表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放聖女を拾ったので、最強キャンピングカーで旅に出ます ~過酷な逃亡生活? いえ、エアコン完備で快適スローライフです~  作者: 悠々


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

115/129

SS: 酔いどれ賢者(ソフィア視点)

「うぃ〜……ひっく。まだ飲めるぞ〜。酒を持て〜」


 午前十時のキャンピングカー・マリンのリビング。

 そこには、世界最強と謳われる大賢者の威厳など微塵もない、ダメな大人の姿があった。

 ソフィアはクッションの山に埋もれ、だらしない格好で空の酒瓶を振っていた。

 昨夜の宴で大騒ぎしたにも関わらず、彼女は懲りずに朝から迎え酒を敢行していたのである。


「ふひひ……この『ドラゴンスレイヤー』……やはり素晴らしいのぅ」


 黄金色に輝く伝説の酒。

 一口含めば、芳醇な香りと深いコクが広がり、カッと熱い奔流となって魔レイ回路を駆け巡る。


「うむ、これはただの酒ではない。極上の魔力ポーションじゃ。実質、健康飲料と言っても過言ではない」

「過言です! ただのアルコールです!」


 バーン! とテーブルを叩く音が響く。

 エプロン姿のセリスが仁王立ちしていた。


「ソフィア様! 朝っぱらから何をやってるんですか! ララちゃんが見てますよ!」

「堅いことを言うでない。お主も一杯どうじゃ? 世界が変わって見えるぞ~?」

「私は飲みません! ほら、酒瓶を渡してください!」


 セリスが酒瓶を取り上げようとするが、ソフィアは「いやじゃ〜! わらわの命の水じゃ〜!」と抵抗する。

 その横では、ララが興味深そうに目を輝かせていた。


「ねえねえ、おさけっておいしいの? ソフィアちゃん、お顔まっかっかだよ?」

「おお、そうじゃよララ。これは大人のジュースじゃ。飲むと楽しくなって、空も飛べるようになるんじゃぞ〜」

「うそだー! ソフィアちゃん、いっつもとんでるもん!」

「あ痛っ」


 ララの純粋なツッコミが突き刺さる。

 そこへ、呆れ顔のユウがコーヒーを持ってやってきた。


「ユウ〜、セリスがいじめるんじゃ。わらわは被害者じゃ」

「僕もセリスに賛成だよ。ソフィア、自分が昨日の夜、何やったか覚えてないの?」

「な、なんじゃ? わらわは楽しく飲んでいただけじゃぞ?」

「『わらわは世界一じゃー!』って叫んでマストから『メテオ』の詠唱を始めたんだよ。もう少しでバルバロスが地図から消えるところだったんだからね」

「あと、ロゼさんのお父様に『筋肉の実験台になれ』って絡んでましたよ」


 ユウとセリスの追撃に、ソフィアの動きが止まり、冷や汗が流れる。


「な、なんじゃと……? ……わらわは、覚えておらんぞ……?」

「嘘つけ。目が泳いでるよ」


 顔を真っ赤にしてそっぽを向くソフィア。記憶がないふりを決め込むつもりだ。

 伝説の大賢者も、ここではただの酒癖の悪い駄目エルフでしかない。


「ほら、酔い覚ましのコーヒー。これを飲んでシャキッとしてくれよ」

「むぅ……苦いのぅ……」


 ソフィアは渋々マグカップを受け取る。

 反省しているようにも見えるが、心の中では「次はバレないように、透明化の魔法を使って飲むか……」と、全く懲りていない計画を立てているのであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ