第080話: 新たな旅立ち(再会を誓って)
翌朝。
嵐の影響で狂っていた磁気嵐も収まり、ナビのシステムが正常に戻った。
島を出る時が来たのだ。
僕たちは海岸で、アイリスと向き合っていた。
「本当について来ないの? アイリスも一緒に来ればいいのに」
「ああ、私も少し迷った。……だが、やっぱり私はこの島が好きだ」
アイリスはジャングルの方を振り返った。
「恐竜たちも、あの温泉も、私の家族みたいなものだからな。それに、あいつ(ティラノ)がいなくなった今、私がしっかり管理してやらないと」
「そっか。アイリスらしいね」
ララが少し寂しそうにするが、すぐに笑顔を見せた。
アイリスは自分の意志で残ることを選んだのだ。
「あ、そうだ。これを持ってて」
僕はナビに作らせた小型の通信機(イヤリング型)を彼女に渡した。
「寂しくなったら連絡してよ。僕たちもたまには遊びに来るからさ」
「……ああ。ありがとう、ユウ」
彼女は大切そうにイヤリングを付けた。
「さて、わらわはどうするかのう」
ソフィアがニヤニヤしながら僕を見る。
「どうするも何も、王都に帰るんでしょ?」
「嫌じゃ。面倒くさい。わらわも行く」
「ええっ!?」
「最強の賢者がついていれば百人力じゃろ? 感謝せい」
どうやら、この自由奔放な幼女賢者は、そのまま旅に同行する気満々らしい。
まあ、彼女がいれば心強いのは確かだが。
「やれやれ……。じゃあ、出発しますか!」
僕たちはキャンピングカーに乗り込み、アイリスに手を振った。
「元気でな! また美味い肉を持ってこいよ!」
「うん! 約束する!」
キャンピングカーは再び海へと走り出した。
水陸両用モードで波を切り、遠ざかっていく島。
そこには、一人の少女がいつまでも手を振り続けていた。
こうして、僕たちのサバイバル生活は終わった。
新たな仲間(?)ソフィアを加え、旅はさらに賑やかに続いていく。




