狙いは私の暗殺。そして、父上を完全に傀儡化することです」
カエデが重い口を開く。
彼女の父である領主は、代々伝わる宝刀を手にしてから豹変してしまったという。
「あれは宝刀などではありません。……『妖刀・村雨』。人の心を喰らい、使い手を操る呪いの刀です」
「妖刀か。厄介な代物じゃな」
ソフィアが味噌汁を啜りながら頷く。
新しく雇われた家老のクロウは、その妖刀を領主に握らせ、裏から操っているのだ。クロウは黒影衆を束ねる頭領でもあり、この国を乗っ取ろうと企んでいる。
そして、その計画に気づいたカエデを消そうとしているのだ。
「父上を……妖刀の呪縛から解き放ちたいのです。でも、城は厳重に警備されていて、近づくことすら……。城門には数百の兵と、黒影衆のエリートたちが待ち構えています」
カエデが悔しそうに拳を握りしめる。
正攻法では勝ち目がないと思っているようだ。
だが、僕たちの辞書に「不可能」の文字はない。
「なら、正面から堂々と行けばいい」
僕は箸を置き、ニヤリと笑って提案した。
「え?」
「コソコソ隠れて行くから狙われるんだ。一番目立つ方法で、城まで直行しよう」
僕には最強の乗り物がある。
城門だろうが包囲網だろうが、蹴散らして進めばいいのだ。
「で、でも……城には数百の兵がいますよ!? いくら貴方たちでも……」
「問題ない。わらわもおるしな。数百程度、魔法の的にもならん」
「アタシも賛成だね。忍び込むより、暴れる方が性に合ってるし!」
「ララもー! わるいごかろーをやっつけるー!」
みんなの意見は一致した。
頼もしすぎる仲間たちだ。カエデは呆然としていたが、やがて瞳に希望の光が宿った。
彼女は深く頭を下げた。
「分かりました。……貴方たちを信じます。どうか、力を貸してください! この国を、父上を救うために!」
「よし、決まりだ! 作戦名は『突撃! 隣のカラクリ屋敷』だ! ナビ、戦闘モードの準備を!」
『了解。全システム、オールグリーン。いつでも出撃可能です』
僕たちは食器を片付け、キャンピングカーに乗り込んだ。
エンジンが轟音を上げ、タイヤが地面を噛む。
いざ、城攻めだ! 目指すは天守閣!




