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追放聖女を拾ったので、最強キャンピングカーで旅に出ます ~過酷な逃亡生活? いえ、エアコン完備で快適スローライフです~  作者: 悠々


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第087話: 洞窟の番人

 洞窟の奥深く。たどり着いた広間には、異様な空気が充満していた。

 鼻を突く腐敗臭と、赤い光。

 地響きのような唸り声と共に、それは姿を現した。


「グルルルゥ……」


 巨大な翼と、腐り落ちた皮膚、むき出しの骨。

 『ドラゴンゾンビ』。かつてこの地を支配していた龍の成れの果てだ。


「……嘘だろ。まさか、こんな化け物が番人だったなんて」


 ロゼが震えている。海賊といえど、相手は伝説級のアンデッド。生物としての格が違いすぎる。

 ドラゴンゾンビが咆哮し、緑色の腐食性ブレスを吐きかけてきた。


「危ない! 『ミラーシールド』!」


 僕が前に飛び出し、魔力の盾を展開する。

 ブレスが衝突し、盾が激しくきしむ。ただの酸ではない、強力な呪いだ。


「ぐっ、重い……! セリス、浄化を!」

「はい! 聖なる光よ、迷える魂に安息を……『セイクリッド・レイ』!」


 セリスが錫杖を掲げると、まばゆい光の柱が降り注いだ。

 聖属性の極大魔法が闇を払拭し、ドラゴンゾンビを焼く。


 ギャアアアアッ!


 光を浴びた巨体が苦悶の声を上げ、黒い煙が昇華していく。


「今だ! トドメだよ!」

「あいよッ! 凍てつけ! 『氷華アイス・フラワー』!」


 ルナが影から飛び出し、無数の氷の棘でドラゴンゾンビを地面に縫い付けた。

 巨大な氷の花が咲いたように動きが封じられる。


「ユウ様、合わせます!」

「ああ! これで終わりだ!」


 僕は残った魔力を練り上げ、右手に収束させた。

 炎と光の複合属性魔法だ。


「『聖炎弾ホーリー・バースト』!」


 放たれた輝く火の玉が、ドラゴンゾンビの眉間へと吸い込まれ――。

 

 ドォォォン!!


 凄まじい爆発音と共に、巨大な骨の体が内側から砕け散った。

 煙が晴れると、そこには何も残っていなかった。ただ静寂があるだけだ。

 

「……すげぇ。本当に倒しちまった」


 ロゼたちが呆然としている。


「ふむ、汚らわしいのう。アンデッドは生理的に受け付けん」


 ソフィアがハンカチで鼻を押さえながら、不満げに服を払っている。

 どうやら彼女にとっては、ただの害虫駆除だったようだ。


「さあ、奥へ行こう。幻の酒が待ってるはずだ」


 僕はロゼの肩を叩いた。

 彼女は深く頷き、その瞳には僕たちへの畏敬の念が宿っていた。


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